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天高く陰謀巡る秋

旦那様への説教

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「ここの文法は……」
 いちごさんが説明してくれているかたわらで、旦那様がお義母様とお義姉様に説教を受けております。

 どうやら、いちごさんと大志さんから、強制休みとそれを喜ぶ旦那様の話が伝わった模様です。
 当然ですよねーー。いくら私が危険とはいえ、バイトまで強制的に休ませ、マンションから出ておりません。半ば監禁ですよ。
「……言い訳を聞こうかしら」
 旦那様のブリザードはお義母様譲りだったようです。
「恵真から園田ととある場所・・・・・に行ってから連絡が取れないと」
 その言葉に、大志さんまでがピクリと反応しました。
とある場所・・・・・ってあの方・・・のところ?」
「それ以外にどこがある? もともと園田は大恩がある。一応『己なら戒められるかもしれない』と言っていたが、それが本当なのかも分からない」
 園田さんに対する言葉では、珍しく少しばかり辛辣です。
「その説明を麻帆佳ちゃんにしていなから、不平不満というものが生まれるのですよ」
お義母様も閉じ込め賛成派に回ってしまいましたよ! どうするんですか!
「私たちの場合は、あの方が間に立っての結婚でしたから、何もなかったですけど」
 お義姉様、その方は仲人なこうどのような方ですか?
「あ、そうなんだ」
「えぇ。結婚で唯一自分の意見を通してないのが龍雅さんと麻帆佳さんの結婚です。……そういう意味では確かに不安が残りますわね」
 お義姉様まで賛成派!? 孤立無援ですか、私。
「龍雅が悪いわけでも、麻帆佳ちゃんが悪いわけでもないけど、あの方を敵に回すと色々と大変なの。ほとぼりが冷めるまででいいから、ここで大人しくしてもらえないかしら」
 うーーん。納得し辛いです。だったらいっそ、りこ……
「だから、それはしないからね!」
 どうやらまた無意識で言っていたようです。今の生活が天国ですが、引きこもりは嫌なんですよ。
「絶対納得してもらうから! それまででいいからここで大人しくして!」
「……分かりました」
 旦那様の手腕をたまには信じてみましょうか。


 どんなにマンションの中にいるといっても、相手方も侵入しようと思えばできるわけで。

 数日後、いちごさんと人質に取られた大志さんによって、私はマンションを連れ出されました。
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