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天高く陰謀巡る秋
新たな事実ですよ
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私がバイトしている時に店に来るくせに、書類は「会社に取り来い」とは、これいかに? と思うのですよ。
幸いにして本日バイト休みの金曜日でございます。学校終わりに向かうしかありません。
……嫌ですよ。ほんっきで。大人な方たちが働いているところに、私が行くっていうのもねぇ、とぼやいていたら千夏と花音に怒られました。
「離婚届欲しいんでしょ、学校終わりにさっさと行っといで」
正論ですが、制服姿で行けと? 何の罰ゲームですか。
近くに来たので連絡しようとして、迷っているうちに時間が刻一刻と過ぎていきます。恵真さんが付いてきてくれまして、心強いのですがはたしてどうしたらいいものか。
「さっさと連絡欲しかったんだけど」
「ぎゃぁぁぁ!」
後ろから声をかけられ、とんでもない声を出してしまいました。
「……えっと」
どなたですか、この方。
「あ、申し遅れました。私、厳原専務の秘書を務めております藤城と申します」
名刺を渡しながらそんな自己紹介が。
厳原専務とは誰のことかと思えば、旦那様のことでした。旦那様の役職って専務だったんですね。
「……そこまで興味ないとは、さすがに哀れになってくるな。専務は現在高部が抑えてますので」
「書類持ってきていただいたのでは?」
「名刺一つで信用するってどんなんよ。初対面なのに」
それもそうですね。本当に旦那様の秘書さんでしたら、書類持ってきているはずですが。
「持ってきてないよ。そういう重要書類は本人から貰うべきでは?」
……えぇぇぇ。ものすっごく面倒なのですが。
「高部。言われた通り奥様と接触。……うん。一人じゃなく、あまり口出ししないい女性が一緒。…………あ、マジ? 最初からその予定かぁ。……奥方だけ連れてけばいいんだろ? それは分かってるんだが……。…………あ、マジ? うん、連れていきたいのはやまやまなんだが、俺が書類持ってると思い込んで受け渡しようきゅ…………だよなぁ。うん。一回替わって貰っていいか?」
唐突に電話をしたと思ったら、高部さんにですか。何をお考えで? 藤城さん。
「とりあえず、高部と話して貰っていいかい」
「あ、お電話替わりました」
『お~く~さ~ま~!! あんた何考えてんですか! とりあえずこっち来て! そこで受け渡しなんてできないからっ!!』
えぇぇぇ。何でですか。
その後も滾々と高部さんと藤城さんに説教され、仕方なく会社に行くことになりました。
「ってか、今回の一件、一切専務に相談してないって本当?」
向こうに戻る前に少し話があると、藤城さんがおっしゃるので、近くのカフェでお話合いです。
恵真さんは、私の隣で藤城さんをにらんでおります。
あ、ご存じなんですね。というか、相談の必要あったのでしょうか。
「それからさぁ、俺のとこ覚えてない?」
……えっと、どなたでしたっけ。って……あぁぁぁぁ!!
「あの時の!!」
「あ、覚えていたようで何より。あの場に俺がいたのは、専務の指示だって言ったら、どうする?」
どういう意味でしょう。あの頃私、旦那様と一切面識なかったはずです。
「君が面識ないと思ってても、どっかで会ってたはず。あの喫茶店には俺も、専務も時々行ってたし」
それは知りませんでした。常連さんではなかったのですね。
「あそこの常連は特殊だからね。常連になんざ、なりたくもない」
分かる気もしますが。
「それは置いといて。そういう電話が一度来た時点で専務に相談してほしかった」
「ご存じ……なんですか?」
「うん。君が出てってから、悪いと思ったらしいけど、君の部屋に何か手掛かりないかって調べたらしいし。さっきいた女性にも色々聞いて電話のことは知った」
恵真さんから電話は筒抜けでしたか。最初の電話は一緒にいる時でしたっけ。
「そのあたりは知らんよ。もう、必死になって調べまわってたよ。仕事以外の時間は、全部費やして」
……ん? 愛人さんなのか、恋人さんと遊んでたんじゃないんですか?
「あ~の~ねぇ! 一つ言わせてもらうけど、君に変な電話が最初にあった出張って、俺も一緒に行ってた! 女性秘書も一緒だったけど、電話があった時間帯は酒飲んでた時間帯!」
……え? じゃああの電話は……。
「そういうこと! そこだけは俺だけじゃなく、向こうの会社役員も証人になるから!!
というわけで一回! 専務としっかり話をすること! あ、これから専務は長い休憩だから、勤務時間には被らない」
……ちっ。先手を打たれましたよ。
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ここでいう「あの場所」「あの時」は閑話「麻帆佳危機一髪!!」内の出来事です。
ブラウザバックした方のために補足いたしますと「麻帆佳に対して親族からもたらされた、心理的・物理的な危機」をとある親切な方が助けてくれたというものです(ざっくり過ぎ)。
幸いにして本日バイト休みの金曜日でございます。学校終わりに向かうしかありません。
……嫌ですよ。ほんっきで。大人な方たちが働いているところに、私が行くっていうのもねぇ、とぼやいていたら千夏と花音に怒られました。
「離婚届欲しいんでしょ、学校終わりにさっさと行っといで」
正論ですが、制服姿で行けと? 何の罰ゲームですか。
近くに来たので連絡しようとして、迷っているうちに時間が刻一刻と過ぎていきます。恵真さんが付いてきてくれまして、心強いのですがはたしてどうしたらいいものか。
「さっさと連絡欲しかったんだけど」
「ぎゃぁぁぁ!」
後ろから声をかけられ、とんでもない声を出してしまいました。
「……えっと」
どなたですか、この方。
「あ、申し遅れました。私、厳原専務の秘書を務めております藤城と申します」
名刺を渡しながらそんな自己紹介が。
厳原専務とは誰のことかと思えば、旦那様のことでした。旦那様の役職って専務だったんですね。
「……そこまで興味ないとは、さすがに哀れになってくるな。専務は現在高部が抑えてますので」
「書類持ってきていただいたのでは?」
「名刺一つで信用するってどんなんよ。初対面なのに」
それもそうですね。本当に旦那様の秘書さんでしたら、書類持ってきているはずですが。
「持ってきてないよ。そういう重要書類は本人から貰うべきでは?」
……えぇぇぇ。ものすっごく面倒なのですが。
「高部。言われた通り奥様と接触。……うん。一人じゃなく、あまり口出ししないい女性が一緒。…………あ、マジ? 最初からその予定かぁ。……奥方だけ連れてけばいいんだろ? それは分かってるんだが……。…………あ、マジ? うん、連れていきたいのはやまやまなんだが、俺が書類持ってると思い込んで受け渡しようきゅ…………だよなぁ。うん。一回替わって貰っていいか?」
唐突に電話をしたと思ったら、高部さんにですか。何をお考えで? 藤城さん。
「とりあえず、高部と話して貰っていいかい」
「あ、お電話替わりました」
『お~く~さ~ま~!! あんた何考えてんですか! とりあえずこっち来て! そこで受け渡しなんてできないからっ!!』
えぇぇぇ。何でですか。
その後も滾々と高部さんと藤城さんに説教され、仕方なく会社に行くことになりました。
「ってか、今回の一件、一切専務に相談してないって本当?」
向こうに戻る前に少し話があると、藤城さんがおっしゃるので、近くのカフェでお話合いです。
恵真さんは、私の隣で藤城さんをにらんでおります。
あ、ご存じなんですね。というか、相談の必要あったのでしょうか。
「それからさぁ、俺のとこ覚えてない?」
……えっと、どなたでしたっけ。って……あぁぁぁぁ!!
「あの時の!!」
「あ、覚えていたようで何より。あの場に俺がいたのは、専務の指示だって言ったら、どうする?」
どういう意味でしょう。あの頃私、旦那様と一切面識なかったはずです。
「君が面識ないと思ってても、どっかで会ってたはず。あの喫茶店には俺も、専務も時々行ってたし」
それは知りませんでした。常連さんではなかったのですね。
「あそこの常連は特殊だからね。常連になんざ、なりたくもない」
分かる気もしますが。
「それは置いといて。そういう電話が一度来た時点で専務に相談してほしかった」
「ご存じ……なんですか?」
「うん。君が出てってから、悪いと思ったらしいけど、君の部屋に何か手掛かりないかって調べたらしいし。さっきいた女性にも色々聞いて電話のことは知った」
恵真さんから電話は筒抜けでしたか。最初の電話は一緒にいる時でしたっけ。
「そのあたりは知らんよ。もう、必死になって調べまわってたよ。仕事以外の時間は、全部費やして」
……ん? 愛人さんなのか、恋人さんと遊んでたんじゃないんですか?
「あ~の~ねぇ! 一つ言わせてもらうけど、君に変な電話が最初にあった出張って、俺も一緒に行ってた! 女性秘書も一緒だったけど、電話があった時間帯は酒飲んでた時間帯!」
……え? じゃああの電話は……。
「そういうこと! そこだけは俺だけじゃなく、向こうの会社役員も証人になるから!!
というわけで一回! 専務としっかり話をすること! あ、これから専務は長い休憩だから、勤務時間には被らない」
……ちっ。先手を打たれましたよ。
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ここでいう「あの場所」「あの時」は閑話「麻帆佳危機一髪!!」内の出来事です。
ブラウザバックした方のために補足いたしますと「麻帆佳に対して親族からもたらされた、心理的・物理的な危機」をとある親切な方が助けてくれたというものです(ざっくり過ぎ)。
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