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晩御飯と、突然の帰宅
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さてさて、今日のメニューはグラタン、ミネストローネ(花音リクエスト)に筑前煮と豚肉の生姜焼き(美夏リクエスト)です。
グラタン皿がなかったので慌てて買い足そうとしたら、園田さんに止められました。そのあとの買い物はずっと園田さんと一緒でしたとも。……お帰り願いたかったのですが「ならば本日お支払いはカードになさいますか?」ってにこやかにおっしゃるんですもん。……財布忘れた自分が恨めしいです。
お弁当用に冷凍しておくのもいいので、余った分はアルミカップに入れてます。
筑前煮と豚肉は明日のお弁当に入れてしまいましょう。
それにしても、キッチンが広いっていいですね。
下ごしらえがある程度同時進行で進められます。
まずはペンネを茹でるためのお湯を沸かして、干し椎茸もお湯で戻します。その間に豚肉を生姜ダレに漬け込みます。
これが終わったら、野菜を切っていきます。まずは、筑前煮から。野菜は一口大の乱切りに。筍は時間がなかったので水煮を購入してきました。灰汁抜きからしたかったんですが、仕方ないです。筑前煮に使う一部野菜も灰汁抜き必要ですから、水につけておきます。
水につけている間にミネストローネ用の野菜も細かく切って、終わったら筑前煮を作ります。次にミネストローネ。それが終わったらホワイトソースですね。
「相変わらず手際いいな」
美夏が感心していますが、私に手際よく作るコツを教えてくれたのは、あなたと花音のお母さんですよ? 今までこうやって女子会するときはどちらかのお家でやってましたし。お手伝いしながらコツを色々教えてもらいました。
最後にお肉を焼いて、盛り付けです。
「いただきま……」
三人で口をそろえて挨拶しようとしたら、扉がいきなり開きましたよ! びっくりです。
……って、帰ったはずの園田さんと、それから旦那様じゃないですか!!
「……お帰りなさい」
「ただいま戻りました」
どうやら旦那様、ご飯は召し上がってきたようです。園田さんにはだから言ったでしょうと視線を送っておきます。この方、私に関心ないんですから!!
「観賞用の顔だね」
「ってか、本当に関心なし? ツンデレとか、クーデレの可能性もあるんじゃない?」
そういうのが好きな花音が嬉しそうに言います。でもね、私はこんな風に思っちゃうわけですよ。
「花音さんや、そんなうすら面倒くさい属性要らん。三日で美形は飽きるって言うんだし、どうせなら一緒に稼ぎつつ穏やかに暮らせる人が一緒の方がいい」
これが私の考えです。
「さすが麻帆佳。枯れてやがる」
少し呆れて千夏が言います。
「叔父夫婦のような生活はごめんだし」
身の丈に合った生活が一番だと思うわけですよ。
「そりゃそうだ。ってかさ、うちのお母んが『いつでも家出してきなさいって伝えといて』ってメールを」
「それ、うちも」
千夏と花音がそんなことを言ってくれます。
二人のお母さんにはホント、足を向けて寝れません。そのご厚意ありがたくいただきます。使わないに越したことはないですが。
「お母んもおとんもさ、『兄貴と一緒になれば嫁姑なんて関係ないね』って言ってたのにね」
千夏のお母さんはそんなことを考えてくれていたのですか。
「千夏のお兄さんのお嫁さんは難易度が高すぎる」
「それ、私も思うわ。千夏のお母さんは料理上手すぎ。うちのお母さん、千夏のお母さんに料理のコツ教えてもらってるし」
私がそういう意味での拒否を示すと、花音が頷きます。ですがね花音さん、それ初耳ですよ。ってか、道理で似たレシピが多いと思っていたんですよ。
ブイヨンや天然酵母も手作りする、兼業主婦さんですからね。一体どこにそんな時間があるのかと、毎回思っていたりします。
千夏に言わせると、「休みの日に作り置き」だそうですが。素晴らしいです。
それはそうと、旦那様の態度です。千夏と花音も物申すって感じになってます。
「ツンデレ、クーデレがいいと思うのは、物語の中だけか」
花音の言葉に二人そろって頷きました。
グラタン皿がなかったので慌てて買い足そうとしたら、園田さんに止められました。そのあとの買い物はずっと園田さんと一緒でしたとも。……お帰り願いたかったのですが「ならば本日お支払いはカードになさいますか?」ってにこやかにおっしゃるんですもん。……財布忘れた自分が恨めしいです。
お弁当用に冷凍しておくのもいいので、余った分はアルミカップに入れてます。
筑前煮と豚肉は明日のお弁当に入れてしまいましょう。
それにしても、キッチンが広いっていいですね。
下ごしらえがある程度同時進行で進められます。
まずはペンネを茹でるためのお湯を沸かして、干し椎茸もお湯で戻します。その間に豚肉を生姜ダレに漬け込みます。
これが終わったら、野菜を切っていきます。まずは、筑前煮から。野菜は一口大の乱切りに。筍は時間がなかったので水煮を購入してきました。灰汁抜きからしたかったんですが、仕方ないです。筑前煮に使う一部野菜も灰汁抜き必要ですから、水につけておきます。
水につけている間にミネストローネ用の野菜も細かく切って、終わったら筑前煮を作ります。次にミネストローネ。それが終わったらホワイトソースですね。
「相変わらず手際いいな」
美夏が感心していますが、私に手際よく作るコツを教えてくれたのは、あなたと花音のお母さんですよ? 今までこうやって女子会するときはどちらかのお家でやってましたし。お手伝いしながらコツを色々教えてもらいました。
最後にお肉を焼いて、盛り付けです。
「いただきま……」
三人で口をそろえて挨拶しようとしたら、扉がいきなり開きましたよ! びっくりです。
……って、帰ったはずの園田さんと、それから旦那様じゃないですか!!
「……お帰りなさい」
「ただいま戻りました」
どうやら旦那様、ご飯は召し上がってきたようです。園田さんにはだから言ったでしょうと視線を送っておきます。この方、私に関心ないんですから!!
「観賞用の顔だね」
「ってか、本当に関心なし? ツンデレとか、クーデレの可能性もあるんじゃない?」
そういうのが好きな花音が嬉しそうに言います。でもね、私はこんな風に思っちゃうわけですよ。
「花音さんや、そんなうすら面倒くさい属性要らん。三日で美形は飽きるって言うんだし、どうせなら一緒に稼ぎつつ穏やかに暮らせる人が一緒の方がいい」
これが私の考えです。
「さすが麻帆佳。枯れてやがる」
少し呆れて千夏が言います。
「叔父夫婦のような生活はごめんだし」
身の丈に合った生活が一番だと思うわけですよ。
「そりゃそうだ。ってかさ、うちのお母んが『いつでも家出してきなさいって伝えといて』ってメールを」
「それ、うちも」
千夏と花音がそんなことを言ってくれます。
二人のお母さんにはホント、足を向けて寝れません。そのご厚意ありがたくいただきます。使わないに越したことはないですが。
「お母んもおとんもさ、『兄貴と一緒になれば嫁姑なんて関係ないね』って言ってたのにね」
千夏のお母さんはそんなことを考えてくれていたのですか。
「千夏のお兄さんのお嫁さんは難易度が高すぎる」
「それ、私も思うわ。千夏のお母さんは料理上手すぎ。うちのお母さん、千夏のお母さんに料理のコツ教えてもらってるし」
私がそういう意味での拒否を示すと、花音が頷きます。ですがね花音さん、それ初耳ですよ。ってか、道理で似たレシピが多いと思っていたんですよ。
ブイヨンや天然酵母も手作りする、兼業主婦さんですからね。一体どこにそんな時間があるのかと、毎回思っていたりします。
千夏に言わせると、「休みの日に作り置き」だそうですが。素晴らしいです。
それはそうと、旦那様の態度です。千夏と花音も物申すって感じになってます。
「ツンデレ、クーデレがいいと思うのは、物語の中だけか」
花音の言葉に二人そろって頷きました。
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