【完結】疲れ果てた水の巫子、隣国王子のエモノになる

本編

39 準備

「だ、だめです……！そんなっ、」

僕のベルトに手をかけるクライヴ様から、必死に逃げる。
バランスを崩して、床に倒れ込もうとしたのを、大きな腕で掬われる。ほっとしたのも束の間、そのまま床にそっと下ろされ縫い止められた。

柔らかな絨毯の上。
痛くはない、けれど、いまだに僕の服に手を入れようとしていて安心は出来ない。


「では、これならどうだ？」


あまりに嫌がる僕に、クライヴ様はガバッと勢いよく服を脱いだ。
逞しく磨き抜かれた筋肉の鎧。
それは、精悍な美貌によく映えている。

止める間もなく、下も脱ぎ去ってしまった。
ブルン！と飛び出たのは、間違いなく、痛そうな程に聳り立つ欲望の象徴。
しかし、あんまりにも僕と違いすぎる。二回り以上大きいのでは？もう、子供の腕くらいあるじゃないか。


「クライヴ様、酷いです、そんな良い身体を……、見せつけるように！」

「褒められているのかどうなのか判断に迷うな」

「どうせ僕なんか……っ、あっ！」


するり、と取り払われてしまった。もう、残ったのは下着だけ。しかしその面積は小さい。
ああ、もうダメだ……。


「シュリエル、まさか、狙って……？」

「う、う、わ、」


唯一残った下着。
これは正式な神官服を着る際に身につける、少しお高い下着で、上の衣服に影響を及ぼさないようになっている。着心地も良いので僕が愛用しているもの。

つまり、白い薄い紐パン。

レースのような紐を両サイドで結ぶ。後ろはＴの字のようになっていて、尻は剥き出しで蒸れなくていい。
僕の肌は弱いから、擦れて赤くなることもあるのだが、これなら平気。

前の布部分も最小限。いや、僕のが小さいと言うわけではない。重ねて言うが決して小さくはない。

しかし、十分隠れる程度の布しかないから、この時点で毛が生えていないことは分かってしまうのだ。


「なんて罪深い……エッッッロ……」


クライヴ様が屈んだと思えば、臍の下、下腹部にちゅうっとキスをされた。


「ひゃっ！くら、イヴさま……っ」

「この素敵な下着は？誘惑しに来たのか？それなら正解だ。今、俺は自分史上最高に興奮している」


ちろ、ちろ、と下腹を舌で舐め擦られていく。
顔が熱い。そんな、ところを、舐めるなんて！僕の下の毛もない所を、ざりざりと味わうように舐められている。

かと思えば、クライヴ様の手は、僕のつるんとした双丘を優しく包んだ。大きな手にすっぽりと収まって温められたら、じわじわとレース紐の中に指を入れられて、さわさわ、すりすり、肌の感触を確かめるみたいに。


「んっ、あ、や、クライヴ、さま……」


クライヴ様は恍惚とした表情のまま。唇を使って、結ばれていたレース紐を解く。ゆっくりとしたその動作に、目が離せない。


なんて、なんて、色っぽい顔をして。


いつの間にか、恥ずかしいよりも、もっとクライヴ様に触れて欲しい気持ちが勝っていた。

ついに下着は取り払われてしまった。
ソコは、期待に張り詰めていた。むずむずして脚を擦り合わせたいのに、クライヴ様がいて叶わない。


「まるで花芯だな。綺麗で……愛しい」


クライヴ様はそう言うと、なんと、僕の陰茎に舌を這わせ、じっとり、ねっとりと舐め上げた。


「……～～っ！あっ、ああっ、」


ちゅぱちゅぱと美味しそうに口に含まれ、舐られる。
その巧みな舌使いに腰は揺れ、知らない快感が弾けそうになる。

じゅるっ、じゅるっ、……ちゅるり。


「はあっ、あっ、やぁ、だ、……ッ、だめっ！」


じゅうううっ！！

勢いよく吸われると、もうダメだった。
強い快感に腰が砕ける。頭から足のつま先まで電流が走り、息が詰まる。

どく、ドク……。


「はぁ、あ、あ、……」


ぼんやりと身体を投げ出すと、僕の先端からナニかがぴゅっ、ぴゅうっ、と出ている。でもそこには、クライヴ様が……？！


「っ、クライヴ様っ？！何を……！」

「随分と濃いな。久しぶりだったのか？……とても甘い。最上級の蜜のようだ」

「えっ？！ウソ、僕、……初めて……」

「……初めて？」

「そそそんなことより！なんてモノを！ペッして下さい！」


そう言うものの、クライヴ様はもう何も残っていない舌をペロリと見せるのみ。

僕は青くなった。王子になんてものを……！
顔を手で覆う僕に、クライヴ様は優しく、しかし意地悪そうに笑う。


「馳走になった。しかし、まだ終わりではないからな」

「えっ？」


クライヴ様はそう言うと、どこからか青い錠剤を取り出した。
どうするのだろうと眺めていると、視界が反転した。

ひっくり返されたのだ。

ふわふわの絨毯に裸の身体を押し付けるようにされて、むんずと尻を割開かれる。
ひくひくとソコが空気に晒されたのが分かり、羞恥に身悶えた。


「ひゃっ！？おやめ、くださ――！！」


ぷちゅっ！

クライヴ様の指が、無遠慮に入ってきた！
先程の青い錠剤か。埋め込まれてすぐに、ぞわぞわとした違和感。

ほんのりと温かいし、湿っているようにも感じる。
そこを、太く長い指がぷちゅ、くちゅりと入って入って優しくかき混ぜ、くるくると弄ぶ。

そんな、所に、あの形の良い指が入るなんて。

内臓の内側を擦られているよう。心臓は壊れたように鳴り響いている。時折、掠めた指のせいでびくん！と身体が跳ねて、自分でも驚くほど甘い声が漏れてしまう。


「ああんっ、あう、あん……っ、あ、あ、」

「はぁ、クソ、痛すぎるな……」


クライヴ様が何か言いながら、僕のあられもないところを満遍なく指でかき混ぜていくうちに、違和感だらけだったそこは、段々と敏感になっていく。

ぬち、ぬち、くちゅ、くちゅ。


「ふ、う……っ、んっ！」

「心頭滅却……、煩悩……払……、クッ、すまん、シュリエル、借りるぞ……っ！」

「へ、はいっ……？！」


脚を閉じさせられたと思えば、その隙間に、クライヴ様のおっきな肉棒がにゅっと入り込んできた……っ！

パンッ！パンッ！パンッ！パンッ！

腰を叩きつけられて、お尻が熱い。両脚の隙間がぬるぬるして、クライヴ様のものが出し入れされて、それがまた僕のものと擦れるのだ。


「ひぁ、あっ、あっ、」

「気持ちいい、な……っ」


クライヴ様の手が、僕のモノに添えられて、扱かれる……っ！気持ちいい……！
声が、耳をくすぐって、僕の脳を痺れさせる。


「うっ、あ、あ、あっ……！」

「く……っ」


びゅうっ、びゅっ。
僕が。
遅れてクライヴ様が、達する。
生温い液体が内股を伝っていって、ああ、絨毯が汚れてしまう。


「はぁ、はぁ……、はぁ」


ドクドクドクドクと鼓動がうるさい。裸で抱き合った肌が汗でぴたりとくっついて、熱くて、気持ちいい。


「無理、させたか……？」
「いっ、いいえ！クライヴ様、その、大変、良かったです……」


僕は一体何を言っているのだろう。
もう訳がわからない。

顔も体も真っ赤にして、僕は俯いた。その先にも淫靡な光景が広がっていて、なんにもどうにもならなかった。