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ずかずかと入ってきたギティル王子は、精彩が欠け金髪の色が薄まった気さえする。その手にはボロボロになった優奈が引き摺られていて、ポイとジェラルドの前に突き出した。
床へ転がった優奈の焦点は定まっていなかった。
娼婦のような夜着をはだけさせ、今にも胸が溢れ落ちそうな格好をしている。露出した肌にはいくつも青あざのような跡があり、時折ぴくぴくと痙攣していた。
ギティル王子はもう、優奈を見ていなかった。ギラついた目で綾人を見つめ、その隣にいたジェラルドの姿に気付く。
「……お前、呪いが解けたのか……魔力も高いことだ、そこの女の相手に丁度良いだろう。アヤト、俺と結婚しろ。男は好みではないがお前ならまぁ抱いてやらんことはない」
綾人はもう、言い返す気にもならなかった。あんなことを綾人にしたというのに、よく厚顔無恥にも話しかけられるな、とむしろ感心する。
呆れ返って陛下を見ると、小さく頷かれた。王の対応によって、どれだけ『聖者』――綾人を重要視しているかが分かる。その判断に任せた。
ギティル王子はしんと静まる広間の雰囲気を一向に気にせず、自信満々に言い出す。
「陛下!この聖女のなり損ないの女はジェラルドに譲ってやります。今まで女も抱けなかった男です、喜んで引き受けるでしょう!その代わり、俺にはそこのアヤトを下さい。必ずや彼の力でこの王国を繁栄へ導き……」
「黙れ」
国王の低い低い声。
ピリッと肌がひりつく程の殺気を、国王はギティルに向けていた。
「話にならん。お前に聖女を預けられる器もなければ、一貴族として責任を持たせることもできない。ギティルよ、お前は廃嫡とする。」
「はっ?父上、ご乱心を……」
「この間で父上と呼ぶなと、何回言えば分かるんだ!おい!連れて行け。沙汰は追って連絡する」
「そんな!嘘でしょう?へ、へいか……っ」
控えていた騎士がギティルを連行していく。暴れるギティルを抑え込むのに3人も使って。
そしてもう一人、空気の読めない女が一人。
「あれ?すっごい……イケメンがいる……」
ぼやっとしていた優奈が、すぐ近くにいたジェラルドを見つけた。
にたりと笑う優奈は突然カサコソと機敏に動き、ジェラルドに飛びつこうとした。
「すっごいカッコいいっ!ああんっ!えっちしよ!」
恐らく周りにどれだけ人がいるかも見えてない。
そして誰に飛びついたのかも分かっていない。
そこにいたのは全身鎧に身を包んだ騎士だった。
ジェラルドが身代わり宜しく位置を入れ替え、可哀想な騎士は優奈に抱きつかれる羽目になった。
ちゅっちゅと口付けているのは鉄の兜だ。
中身の男は空気を読むのに長けているらしい。諦めたように肩を落とすと、セミのようにしがみ付く優奈を抱えて広間を出て行った。
そうしてようやく、騒ぎは収束したのだった。
謁見を終えたそのままの二人を、第二王子が自室へと連れて行った。『破魔の矢』をどうしたらいいか教えてくれと言われて。
「本当に、本当に、感謝します、アヤト殿。この命の恩人。生まれた時からずっと息苦しくて、呼吸は浅くて、寝ている間に死んでいたらとずっと怖かったのです」
「兄上……」
興奮しきりのカーティス王子は、部屋の一番目立つ所に専用の棚を作るらしい。従者に色々と指示を出し、職人に「いくらかかっても構わない」と言いつけていた。
パタパタと慌てる従者が茶を出してくれて、ゆったりしたソファに腰掛け、ふう、と息を吐く。
「それで、アヤト殿。私と結婚する気はありませんか?」
ぶっ、と茶を吹きそうになった。
思わずジェラルドを見ると、人を射殺さんばかりの視線をカーティス王子に向けている。
「一目惚れしました。その上、命の恩人です。私の伴侶となって頂ければ、全身全霊をかけて幸せにすると誓います。」
「兄上!何を考えているんです、彼の事をなにも、何一つ知らないくせに!」
ジェラルドが激昂する。あまりに隣の男が憤るので、綾人はぽかんとするばかりだった。
カーティス王子はジェラルドを気にもせず、ニコニコと、それでいて熱く綾人を見ている。
儚げに見えるけれど、かなりの食わせ者のようだ。
綾人は柔らかく笑って答える。
「申し訳ありませんが、お断りさせていただきますね。恩人と言うのなら、ルドに頼まれなければ動かなかったので。感謝はルドにお願いします」
「……フフッ。そうですか。わかりました。ジェラルド、安心して。少し試してみただけだから。……半分くらいは本気だったけど」
「兄上!全く!油断も隙もない!」
「お前のそんな顔を見れて良かったよ。安心した。しかし、そんなにアヤトを奪われたくないなら早く手に入れておいたら?今からでも私が本気で動けばできない事ではないし」
「……っ、分かっています……」
「ルド、その……僕が独身だと色々面倒そうですか?」
「アヤト!俺と婚約してくれ。前にも言ったように、いや、前よりもずっと愛している。一緒にいればいるほど好きになってしまう」
「!」
「こんな兄上の前で言うことになるとは不本意だが……、とにかく俺と婚約すれば貴族達から婚約申し込みや、煩わしい下心などは防げると思う。それに、アヤトも、俺のことは嫌いではないだろう?どうか結婚してくれないか」
必死に懇願するジェラルドに、きゅんと胸が高鳴る。手を両手で握られ、威圧感すらある美貌で見つめられ。
その大きな身体で跪かれると、まるで彼は自分のもの、という錯覚を抱いてしまう。
「るるるルド……わ、分かったから、手を……」
「ありがとう!幸せにする!」
「二人とも、会話成立してないよ」
顔を真っ赤にする綾人を、ぎゅうと抱きしめるジェラルド。カーティス王子は呆れたように頬杖をかいて眺めた。
「……勝算はないのは分かっていたけど。悔しいなぁ……」
「殿下は、聖者の力が欲しいだけでしょう?それなら、僕は」
「力だけなら、……私はもうとてもいいものを頂きましたから、伴侶にする必要はありません。ジェラルドはこの国では飛び抜けて強いから貴方の伴侶として相応しいし、私と同派閥だから陣営としても問題ないし……、国を回って浄化する旅に出るなら、ジェラルドを側に置くのは最適解です」
「ありがとう、ございます……?」
「しかしそれは建前の話。貴方の高潔さ。気高さ。美しさと強さ。近づけば清廉な空気が漂う。私はこれまで、貴方のような方と出会ったことはない。婚姻して欲しいと願ったのは本心からです」
うわわ。真っ直ぐすぎるカーティス王子の言葉と視線にたじろいだ。
しかしカーティス王子の真剣な表情もすぐに、飄々とした軽い笑みに変わった。
「まぁ、ギティル兄様が失脚したので、恐らく私が立太子すると思います。貴方に王配をお願いするならお飾りにはしたくありません。となると数年単位で学んで貰わなくてはならないし、王城から出れないでしょう。そんな不自由さを味合わせるのなら、ジェラルドと共にふらふらしていただけた方が、あなたにとっても、この国にとっても最適でしょう」
「兄上……、すみません。生意気な事を言いました。ちゃんと、綾人のことを考えてくれたのですね」
「ジェラルド。油断するなら横から掻っ攫うからな」
「……絶対に渡しません。全く、元気になったと思ったら……」
綾人はその二人のやりとりにホッとして、にこにこしながら眺めた。なかなか良い兄弟仲だ。
その後、すぐに優奈はこの世を去った。
身体は瘴気によって弱り、正気でいる時間は短くなっていた。その時間は、大抵男を欲するか、『綾人に騙された、許さない』とぶつぶつ呟く。
聖者に害を及ぼしかねないし、綾人はこれまで散々迷惑をかけられてきた。
過去の行いを自供していたことは、ジェラルドも聞いている。
それらの様々な要因から、優奈は毒を呷ることとなった。
苦しみの少ない死は、不本意にこちらへ来た異世界人ということで与えられた最後の慈悲だった。
異世界人として初めて悪意を持つ者として、注意喚起された上でそれは執行された。
男らに身体を蹂躙されることもなく、放置されて魔物化することもなく、『感度を高める』などという甘い嘘と共に、毒薬で速やかに死ねたことはまだ幸せな方かもしれなかった。
ギティル第一王子は聖女を盲目的に信用し、そのために人一人――綾人を蹂躙しようとする優奈を止めなかった。
いくら過去の聖女が勤勉で、良き象徴となったからと言って、目の前の人物の本質を見極めようともしないこと、身分の無かった人間の命をあまりにも軽く扱ったことは、王族として、貴族として致命的な欠陥だった。
肥大化したプライドを叩き折る為、男爵の地位を預けられた。平民となっては生きて行けないだろうという情けも含まれている。
「どうして、俺がこんな、こんな、嘘だっ……!」
彼は馬車に押し込められて護送された後、税収の見込めない貧しい狭い土地の領主となった。社交界へ出られるようになるまではかなり上手くやらないと、コートの一つも買えない。
カーティス王子の手のひらで踊っていると分からないまま、ギティルは謀反を企み、その度に失敗する。そうして粛清された貴族の中には、当然のように、綾人を襲った中年男らも含まれていた。
ギティルは国の膿を出すのに無自覚で貢献するのであった。
側近だった高位貴族らの始末はそれぞれの家に処理を任された。廃嫡されたものの仕事場は斡旋されたり、勘当されたが使用人として働いていたり、生きていくには困らない程度の罰だ。
それでも『高位貴族』としてプライドが育ちすぎた者は勝手に失敗をやらかし堕ちていった。
床へ転がった優奈の焦点は定まっていなかった。
娼婦のような夜着をはだけさせ、今にも胸が溢れ落ちそうな格好をしている。露出した肌にはいくつも青あざのような跡があり、時折ぴくぴくと痙攣していた。
ギティル王子はもう、優奈を見ていなかった。ギラついた目で綾人を見つめ、その隣にいたジェラルドの姿に気付く。
「……お前、呪いが解けたのか……魔力も高いことだ、そこの女の相手に丁度良いだろう。アヤト、俺と結婚しろ。男は好みではないがお前ならまぁ抱いてやらんことはない」
綾人はもう、言い返す気にもならなかった。あんなことを綾人にしたというのに、よく厚顔無恥にも話しかけられるな、とむしろ感心する。
呆れ返って陛下を見ると、小さく頷かれた。王の対応によって、どれだけ『聖者』――綾人を重要視しているかが分かる。その判断に任せた。
ギティル王子はしんと静まる広間の雰囲気を一向に気にせず、自信満々に言い出す。
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「黙れ」
国王の低い低い声。
ピリッと肌がひりつく程の殺気を、国王はギティルに向けていた。
「話にならん。お前に聖女を預けられる器もなければ、一貴族として責任を持たせることもできない。ギティルよ、お前は廃嫡とする。」
「はっ?父上、ご乱心を……」
「この間で父上と呼ぶなと、何回言えば分かるんだ!おい!連れて行け。沙汰は追って連絡する」
「そんな!嘘でしょう?へ、へいか……っ」
控えていた騎士がギティルを連行していく。暴れるギティルを抑え込むのに3人も使って。
そしてもう一人、空気の読めない女が一人。
「あれ?すっごい……イケメンがいる……」
ぼやっとしていた優奈が、すぐ近くにいたジェラルドを見つけた。
にたりと笑う優奈は突然カサコソと機敏に動き、ジェラルドに飛びつこうとした。
「すっごいカッコいいっ!ああんっ!えっちしよ!」
恐らく周りにどれだけ人がいるかも見えてない。
そして誰に飛びついたのかも分かっていない。
そこにいたのは全身鎧に身を包んだ騎士だった。
ジェラルドが身代わり宜しく位置を入れ替え、可哀想な騎士は優奈に抱きつかれる羽目になった。
ちゅっちゅと口付けているのは鉄の兜だ。
中身の男は空気を読むのに長けているらしい。諦めたように肩を落とすと、セミのようにしがみ付く優奈を抱えて広間を出て行った。
そうしてようやく、騒ぎは収束したのだった。
謁見を終えたそのままの二人を、第二王子が自室へと連れて行った。『破魔の矢』をどうしたらいいか教えてくれと言われて。
「本当に、本当に、感謝します、アヤト殿。この命の恩人。生まれた時からずっと息苦しくて、呼吸は浅くて、寝ている間に死んでいたらとずっと怖かったのです」
「兄上……」
興奮しきりのカーティス王子は、部屋の一番目立つ所に専用の棚を作るらしい。従者に色々と指示を出し、職人に「いくらかかっても構わない」と言いつけていた。
パタパタと慌てる従者が茶を出してくれて、ゆったりしたソファに腰掛け、ふう、と息を吐く。
「それで、アヤト殿。私と結婚する気はありませんか?」
ぶっ、と茶を吹きそうになった。
思わずジェラルドを見ると、人を射殺さんばかりの視線をカーティス王子に向けている。
「一目惚れしました。その上、命の恩人です。私の伴侶となって頂ければ、全身全霊をかけて幸せにすると誓います。」
「兄上!何を考えているんです、彼の事をなにも、何一つ知らないくせに!」
ジェラルドが激昂する。あまりに隣の男が憤るので、綾人はぽかんとするばかりだった。
カーティス王子はジェラルドを気にもせず、ニコニコと、それでいて熱く綾人を見ている。
儚げに見えるけれど、かなりの食わせ者のようだ。
綾人は柔らかく笑って答える。
「申し訳ありませんが、お断りさせていただきますね。恩人と言うのなら、ルドに頼まれなければ動かなかったので。感謝はルドにお願いします」
「……フフッ。そうですか。わかりました。ジェラルド、安心して。少し試してみただけだから。……半分くらいは本気だったけど」
「兄上!全く!油断も隙もない!」
「お前のそんな顔を見れて良かったよ。安心した。しかし、そんなにアヤトを奪われたくないなら早く手に入れておいたら?今からでも私が本気で動けばできない事ではないし」
「……っ、分かっています……」
「ルド、その……僕が独身だと色々面倒そうですか?」
「アヤト!俺と婚約してくれ。前にも言ったように、いや、前よりもずっと愛している。一緒にいればいるほど好きになってしまう」
「!」
「こんな兄上の前で言うことになるとは不本意だが……、とにかく俺と婚約すれば貴族達から婚約申し込みや、煩わしい下心などは防げると思う。それに、アヤトも、俺のことは嫌いではないだろう?どうか結婚してくれないか」
必死に懇願するジェラルドに、きゅんと胸が高鳴る。手を両手で握られ、威圧感すらある美貌で見つめられ。
その大きな身体で跪かれると、まるで彼は自分のもの、という錯覚を抱いてしまう。
「るるるルド……わ、分かったから、手を……」
「ありがとう!幸せにする!」
「二人とも、会話成立してないよ」
顔を真っ赤にする綾人を、ぎゅうと抱きしめるジェラルド。カーティス王子は呆れたように頬杖をかいて眺めた。
「……勝算はないのは分かっていたけど。悔しいなぁ……」
「殿下は、聖者の力が欲しいだけでしょう?それなら、僕は」
「力だけなら、……私はもうとてもいいものを頂きましたから、伴侶にする必要はありません。ジェラルドはこの国では飛び抜けて強いから貴方の伴侶として相応しいし、私と同派閥だから陣営としても問題ないし……、国を回って浄化する旅に出るなら、ジェラルドを側に置くのは最適解です」
「ありがとう、ございます……?」
「しかしそれは建前の話。貴方の高潔さ。気高さ。美しさと強さ。近づけば清廉な空気が漂う。私はこれまで、貴方のような方と出会ったことはない。婚姻して欲しいと願ったのは本心からです」
うわわ。真っ直ぐすぎるカーティス王子の言葉と視線にたじろいだ。
しかしカーティス王子の真剣な表情もすぐに、飄々とした軽い笑みに変わった。
「まぁ、ギティル兄様が失脚したので、恐らく私が立太子すると思います。貴方に王配をお願いするならお飾りにはしたくありません。となると数年単位で学んで貰わなくてはならないし、王城から出れないでしょう。そんな不自由さを味合わせるのなら、ジェラルドと共にふらふらしていただけた方が、あなたにとっても、この国にとっても最適でしょう」
「兄上……、すみません。生意気な事を言いました。ちゃんと、綾人のことを考えてくれたのですね」
「ジェラルド。油断するなら横から掻っ攫うからな」
「……絶対に渡しません。全く、元気になったと思ったら……」
綾人はその二人のやりとりにホッとして、にこにこしながら眺めた。なかなか良い兄弟仲だ。
その後、すぐに優奈はこの世を去った。
身体は瘴気によって弱り、正気でいる時間は短くなっていた。その時間は、大抵男を欲するか、『綾人に騙された、許さない』とぶつぶつ呟く。
聖者に害を及ぼしかねないし、綾人はこれまで散々迷惑をかけられてきた。
過去の行いを自供していたことは、ジェラルドも聞いている。
それらの様々な要因から、優奈は毒を呷ることとなった。
苦しみの少ない死は、不本意にこちらへ来た異世界人ということで与えられた最後の慈悲だった。
異世界人として初めて悪意を持つ者として、注意喚起された上でそれは執行された。
男らに身体を蹂躙されることもなく、放置されて魔物化することもなく、『感度を高める』などという甘い嘘と共に、毒薬で速やかに死ねたことはまだ幸せな方かもしれなかった。
ギティル第一王子は聖女を盲目的に信用し、そのために人一人――綾人を蹂躙しようとする優奈を止めなかった。
いくら過去の聖女が勤勉で、良き象徴となったからと言って、目の前の人物の本質を見極めようともしないこと、身分の無かった人間の命をあまりにも軽く扱ったことは、王族として、貴族として致命的な欠陥だった。
肥大化したプライドを叩き折る為、男爵の地位を預けられた。平民となっては生きて行けないだろうという情けも含まれている。
「どうして、俺がこんな、こんな、嘘だっ……!」
彼は馬車に押し込められて護送された後、税収の見込めない貧しい狭い土地の領主となった。社交界へ出られるようになるまではかなり上手くやらないと、コートの一つも買えない。
カーティス王子の手のひらで踊っていると分からないまま、ギティルは謀反を企み、その度に失敗する。そうして粛清された貴族の中には、当然のように、綾人を襲った中年男らも含まれていた。
ギティルは国の膿を出すのに無自覚で貢献するのであった。
側近だった高位貴族らの始末はそれぞれの家に処理を任された。廃嫡されたものの仕事場は斡旋されたり、勘当されたが使用人として働いていたり、生きていくには困らない程度の罰だ。
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