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頭上から勢いよく、冷たく叩きつける水飛沫が、熱った体には丁度良かった。禊のための薄い白い服が身体に張り付く。
(はぁ、ヤリすぎた……)
水無月綾人は、目をこじ開け、そろそろ終わりにしようと足を一歩踏み出した。そう、いつものように。
カッ――――!
眩い光。朝日にしては強すぎる光に、綾人は違和感を感じて――目の前の光景に目を見開いた。
「うぉぉぉっ!聖女様が降臨なされた!」
「わぁっ!聖女さまぁっ!」
「お助けください聖女様……!」
綾人は周囲の人々が、こちらを見て何かわぁわぁと叫ぶのを、ぽかんと口を開けて、どこか他人事のように観察していた。
日本人、じゃない。髪色が赤や水色などの、パレットの上のようなカラフルな色彩。
綾人の陽の光も透かさないほど真っ黒な髪が際立つ程に、色とりどりの髪の色。
そして日本語ではないのに理解出来る、謎現象。
衣服は中世の貴族のような凝った刺繍を散りばめたもので、中には鎧を身につけた人や、ローブを羽織った人もいた。
怪訝に眉を顰めていると、目の前にいた、やたらきらきらしい男が話しかけてくる。
「ようこそ、聖女さ……せい、じょ……?」
ふと、金髪の男は綾人の身体の、下の方を見た。
気障な満面の笑みが、戸惑いに翳り出す。
綾人もつい釣られて下を見た。
濡れた行衣に透けているのは褌。流石にその中身までは透けてはいないが、確実に、ふっくらとした存在感を持っていた。
「え、……おと、こ……?」
「きゃぁあっ!」
バシャン!
その時。
綾人の背後で、派手な水音がした。
「あー、もう、何……っ、え?」
「はっ!貴女が聖女様ですね!さあさあ、こちらへ!」
金髪の男は綾人を追い越して、いち早く転んでいた女性を助け起こした。
足元が派手に濡れてしまった彼女を大判の毛布で包むと、優しく抱き上げて去っていく。
「は……?」
周囲で騒いでいた観客も、チラリチラリと綾人を気にしながらも去っていく。
困惑して眉間に皺の寄った綾人に声をかけたのは、全身を鎧で覆った大男だった。
「お風邪を召されますので、こちらにどうぞ……」
彼は申し訳なさそうに――顔は鉄の兜のせいで殆ど見えないので声で判断した――ローブのようなもので綾人の身体を覆った。
吸水性が無いのであまり意味はないが、好意はありがたく受け取ることにした。
「ありがとうございます。ところで、これはどういった状況で?」
「……長い話になります、まずはお召替えを」
質素な客室に通された綾人は、渡された服に着替えた。シンプルなモーニングに似た装いは、先ほど廊下で見た使用人の服装に酷似していた。それのシャツとスラックスだけを着ている。
ようやく暖かくなってほっとする。行衣を無くされては嫌だな、と思った綾人は、絞って部屋の中で乾かしていた。
綾人は21歳の大学生であった。
それが、こんな現実味のない場所へ誘拐され、しかも、幸か不幸か『意図せぬ異郷人』のようだった。
最近アニメ界を騒がせている『いせかいてんい』とやらだろうか。
断定してしまっていいものか分からないが、綾人が滝行を終えて突然見知らぬ場所にいたことを説明するなら、ソレが一番納得しやすかった。
ただし、理解はできていない。
この部屋はこの一人用の寝台と、小さな丸い卓しかない。入ってきた方でない扉を開けると、トイレとバスルームが申し訳程度に付いていた。少し古く埃が積もっているのは長年使われていなかったのだろう。
ふぅ、とため息を吐いて部屋へ戻り、寝台に腰掛けた。頭の中を整理する。
聖女、というものを熱望していたようだった。そして、綾人の後ろで転んでいた女性――どこかで見たような気がする――がそれに該当したのだろう。
それでは自分は不要と思われる。その場合、日本に帰してくれるのか?
コンコン、とノックをされ、返事をすると、大男が入口を屈むようにして入ってきた。
「ああ、本当に、このような服しかご用意出来ず、申し訳あり――」
「いいえ。僕はそんな風に敬ってもらえる身分では無いので、普通に話して下さい。時間の無駄にもなりますので。」
綾人がわずかに微笑みながら言うと、大男は兜の奥でクッと笑った気がした。
「それは助かる。無骨なもんで、慣れなかった。俺のことはルドと呼んでくれ」
「分かりました、ルド。僕はアヤトです。早速、事情を聞いても?」
「そう言うと思って、軽食を持ってきた。食べながら聞いてくれ」
ルドはそう言って、腰に付けた巾着からサンドイッチと水瓶を取り出した。
二度見する。
手品?絶対にサイズ的におかしい。
目を白黒させた綾人に、鎧の男はフッと笑った。
「ああ、これは空間収納という魔術を組み込んだ鞄なんだ。便利だろう」
「……とても、妙な感じです。目が狂うような」
「異世界に魔法はないと聞いている。珍しいだろうな」
サンドイッチは肉肉肉野菜肉、というガッツリしたもの。朝からなにも食べていなかった綾人はありがたくぺろりと食べてしまった。
見た目は細く見られがちだが、実は鍛えている綾人は割と食べる方だった。
食べるのに夢中になっている間にも、ルドが少しずつ、綾人に話してくれたことには。
この世界に蔓延る『瘴気』。瘴気はいつの間にか生まれ、そして『魔物』という、人を襲う化け物を生む。
瘴気は徐々に広がり続け、それとともに魔物は強く、多くなっていく。やがて人の住む村や街を破壊し、蹂躙していく。そうなるともう手がつけられなくなってしまうので、その前に瘴気を浄化する必要がある。
二百年に一度。瘴気を浄化できる『神気』を持つ者が降臨する。その者を『聖女』と言う。
先ほどの広間にあった巨大な水盆。聖女は必ずそこへ現れる。綾人も、先ほどの女性も出てきた所だ。
綾人は滝行をした後だったので全身ずぶ濡れだったが、あの女性は転んだために濡れてしまった感じだった。
水盆の底には繊細な模様が刻まれていて、降臨が近づくと光始める。その光が一際強くなった為に人々は集まり待ち侘びていた。
人為的に呼び寄せられた訳でもないため、帰る手段もない。
聖女は前の世界で命の危機に陥った状況でこちらへ寄越される為、帰った所で直ぐに死亡してしまう。
綾人は潔く諦めるしかなかった。悲しむよりも今は、身の安全の確保が先だ。
「……聖女を待つより先に魔物を倒しつくしたら、瘴気の広がりは止まるのでは?」
「止まることは無い。『遅くなる』ことは可能だが。」
「瘴気の生まれる原因は?」
「未だ解明されていない。生まれる場所に人間は到達していないからな。その周囲から漏れて広がっていく」
「では、浄化をして、また瘴気が広がって、そうしたらまた浄化をして、を繰り返している、ということですか?」
「そうだ。アヤトは理解が速い」
ふむ、と顎を撫でた。髭のないつるりとした顎だけれど。
聖女様は瘴気を浄化する為国内を飛び回るらしい。そうして一掃すれば、国を救った英雄として崇められ、王子様との婚姻も許される。
……褒美、ということだそうだ。あの金髪の男が脳裏に浮かぶ。
「そういえば他の国はどうなんですか?聖女が降臨するのはこの国だけ?」
ルドは、少し黙った。歯切れが悪い。
「……他の国は、『神気』を宿す『神子』を育成している所が多い。聖女よりもずっと弱い力だし、発現するかも分からなければ、突然力を失う事もあるそうだ。そうでない国は……ひたすら魔物を狩る。軍事力を上げたり、傭兵に討伐させる」
「それを聞くと、何故この国はそうしないのか疑問なのですが……」
「アヤトは賢いな……こんな巻き込まれている状況なのに恐るべき冷静さだ」
「誤魔化さないで下さいね?」
ぐう、とくぐもった声。綾人に関係は無いかもしれないが、気になることは知ってしまいたい性格なのである。
「単純に金がない。軍事力にかける金より先に街の発展や防壁が必要だし、神子を育てるのはもっとかかる上、確実に成果を得られるとは限らない。治安が悪く交易もあまり豊かではない。この国にだけ聖女が遣わされるのは、あまりに金がないから女神のお慈悲だろうと信じられている程だ」
綾人は先ほどの光景を思い出す。あそこにいた彼らの服装を見ると十分に豊かそうに見えた。
しかしきっと自分の思うより莫大な費用がかかることは間違いない。見た目は派手でも実情は違うのかもしれなかった。
「ありがとうございます、言いにくいことを教えて頂いて。『神気』については分かりますか?」
「神気とは、魔力とは異なる系統の力らしい。我々は体内に魔力をそれぞれ持っていて、人によって火が使えたり、水を出せたりするのだが、神気は『願うことを実現させる』力だ。」
綾人は顔を少し顰めた。何だか……とても危うそうな力だ。
「大雑把に言えばそうだ。魔術と違うのは、決して人を害することは出来ない、ということだ。過去の聖女は、魔物を千本もの矢で射る者や、魔物と瘴気だけを燃やす白い火の海を出したりだとか、聞いている」
「それは凄そうですね……」
「しかし、反面、盗賊などといった対人に関しては弱く、何度も攫われたり危険な目に逢ったらしい。だから最初に王族が保護し、騎士たちで守らせるんだ」
「そうか、他国も……手軽に浄化出来るのならその方がいいですね」
「ああ。……一応、だが、俺も王族の端くれだしな」
ぴたりと動きを止めた。は、とルドを見る。相変わらずの鉄仮面。本当の意味で。
「しがない第三王子だ。ジェラルド・アクアシス・フォン・ガルシア。あまり王子らしい格好をしていないのは……騎士団に所属し魔物を討伐しまくって……瘴気を吸収し過ぎたんだ。」
(はぁ、ヤリすぎた……)
水無月綾人は、目をこじ開け、そろそろ終わりにしようと足を一歩踏み出した。そう、いつものように。
カッ――――!
眩い光。朝日にしては強すぎる光に、綾人は違和感を感じて――目の前の光景に目を見開いた。
「うぉぉぉっ!聖女様が降臨なされた!」
「わぁっ!聖女さまぁっ!」
「お助けください聖女様……!」
綾人は周囲の人々が、こちらを見て何かわぁわぁと叫ぶのを、ぽかんと口を開けて、どこか他人事のように観察していた。
日本人、じゃない。髪色が赤や水色などの、パレットの上のようなカラフルな色彩。
綾人の陽の光も透かさないほど真っ黒な髪が際立つ程に、色とりどりの髪の色。
そして日本語ではないのに理解出来る、謎現象。
衣服は中世の貴族のような凝った刺繍を散りばめたもので、中には鎧を身につけた人や、ローブを羽織った人もいた。
怪訝に眉を顰めていると、目の前にいた、やたらきらきらしい男が話しかけてくる。
「ようこそ、聖女さ……せい、じょ……?」
ふと、金髪の男は綾人の身体の、下の方を見た。
気障な満面の笑みが、戸惑いに翳り出す。
綾人もつい釣られて下を見た。
濡れた行衣に透けているのは褌。流石にその中身までは透けてはいないが、確実に、ふっくらとした存在感を持っていた。
「え、……おと、こ……?」
「きゃぁあっ!」
バシャン!
その時。
綾人の背後で、派手な水音がした。
「あー、もう、何……っ、え?」
「はっ!貴女が聖女様ですね!さあさあ、こちらへ!」
金髪の男は綾人を追い越して、いち早く転んでいた女性を助け起こした。
足元が派手に濡れてしまった彼女を大判の毛布で包むと、優しく抱き上げて去っていく。
「は……?」
周囲で騒いでいた観客も、チラリチラリと綾人を気にしながらも去っていく。
困惑して眉間に皺の寄った綾人に声をかけたのは、全身を鎧で覆った大男だった。
「お風邪を召されますので、こちらにどうぞ……」
彼は申し訳なさそうに――顔は鉄の兜のせいで殆ど見えないので声で判断した――ローブのようなもので綾人の身体を覆った。
吸水性が無いのであまり意味はないが、好意はありがたく受け取ることにした。
「ありがとうございます。ところで、これはどういった状況で?」
「……長い話になります、まずはお召替えを」
質素な客室に通された綾人は、渡された服に着替えた。シンプルなモーニングに似た装いは、先ほど廊下で見た使用人の服装に酷似していた。それのシャツとスラックスだけを着ている。
ようやく暖かくなってほっとする。行衣を無くされては嫌だな、と思った綾人は、絞って部屋の中で乾かしていた。
綾人は21歳の大学生であった。
それが、こんな現実味のない場所へ誘拐され、しかも、幸か不幸か『意図せぬ異郷人』のようだった。
最近アニメ界を騒がせている『いせかいてんい』とやらだろうか。
断定してしまっていいものか分からないが、綾人が滝行を終えて突然見知らぬ場所にいたことを説明するなら、ソレが一番納得しやすかった。
ただし、理解はできていない。
この部屋はこの一人用の寝台と、小さな丸い卓しかない。入ってきた方でない扉を開けると、トイレとバスルームが申し訳程度に付いていた。少し古く埃が積もっているのは長年使われていなかったのだろう。
ふぅ、とため息を吐いて部屋へ戻り、寝台に腰掛けた。頭の中を整理する。
聖女、というものを熱望していたようだった。そして、綾人の後ろで転んでいた女性――どこかで見たような気がする――がそれに該当したのだろう。
それでは自分は不要と思われる。その場合、日本に帰してくれるのか?
コンコン、とノックをされ、返事をすると、大男が入口を屈むようにして入ってきた。
「ああ、本当に、このような服しかご用意出来ず、申し訳あり――」
「いいえ。僕はそんな風に敬ってもらえる身分では無いので、普通に話して下さい。時間の無駄にもなりますので。」
綾人がわずかに微笑みながら言うと、大男は兜の奥でクッと笑った気がした。
「それは助かる。無骨なもんで、慣れなかった。俺のことはルドと呼んでくれ」
「分かりました、ルド。僕はアヤトです。早速、事情を聞いても?」
「そう言うと思って、軽食を持ってきた。食べながら聞いてくれ」
ルドはそう言って、腰に付けた巾着からサンドイッチと水瓶を取り出した。
二度見する。
手品?絶対にサイズ的におかしい。
目を白黒させた綾人に、鎧の男はフッと笑った。
「ああ、これは空間収納という魔術を組み込んだ鞄なんだ。便利だろう」
「……とても、妙な感じです。目が狂うような」
「異世界に魔法はないと聞いている。珍しいだろうな」
サンドイッチは肉肉肉野菜肉、というガッツリしたもの。朝からなにも食べていなかった綾人はありがたくぺろりと食べてしまった。
見た目は細く見られがちだが、実は鍛えている綾人は割と食べる方だった。
食べるのに夢中になっている間にも、ルドが少しずつ、綾人に話してくれたことには。
この世界に蔓延る『瘴気』。瘴気はいつの間にか生まれ、そして『魔物』という、人を襲う化け物を生む。
瘴気は徐々に広がり続け、それとともに魔物は強く、多くなっていく。やがて人の住む村や街を破壊し、蹂躙していく。そうなるともう手がつけられなくなってしまうので、その前に瘴気を浄化する必要がある。
二百年に一度。瘴気を浄化できる『神気』を持つ者が降臨する。その者を『聖女』と言う。
先ほどの広間にあった巨大な水盆。聖女は必ずそこへ現れる。綾人も、先ほどの女性も出てきた所だ。
綾人は滝行をした後だったので全身ずぶ濡れだったが、あの女性は転んだために濡れてしまった感じだった。
水盆の底には繊細な模様が刻まれていて、降臨が近づくと光始める。その光が一際強くなった為に人々は集まり待ち侘びていた。
人為的に呼び寄せられた訳でもないため、帰る手段もない。
聖女は前の世界で命の危機に陥った状況でこちらへ寄越される為、帰った所で直ぐに死亡してしまう。
綾人は潔く諦めるしかなかった。悲しむよりも今は、身の安全の確保が先だ。
「……聖女を待つより先に魔物を倒しつくしたら、瘴気の広がりは止まるのでは?」
「止まることは無い。『遅くなる』ことは可能だが。」
「瘴気の生まれる原因は?」
「未だ解明されていない。生まれる場所に人間は到達していないからな。その周囲から漏れて広がっていく」
「では、浄化をして、また瘴気が広がって、そうしたらまた浄化をして、を繰り返している、ということですか?」
「そうだ。アヤトは理解が速い」
ふむ、と顎を撫でた。髭のないつるりとした顎だけれど。
聖女様は瘴気を浄化する為国内を飛び回るらしい。そうして一掃すれば、国を救った英雄として崇められ、王子様との婚姻も許される。
……褒美、ということだそうだ。あの金髪の男が脳裏に浮かぶ。
「そういえば他の国はどうなんですか?聖女が降臨するのはこの国だけ?」
ルドは、少し黙った。歯切れが悪い。
「……他の国は、『神気』を宿す『神子』を育成している所が多い。聖女よりもずっと弱い力だし、発現するかも分からなければ、突然力を失う事もあるそうだ。そうでない国は……ひたすら魔物を狩る。軍事力を上げたり、傭兵に討伐させる」
「それを聞くと、何故この国はそうしないのか疑問なのですが……」
「アヤトは賢いな……こんな巻き込まれている状況なのに恐るべき冷静さだ」
「誤魔化さないで下さいね?」
ぐう、とくぐもった声。綾人に関係は無いかもしれないが、気になることは知ってしまいたい性格なのである。
「単純に金がない。軍事力にかける金より先に街の発展や防壁が必要だし、神子を育てるのはもっとかかる上、確実に成果を得られるとは限らない。治安が悪く交易もあまり豊かではない。この国にだけ聖女が遣わされるのは、あまりに金がないから女神のお慈悲だろうと信じられている程だ」
綾人は先ほどの光景を思い出す。あそこにいた彼らの服装を見ると十分に豊かそうに見えた。
しかしきっと自分の思うより莫大な費用がかかることは間違いない。見た目は派手でも実情は違うのかもしれなかった。
「ありがとうございます、言いにくいことを教えて頂いて。『神気』については分かりますか?」
「神気とは、魔力とは異なる系統の力らしい。我々は体内に魔力をそれぞれ持っていて、人によって火が使えたり、水を出せたりするのだが、神気は『願うことを実現させる』力だ。」
綾人は顔を少し顰めた。何だか……とても危うそうな力だ。
「大雑把に言えばそうだ。魔術と違うのは、決して人を害することは出来ない、ということだ。過去の聖女は、魔物を千本もの矢で射る者や、魔物と瘴気だけを燃やす白い火の海を出したりだとか、聞いている」
「それは凄そうですね……」
「しかし、反面、盗賊などといった対人に関しては弱く、何度も攫われたり危険な目に逢ったらしい。だから最初に王族が保護し、騎士たちで守らせるんだ」
「そうか、他国も……手軽に浄化出来るのならその方がいいですね」
「ああ。……一応、だが、俺も王族の端くれだしな」
ぴたりと動きを止めた。は、とルドを見る。相変わらずの鉄仮面。本当の意味で。
「しがない第三王子だ。ジェラルド・アクアシス・フォン・ガルシア。あまり王子らしい格好をしていないのは……騎士団に所属し魔物を討伐しまくって……瘴気を吸収し過ぎたんだ。」
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