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しおりを挟む頭が真っ白になる。
ここまでやってきたのに。
中出しセックスもハメ撮りも頑張って耐えたのに。
でもここで諦めちゃダメ。佳奈には何としても連れててきてって言われたんだから。
「そ……それって、何時くらいに終わりそうなの?」
「予定では5時くらいだけど、試合が長引いたら8時くらいまでやることもあるかもね」
予定通りに終わってくれれば何とかいけるかな。
「それってどこでやるの?」
「聖クリスチアーノ・セントラルプラウド競技場だよ。琴子……もしかして来てくれるの?」
「ううん。誰かに代わってもらうこととか……できない、よね。長引きそうになったらちょっと抜け出すとかはできる?」
「なんで?何か用事?」
「うん……ちょっと。渡したい物があって。事情があって午後の6時じゃなきゃダメなんだけど……」
カラーン!と甲高い音を立てて、高蔵君がスプーンを落とした。
落ちたスプーンを床から取ろうとすると、その手を捕まれて握りしめられる。
「たか「綾斗」
「綾斗、い、痛い」
「絶っっっ対に、予定通りに終わらせてくる。何処に行けばいい?」
「大学駅の、噴水前……」
「わかった。絶対行く。絶対に、行くから」
ーーーーー
学校へ引き摺られるように行く。
高蔵君は授業があるので講義棟と研究棟の分かれ道で別れた。
その時キスされそうになったが、「あっ!空手部の子がいる!」と言って難を逃れた。
高蔵君は部活ではストイックな主将の仮面を被っているのは学内で部員の人とすれ違う度に知っていた。高蔵君は部員と会ったらちゃんと立ち止まって向き合って挨拶するのだ。その隙に私は抜け出した。
何せ高蔵君の命令で部員ではない私にまで、空手部のメンバーが「押忍!」と言って一礼してくるぐらい徹底されたしきたりらしい。
怖さと恥ずかしさでいたたまれなくなる経験をこの数週間で何度も経験した。
けれども今日ばかりはそのしきたりに少し感謝する。
研究室に辿り着くと、そこにいた皆の好奇の視線が集まる。
「こと~。高蔵君とやっと付き合う事になったんだね」
パソコンを立ち上げていると、同じ研究室の女友達の由梨が話しかけてきた。
「私ぐらいになら相談してくれてもいいのに~。ね、どこで告白されたの?」
「そんなんじゃないよ……高蔵君とは」
「えー?嘘ぉ。高蔵君が前からことに猛烈にアタックしてるのにことは全然気にしてないのがもー面白くって面白くって。いつ告白するんだろうって皆で話してたんだよ」
「何それ……皆でずっと面白がってたの?ひどい。私はこんなに大変な思いしてるのに!」
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