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「なあ、師匠」
「なんですか?」
後ろもナカも体の表面も魔法で全部綺麗にしてもらって、若干の賢者タイムに入りながら、ベッドに腰掛けてシアが問う。
「魔力また、暴走しねぇ?」
「ああ。大丈夫ですよ」
熱湯大暴走の記憶も、魔力切れの反動も、まだ体が覚えているため、シアは少しだけ怖かった。けれど、ユージーンは彼の隣に座ったままにっこり笑う。
「この三日で、ちゃんと対策はしておきましたから。ちょっと待っててくださいね」
そういうと、ユージーンは一度シアの部屋からでて、返ってきた時には一枚の洋服を抱えていた。
「ローブ?」
「そう。これは魔力制御のためのローブなんです」
ユージーン曰く、新米魔術師が魔法の暴走を起こすことはそこまで珍しいことではないらしい。そのため、最大出力を定めてそれ以上は出すことのできないという魔力制御のローブが魔術師界隈では普通に売っている。
「これは、そのローブをシアくんの魔力量に合わせて私が調整したものです。これを着ている限りは魔法が暴走することはまずないと思ってもらって大丈夫ですよ。私は君の師匠ですから。ちゃんと、君を守ります」
ユージーンからの言葉とその贈り物に、ほわ、とシアの心が暖かくなる。
「ありがと、師匠」
「どういたしまして」
シアの笑顔に、ユージーンは笑顔で返した。
それから、半年ほどが経った。
シアの魔力回復には1番最適なのは彼が後ろでイくことだ、ということがわかってからは、ユージーンは基本的にシアの魔力回復時は彼を抱くことを決めた。
もちろん、シアが自分を抱きたいというのであればそうすることもある。
彼を拾ってまだ一年もたっていないのに、随分と彼に熱を入れているな、とユージーンは夕飯の鍋を混ぜながら苦笑した。
面白い拾い物をした、という感覚はもちろん残っているのだが、ユージーンはそれだけでなく、シア自身が可愛いと思っている。
今後彼が魔法を使えなくなったとしても、彼と約束したからではなく自分が彼を手放したくない、と考えているし、
(私以外と、魔力回復をしてほしくない、だなんて)
はぁ、とため息をついて鍋の蓋を閉めてから、ユージーンは窓の外に目をやった。
比較検討という意味では、シアが他の人を抱いたり、他の人に抱かれたりしたときの魔力回復率を調べるべきだ。頭の中ではそう思っているが、気持ちの面で許可が出せない。
魔物等を討伐する際に、魔物にちょっと襲われるくらいならまだ平気だ。
彼を独り立ちをする時が来るとして、その時に対抗手段として使えるものは使えるようになっておいてもらわないと困る。
(それでも、私の前で本番をしようとするなら魔物を先に倒しますけれど)
とりあえず、自分以外の人間が、彼の可愛い喘ぎ声やあの姿を見るかと思うと、それはどうしても許せない。
「入れ込みすぎると、後がしんどいのはわかっているんですけれどね」
「なにが?」
「!シア君!?うわ、びっくりした、心臓が止まるかと思いました。」
「なんだよ師匠、らしくねぇな」
そう言って笑うと、シアは鍋の蓋を開けて中身をみて喜ぶ。
「やった、今日の昼飯シチューだ!」
「ええ、今日はこのあと出かけるので、夜も食べられるものにしようかと」
「師匠出かけんの?」
「はい。ああ、シア君もきてくださいね」
ユージーンがそういうと、シアはわかった、と頷いて、「じゃあとりあえず今日のコントロール訓練してくる!」とニッと笑ってから部屋を出て行った。
「本当、可愛いですね」
ユージーンは眉を少しだけ寄せて、困ったように微笑んだ。
***
半年後、はあの冒頭触手シーンより後の話になります。
あの時、もし本気でシア君がヤラれそうなら、師匠は助ける気でいました。
あと、あの時のシアくんは事前魔力チャージなし、ローブあり、でした。補足。
「なんですか?」
後ろもナカも体の表面も魔法で全部綺麗にしてもらって、若干の賢者タイムに入りながら、ベッドに腰掛けてシアが問う。
「魔力また、暴走しねぇ?」
「ああ。大丈夫ですよ」
熱湯大暴走の記憶も、魔力切れの反動も、まだ体が覚えているため、シアは少しだけ怖かった。けれど、ユージーンは彼の隣に座ったままにっこり笑う。
「この三日で、ちゃんと対策はしておきましたから。ちょっと待っててくださいね」
そういうと、ユージーンは一度シアの部屋からでて、返ってきた時には一枚の洋服を抱えていた。
「ローブ?」
「そう。これは魔力制御のためのローブなんです」
ユージーン曰く、新米魔術師が魔法の暴走を起こすことはそこまで珍しいことではないらしい。そのため、最大出力を定めてそれ以上は出すことのできないという魔力制御のローブが魔術師界隈では普通に売っている。
「これは、そのローブをシアくんの魔力量に合わせて私が調整したものです。これを着ている限りは魔法が暴走することはまずないと思ってもらって大丈夫ですよ。私は君の師匠ですから。ちゃんと、君を守ります」
ユージーンからの言葉とその贈り物に、ほわ、とシアの心が暖かくなる。
「ありがと、師匠」
「どういたしまして」
シアの笑顔に、ユージーンは笑顔で返した。
それから、半年ほどが経った。
シアの魔力回復には1番最適なのは彼が後ろでイくことだ、ということがわかってからは、ユージーンは基本的にシアの魔力回復時は彼を抱くことを決めた。
もちろん、シアが自分を抱きたいというのであればそうすることもある。
彼を拾ってまだ一年もたっていないのに、随分と彼に熱を入れているな、とユージーンは夕飯の鍋を混ぜながら苦笑した。
面白い拾い物をした、という感覚はもちろん残っているのだが、ユージーンはそれだけでなく、シア自身が可愛いと思っている。
今後彼が魔法を使えなくなったとしても、彼と約束したからではなく自分が彼を手放したくない、と考えているし、
(私以外と、魔力回復をしてほしくない、だなんて)
はぁ、とため息をついて鍋の蓋を閉めてから、ユージーンは窓の外に目をやった。
比較検討という意味では、シアが他の人を抱いたり、他の人に抱かれたりしたときの魔力回復率を調べるべきだ。頭の中ではそう思っているが、気持ちの面で許可が出せない。
魔物等を討伐する際に、魔物にちょっと襲われるくらいならまだ平気だ。
彼を独り立ちをする時が来るとして、その時に対抗手段として使えるものは使えるようになっておいてもらわないと困る。
(それでも、私の前で本番をしようとするなら魔物を先に倒しますけれど)
とりあえず、自分以外の人間が、彼の可愛い喘ぎ声やあの姿を見るかと思うと、それはどうしても許せない。
「入れ込みすぎると、後がしんどいのはわかっているんですけれどね」
「なにが?」
「!シア君!?うわ、びっくりした、心臓が止まるかと思いました。」
「なんだよ師匠、らしくねぇな」
そう言って笑うと、シアは鍋の蓋を開けて中身をみて喜ぶ。
「やった、今日の昼飯シチューだ!」
「ええ、今日はこのあと出かけるので、夜も食べられるものにしようかと」
「師匠出かけんの?」
「はい。ああ、シア君もきてくださいね」
ユージーンがそういうと、シアはわかった、と頷いて、「じゃあとりあえず今日のコントロール訓練してくる!」とニッと笑ってから部屋を出て行った。
「本当、可愛いですね」
ユージーンは眉を少しだけ寄せて、困ったように微笑んだ。
***
半年後、はあの冒頭触手シーンより後の話になります。
あの時、もし本気でシア君がヤラれそうなら、師匠は助ける気でいました。
あと、あの時のシアくんは事前魔力チャージなし、ローブあり、でした。補足。
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