the Dool and the Dool

名もなき萌えの探求者

文字の大きさ
上 下
1 / 25

1 ※背後注意

しおりを挟む
 願ったのよ。
 人形のように生きられたらいいのにって。







「マスター、マスター聞いてます?僕の燃料そろそろ補充してもらえないと寝ちゃうんっすけど」
「ぁあ?わかってンよ。でも今日は無理」
「えええ、なんでっすかぁ」
「昨日一人で抜いちまったから。おっさんそんな連日たたねえわ」
「そ、そんなぁ」

 俺のドール、フライディはシューンと項垂れた。ついでについている犬のような耳も垂れる。いつも思うがちょっと可愛い。

「別に切れて寝ても死ぬわけじゃねぇんだからいいじゃねぇか」
「いや、マスター。あれ仮死状態みたいなもんっすからね??起きた時の体のバキバキ度やばいんっすからね?」
「でもヤれば起きンだろ」
「ハッ、マスターには屍姦趣味が?!」
「ねぇよ」

 なおも、マスター、マスターと裾を引っ張ってくるフライディにはあ、とため息をついてそのあたまを掴んでぐいっと自分の方に引き寄せる。
 頭突きでもされるのかと思ったらしいフライディがぎゅっと目を閉じているのをみて、ちょっと燃えた。

「んぅっ」

 そのままフライデイの唇を奪うと、甘ったるい苺味。
 こいつまた飴つまみ食いしてやがったな。
 その甘ったるさを拭うように、舌で口の中を掻き回すと、次第にフライデイの目元が潤んで、膝がカクカクと震えだす。
 それをみて満足した俺が唇を離すと「ますたぁ」なんてトロンとした目を向けて、フライデイの小さな(というと怒るが)それをおったてているから、俺のそれもちょっと反応してしまった。

 しゃあねぇなぁ。

「フライデイ、来い」
「!!」

 ぴんっと耳も尻尾も跳ねる。
 そうして俺たちはベッドへと沈んだ。



「あぅっ、あっ、ますたぁっ」
「おら、どうしたフライデイ。お前が欲しかったものだろ。もっといい声だせよ」

 ドールとの魔力供給方法は基本セックスだ。マスターとドールどちらが突っ込んでもいいが、ナカで繋がることが必須となる。
 キスでも回復できないことはないが、効率が悪くほとんどのマスターは性交渉で補充する。俺も例外ではない。
 ドールは総じて感度がいい。
 多分それは、魔力供給を受けるために体がそうできているからなのだろう。
 まあ、ありていに言えば、体も声も反応もやたらエロい。
 フライデイももちろんその例に則ってエロい。フライデイの肉体設定は一五、六で、変声期を迎える直前の幼さの混ざる声が艶を添えて響く。
 マスターだから抱くのであって、俺はフライデイの容姿は別に好みではないのだが、それでもおったててしまうくらいに、エロい。

「あっ、あっ、マスターっ、だめです、イっちゃうっ、イっちゃううう!」

 そう悲鳴をあげるフライデイをさらに追い詰めるように腰を振ると、声にならない声をあげてフライデイは達した。
 びくんびくんと体が震えているが、おれはまだいってねえし。
 そう思って遠慮なくまた動きを再開すると、「あっああっ、マスター、僕イッたばっかぁ」と、まるで語尾にハートでもついてるかのような甘い声で、けれど絶対にやめてとは言わないフライデイは、やっぱりどエロいと思う。


***
新連載はじめました。
毎度のことながら、どうなるのかなと思いながらお話を書き進めています。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

初恋はおしまい

佐治尚実
BL
高校生の朝好にとって卒業までの二年間は奇跡に満ちていた。クラスで目立たず、一人の時間を大事にする日々。そんな朝好に、クラスの頂点に君臨する修司の視線が絡んでくるのが不思議でならなかった。人気者の彼の一方的で執拗な気配に朝好の気持ちは高ぶり、ついには卒業式の日に修司を呼び止める所までいく。それも修司に無神経な言葉をぶつけられてショックを受ける。彼への思いを知った朝好は成人式で修司との再会を望んだ。 高校時代の初恋をこじらせた二人が、成人式で再会する話です。珍しく攻めがツンツンしています。 ※以前投稿した『初恋はおしまい』を大幅に加筆修正して再投稿しました。現在非公開の『初恋はおしまい』にお気に入りや♡をくださりありがとうございました!こちらを読んでいただけると幸いです。 今作は個人サイト、各投稿サイトにて掲載しています。

キサラギムツキ
BL
長い間アプローチし続け恋人同士になれたのはよかったが…………… 攻め視点から最後受け視点。 残酷な描写があります。気になる方はお気をつけください。

年越しチン玉蕎麦!!

ミクリ21
BL
チン玉……もちろん、ナニのことです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

スライムパンツとスライムスーツで、イチャイチャしよう!

ミクリ21
BL
とある変態の話。

あなたの隣で初めての恋を知る

ななもりあや
BL
5歳のときバス事故で両親を失った四季。足に大怪我を負い車椅子での生活を余儀なくされる。しらさぎが丘養護施設で育ち、高校卒業後、施設を出て一人暮らしをはじめる。 その日暮らしの苦しい生活でも決して明るさを失わない四季。 そんなある日、突然の雷雨に身の危険を感じ、雨宿りするためにあるマンションの駐車場に避難する四季。そこで、運命の出会いをすることに。 一回りも年上の彼に一目惚れされ溺愛される四季。 初めての恋に戸惑いつつも四季は、やがて彼を愛するようになる。 表紙絵は絵師のkaworineさんに描いていただきました。

処理中です...