142 / 143
第45話『この行為には愛がありません!!』②
しおりを挟む
「水の精霊さん。祝福を!」
私は水の魔術を使い、その辺りの地面を湿らせた。
「どうか! 綺麗なお花が咲きます様に!」
「どーか」
そして、私はオーガさんと一緒に手を握り、お祈りをするのだった。
今度こそ、オーガさんの苦労が花になって咲きます様にと。
それを見ていたオーガさん達がノソノソと違う場所に散って、それぞれに種を埋め始めた。
しかし、それ以降も最後の水まきとお祈りは私の仕事となった。
本当はそれぞれがやる感じでイメージしてたんだけど、この状態がオーガさんの望むものなら、これが一番だ。
私はあちらこちらへと走りながら水まきを続けるのだった。
オーガさんの所でお花を育てる生活を始めて一ヵ月ほど経った頃。
遂にというか、リアムさん達が現れた。
その姿を見た瞬間に私はお花畑予定地から外れ逃げ出したのだが、あっさりとフィンさんに捕まってしまうのだった。
「さぁ。ようやく見つけたぞ」
「あぅー。ごめんなさい」
「謝ったらそれで、はい終わりって訳じゃねぇぞ。家出娘」
「あのですね。これはそういうソレではなく、こういうアレでして」
「意味わからん言い訳してないで、来い! ったく。イチイチ何かある度に一人でどっかに飛び出しやがって。少しは頭を働かせてだな!」
「申し訳ございません!」
「チッ! 謝れば良いと思ってるだろ? お前」
「はい!」
リアムさんは空を仰ぎながら手で顔を覆って、大きなため息を吐く。
その様子に、申し訳ないなと思いつつも、私はこの行動が無駄では無かったとリアムさん達に訴える事にしたのだった。
「ご心配させてしまった事は大変申し訳ないのですが、実はですね。既に土の精霊さんと最上位契約をしておりまして! この行動にも意味があったのです!」
「そうかい」
「ですので、これでようやく世界の果てへ行けますよ! やりましたね!」
「あぁ、そうだな。本当にな。だが、一つ。たった一つだけだ。絶対に約束しろ。アメリア」
「はい。なんでしょうか」
「闇を封印しに行くときは、絶対に単独行動をするな。絶対にだ。必ず全員で現地に行って、全員で帰る。良いな!?」
「はい!」
「今度はなるべく。じゃねぇぞ。絶対にだ。分かったか?」
「はい。絶対に私は一人で行動しません」
「……なんだ。今回は珍しく素直じゃないか」
「それはもう。これで世界がようやく平和になりますからね。寄り道をする事は出来ません!」
「……」
「リアムさん?」
「いや、何か」
私は首を傾げながら奇妙な顔をしているリアムさんを見上げる。
しかしリアムさんはそれ以上何も言わず、ただ小さく分かったとだけ言うのだった。
なんだろうか。
リアムさんの言葉に妙な物を感じながらも、私はリアムさん達に断って、オーガさん達にお別れをいう為に、少し離れた所に立って、こちらを見ていたオーガさんたちの所へ向かう。
私は水の魔術を使い、その辺りの地面を湿らせた。
「どうか! 綺麗なお花が咲きます様に!」
「どーか」
そして、私はオーガさんと一緒に手を握り、お祈りをするのだった。
今度こそ、オーガさんの苦労が花になって咲きます様にと。
それを見ていたオーガさん達がノソノソと違う場所に散って、それぞれに種を埋め始めた。
しかし、それ以降も最後の水まきとお祈りは私の仕事となった。
本当はそれぞれがやる感じでイメージしてたんだけど、この状態がオーガさんの望むものなら、これが一番だ。
私はあちらこちらへと走りながら水まきを続けるのだった。
オーガさんの所でお花を育てる生活を始めて一ヵ月ほど経った頃。
遂にというか、リアムさん達が現れた。
その姿を見た瞬間に私はお花畑予定地から外れ逃げ出したのだが、あっさりとフィンさんに捕まってしまうのだった。
「さぁ。ようやく見つけたぞ」
「あぅー。ごめんなさい」
「謝ったらそれで、はい終わりって訳じゃねぇぞ。家出娘」
「あのですね。これはそういうソレではなく、こういうアレでして」
「意味わからん言い訳してないで、来い! ったく。イチイチ何かある度に一人でどっかに飛び出しやがって。少しは頭を働かせてだな!」
「申し訳ございません!」
「チッ! 謝れば良いと思ってるだろ? お前」
「はい!」
リアムさんは空を仰ぎながら手で顔を覆って、大きなため息を吐く。
その様子に、申し訳ないなと思いつつも、私はこの行動が無駄では無かったとリアムさん達に訴える事にしたのだった。
「ご心配させてしまった事は大変申し訳ないのですが、実はですね。既に土の精霊さんと最上位契約をしておりまして! この行動にも意味があったのです!」
「そうかい」
「ですので、これでようやく世界の果てへ行けますよ! やりましたね!」
「あぁ、そうだな。本当にな。だが、一つ。たった一つだけだ。絶対に約束しろ。アメリア」
「はい。なんでしょうか」
「闇を封印しに行くときは、絶対に単独行動をするな。絶対にだ。必ず全員で現地に行って、全員で帰る。良いな!?」
「はい!」
「今度はなるべく。じゃねぇぞ。絶対にだ。分かったか?」
「はい。絶対に私は一人で行動しません」
「……なんだ。今回は珍しく素直じゃないか」
「それはもう。これで世界がようやく平和になりますからね。寄り道をする事は出来ません!」
「……」
「リアムさん?」
「いや、何か」
私は首を傾げながら奇妙な顔をしているリアムさんを見上げる。
しかしリアムさんはそれ以上何も言わず、ただ小さく分かったとだけ言うのだった。
なんだろうか。
リアムさんの言葉に妙な物を感じながらも、私はリアムさん達に断って、オーガさん達にお別れをいう為に、少し離れた所に立って、こちらを見ていたオーガさんたちの所へ向かう。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
追放された聖女の悠々自適な側室ライフ
白雪の雫
ファンタジー
「聖女ともあろう者が、嫉妬に狂って我が愛しのジュリエッタを虐めるとは!貴様の所業は畜生以外の何者でもない!お前との婚約を破棄した上で国外追放とする!!」
平民でありながらゴーストやレイスだけではなくリッチを一瞬で倒したり、どんな重傷も完治してしまうマルガレーテは、幼い頃に両親と引き離され聖女として教会に引き取られていた。
そんな彼女の魔力に目を付けた女教皇と国王夫妻はマルガレーテを国に縛り付ける為、王太子であるレオナルドの婚約者に据えて、「お妃教育をこなせ」「愚民どもより我等の病を治療しろ」「瘴気を祓え」「不死王を倒せ」という風にマルガレーテをこき使っていた。
そんなある日、レオナルドは居並ぶ貴族達の前で公爵令嬢のジュリエッタ(バスト100cm以上の爆乳・KかLカップ)を妃に迎え、マルガレーテに国外追放という死刑に等しい宣言をしてしまう。
「王太子殿下の仰せに従います」
(やっと・・・アホ共から解放される。私がやっていた事が若作りのヒステリー婆・・・ではなく女教皇と何の力もない修道女共に出来る訳ないのにね~。まぁ、この国がどうなってしまっても私には関係ないからどうでもいいや)
表面は淑女の仮面を被ってレオナルドの宣言を受け入れたマルガレーテは、さっさと国を出て行く。
今までの鬱憤を晴らすかのように、着の身着のままの旅をしているマルガレーテは、故郷である幻惑の樹海へと戻っている途中で【宮女狩り】というものに遭遇してしまい、大国の後宮へと入れられてしまった。
マルガレーテが悠々自適な側室ライフを楽しんでいる頃
聖女がいなくなった王国と教会は滅亡への道を辿っていた。
異世界でゆるゆる生活を満喫す
葉月ゆな
ファンタジー
辺境伯家の三男坊。数か月前の高熱で前世は日本人だったこと、社会人でブラック企業に勤めていたことを思い出す。どうして亡くなったのかは記憶にない。ただもう前世のように働いて働いて夢も希望もなかった日々は送らない。
もふもふと魔法の世界で楽しく生きる、この生活を絶対死守するのだと誓っている。
家族に助けられ、面倒ごとは優秀な他人に任せる主人公。でも頼られるといやとはいえない。
ざまぁや成り上がりはなく、思いつくままに好きに行動する日常生活ゆるゆるファンタジーライフのご都合主義です。
お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~
みつまめ つぼみ
ファンタジー
17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。
記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。
そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。
「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」
恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!
婚約破棄されて異世界トリップしたけど猫に囲まれてスローライフ満喫しています
葉柚
ファンタジー
婚約者の二股により婚約破棄をされた33才の真由は、突如異世界に飛ばされた。
そこはど田舎だった。
住む家と土地と可愛い3匹の猫をもらった真由は、猫たちに囲まれてストレスフリーなスローライフ生活を送る日常を送ることになった。
レコンティーニ王国は猫に優しい国です。
小説家になろう様にも掲載してます。
ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~
にくなまず
ファンタジー
今年から冒険者生活を開始した主人公で【ソロ】と言う適正のノア(15才)。
その適正の為、戦闘・日々の行動を基本的に1人で行わなければなりません。
そこで元上級冒険者の両親と猛特訓を行い、チート級の戦闘力と数々のスキルを持つ事になります。
『悠々自適にぶらり旅』
を目指す″つもり″の彼でしたが、開始早々から波乱に満ちた冒険者生活が待っていました。
最難関ダンジョンで裏切られ切り捨てられたが、スキル【神眼】によってすべてを視ることが出来るようになった冒険者はざまぁする
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
【第15回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞作】
僕のスキル【神眼】は隠しアイテムや隠し通路、隠しトラップを見破る力がある。
そんな元奴隷の僕をレオナルドたちは冒険者仲間に迎え入れてくれた。
でもダンジョン内でピンチになった時、彼らは僕を追放した。
死に追いやられた僕は世界樹の精に出会い、【神眼】のスキルを極限まで高めてもらう。
そして三年の修行を経て、僕は世界最強へと至るのだった。
最強勇者は二度目を生きる。最凶王子アルブレヒト流スローライフ
ぎあまん
ファンタジー
勇者ジークは人魔大戦で人類を勝利に導いた。
その後、魔王の復活を監視するために自ら魔王城に残り、来たる日のために修行の日々を続けていた。
それから時は流れ。
ある時、気がつくと第一王子として生まれ変わっていた。
一体なにが起こった。
混乱しながらも勇者は王子としての日々を過ごすことになる。
だがこの勇者、けっこうな過激派だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる