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第38話『命令では無く、お願いですよ。私たちはお友達でしょう?』②
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何だかんだと文句を言いつつも協力はしてくれるらしい。
ならばと私はドラゴンさんの口に、自身の口を重ねて、魔力を私からドラゴンさんへ流した。
『ふむ。ふむ! まぁ良いだろう。では願いを言え。アメリア』
「はい。ではこの山に住むというドワーフさんに会わせて下さい」
『どわーふ? あぁ、あのモグラか。分かった。良いだろう。一匹で良いか?』
「はい。お願いします!」
『分かった。ではしばし待て』
ドラゴンさんは大きく頷くと、山の上の方へ飛んで行き、しばらくしてからドワーフさんを一人連れて来てくれたのであった。
そして、私はドワーフさんと一緒にリアムさん達の所へ降りる。
「ドラゴンさん! ありがとうございます!」
『構わん。だが、魔王の奴が復活したらまた来い。正式に奴からお前をもらい受ける』
「それは、まぁ、はい。その時のご相談という事で!」
私は適当に返事を濁しながらドラゴンさんに別れを告げ、呆然としているドワーフさんに語り掛けた。
「突然乱暴なやり方でお呼び出しして申し訳ございません。少しだけお話を伺ってもよろしいでしょうか?」
「うぉっ!? あ、あぁ。あぁ? お前は」
「私はアメリアと申します。ドワーフさん」
「俺の事はアーノルド、もしくは大佐と呼べ。それで、お前さんは何で俺を呼んだんだ?」
「大佐さん。実はですね。私たちは世界の果てにある闇の力を封印する為に旅をしているのですが、封印には精霊さんの力を借りる必要があるんです。それで、この山には火の強い精霊が居ると聞いてきました」
「なるほどな。それはご苦労な事だ。分かった。ならとりあえず俺たちの家に案内しよう」
「ありがとうございます!」
私たちが歩いていた道から外れ、険しい山道をスイスイと登っていく大佐の背を何とか追いかけて、どんどん見た事のない道へと進んでゆく。
本当はもっと早く進めるだろうに、私たちが遅くても大佐さんは何も文句を言わず待っていてくれるのだった。
「も、申し訳、ございません。遅くて」
「いや、構わない。お前たちには筋肉が足りないからな。もっと筋肉があればこの程度、何も苦労は無いだろうが。その辺りは仕方ないだろう」
「筋肉ですか……ふーん! どうでしょう!」
私は手に力を入れて握り、筋肉のアピールをする。
しかし、大佐は私の腕を触り、首を横に振るのだった。
そして両腕を曲げて力を込める。
瞬間、上半身の服が弾け飛び、ムキムキの筋肉が現れるのだった。
ならばと私はドラゴンさんの口に、自身の口を重ねて、魔力を私からドラゴンさんへ流した。
『ふむ。ふむ! まぁ良いだろう。では願いを言え。アメリア』
「はい。ではこの山に住むというドワーフさんに会わせて下さい」
『どわーふ? あぁ、あのモグラか。分かった。良いだろう。一匹で良いか?』
「はい。お願いします!」
『分かった。ではしばし待て』
ドラゴンさんは大きく頷くと、山の上の方へ飛んで行き、しばらくしてからドワーフさんを一人連れて来てくれたのであった。
そして、私はドワーフさんと一緒にリアムさん達の所へ降りる。
「ドラゴンさん! ありがとうございます!」
『構わん。だが、魔王の奴が復活したらまた来い。正式に奴からお前をもらい受ける』
「それは、まぁ、はい。その時のご相談という事で!」
私は適当に返事を濁しながらドラゴンさんに別れを告げ、呆然としているドワーフさんに語り掛けた。
「突然乱暴なやり方でお呼び出しして申し訳ございません。少しだけお話を伺ってもよろしいでしょうか?」
「うぉっ!? あ、あぁ。あぁ? お前は」
「私はアメリアと申します。ドワーフさん」
「俺の事はアーノルド、もしくは大佐と呼べ。それで、お前さんは何で俺を呼んだんだ?」
「大佐さん。実はですね。私たちは世界の果てにある闇の力を封印する為に旅をしているのですが、封印には精霊さんの力を借りる必要があるんです。それで、この山には火の強い精霊が居ると聞いてきました」
「なるほどな。それはご苦労な事だ。分かった。ならとりあえず俺たちの家に案内しよう」
「ありがとうございます!」
私たちが歩いていた道から外れ、険しい山道をスイスイと登っていく大佐の背を何とか追いかけて、どんどん見た事のない道へと進んでゆく。
本当はもっと早く進めるだろうに、私たちが遅くても大佐さんは何も文句を言わず待っていてくれるのだった。
「も、申し訳、ございません。遅くて」
「いや、構わない。お前たちには筋肉が足りないからな。もっと筋肉があればこの程度、何も苦労は無いだろうが。その辺りは仕方ないだろう」
「筋肉ですか……ふーん! どうでしょう!」
私は手に力を入れて握り、筋肉のアピールをする。
しかし、大佐は私の腕を触り、首を横に振るのだった。
そして両腕を曲げて力を込める。
瞬間、上半身の服が弾け飛び、ムキムキの筋肉が現れるのだった。
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