聖女の証

とーふ(代理カナタ)

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第37話『怖いのはすぐに終わりますよ。そしたら今度は色々な世界を見に行きましょう。ね?』③

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村を出てすぐに始まった山への上り坂を歩きながら、私はふと気になる事があり、リアムさん達に聞いてみる事にした。

「そういえば、皆さんはこの旅が終わったら次は何をするんですか?」

「突然なんだ」

「あ、いえ。オリヴィアちゃん達と話していて、何となく気になりまして」

「フン。聞くだけ無駄だ。凡俗なんぞ、適当に生きて、適当に死ぬだけだ」

「おうおう随分な言い草じゃねぇか。そういうリアムには高尚な未来でもあるってんのか!?」

「別に高尚なモンでも無いが、お前らよりはマシな未来がある」

「ほー。じゃあ聞かせて貰おうか」

「まずは、今回の旅の報酬を大司教の奴からたんまり奪い取る」

「いきなりゲスな話から始まったが?」

「その報酬を使って、世界中の捨てられたガキ共を集め、忠実な手駒として教育し、俺の為に働かせるんだ」

「これ以上ないくらい俗な夢じゃねぇか!」

私はその夢を聞いて、思わず小さく笑ってしまった。

「何を笑っているんだ。お前は」

「そうだよ。アメリアちゃん。コイツろくでもない奴だよ?」

「いえ。リアムさんは素直じゃないな。と思いまして」

「素直じゃない?」

「おい。アメリア。それ以上口を開くな」

「いや、聞かせてもらいましょ。フィン! リアムの奴を止めて!」

「あいあい」

「おい! 離せ!」

「いやー。わりぃな。俺、女の子には逆らわない主義者なんだ」

「この……!」

「はい。リアムは押さえたよ。さぁ、これで話しても大丈夫」

「あー。はい。えっとですね」

「口を開くな!! アメリア!!」

私はリアムさんにごめんなさいと言いながら、思いついた事を口にした。

「いや。そのですね。聖都でリアムさんが昔孤児だったと言っていたじゃないですか。それで、リアムさんが自分みたいな子供を助けたいのかな。と思いまして」

「「あー」」

フィンさんとキャロンさんは納得した様に声を漏らした後、リアムさんを解放した。
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