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第32話『上ばっかり見てて、首痛くないですか?』③
しおりを挟む理知的に話すウィルバーさんにフィンさんは動揺した様に一歩下がる。
私はフィンさんの手を握ると、視線と意識をこちらに向けて、話しかけた。
「フィンさん。リアムさんとキャロンさんを呼んで貰えますか? 私は……あの! ウィルバーさん。先に私とカー君とレーニちゃんの三人で家にお邪魔しても良いですか?」
「あぁ。構わんよ」
「後でここに居るフィンさんと、他二人大人の人が居るのですが、家の中にお邪魔しても良いでしょうか?」
「あぁ。アメリアの友達なんだろう? なら、大丈夫だ。ただ、俺と違って弟たちは気が短いからな。あんまり、あんまりな事は言わんでくれ。俺も折角出来た友を失いたくないもんでな」
「分かりました! では、そういう事ですので、フィンさん。事情を話して貰えますか?」
「あ、あぁ。分かった。もし、何かあっても無茶はするなよ」
「はい。分かりました」
そして、私はフィンさんと別れて、ウィルバーさんに案内されるまま家の中に入った。
オークさんと言えば、かつては洞窟の中で生活していた様に思うが、草原に家を作ったということでどの様に変わったのか非常に興味がある。
「おーおー。では案内するぜ。アメリア……と」
「カー君とレーニちゃんです」
「カーネリアンな!」
「カーネリアンとレーニだな。うし。じゃあここから中に入ってくれ」
私たちはウィルバーさんの指示に従って、草原の姿を映している壁に向かって足を踏み出した。
そして家の中に入った瞬間に、思わず声を上げる。
「おぉー!! 何だこれ!? すっげー!!」
「あー。カーネリアン。繊細な魔導具なんだ。触らないでくれ」
「あぁ、分かったぜ!! でも、見るだけなら良いか!?」
「当然だ。コレの良さが分かるなんて、お前センスあるぜ。是非満足するまで見てってくれ」
「……凄い」
家の中に入ってすぐに私たちが見つけた物。
それは遥かな昔。まだ世界が暗黒に支配されていた頃、人々が暗い雲の向こう側を目指して作っていた魔導具であり、失われたと思っていた技術の結晶だった。
「飛行機。まだ残っていたんですね」
私はフィンさんの手を握ると、視線と意識をこちらに向けて、話しかけた。
「フィンさん。リアムさんとキャロンさんを呼んで貰えますか? 私は……あの! ウィルバーさん。先に私とカー君とレーニちゃんの三人で家にお邪魔しても良いですか?」
「あぁ。構わんよ」
「後でここに居るフィンさんと、他二人大人の人が居るのですが、家の中にお邪魔しても良いでしょうか?」
「あぁ。アメリアの友達なんだろう? なら、大丈夫だ。ただ、俺と違って弟たちは気が短いからな。あんまり、あんまりな事は言わんでくれ。俺も折角出来た友を失いたくないもんでな」
「分かりました! では、そういう事ですので、フィンさん。事情を話して貰えますか?」
「あ、あぁ。分かった。もし、何かあっても無茶はするなよ」
「はい。分かりました」
そして、私はフィンさんと別れて、ウィルバーさんに案内されるまま家の中に入った。
オークさんと言えば、かつては洞窟の中で生活していた様に思うが、草原に家を作ったということでどの様に変わったのか非常に興味がある。
「おーおー。では案内するぜ。アメリア……と」
「カー君とレーニちゃんです」
「カーネリアンな!」
「カーネリアンとレーニだな。うし。じゃあここから中に入ってくれ」
私たちはウィルバーさんの指示に従って、草原の姿を映している壁に向かって足を踏み出した。
そして家の中に入った瞬間に、思わず声を上げる。
「おぉー!! 何だこれ!? すっげー!!」
「あー。カーネリアン。繊細な魔導具なんだ。触らないでくれ」
「あぁ、分かったぜ!! でも、見るだけなら良いか!?」
「当然だ。コレの良さが分かるなんて、お前センスあるぜ。是非満足するまで見てってくれ」
「……凄い」
家の中に入ってすぐに私たちが見つけた物。
それは遥かな昔。まだ世界が暗黒に支配されていた頃、人々が暗い雲の向こう側を目指して作っていた魔導具であり、失われたと思っていた技術の結晶だった。
「飛行機。まだ残っていたんですね」
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