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第32話『上ばっかり見てて、首痛くないですか?』②
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「向こうは放置しちゃって大丈夫ですか?」
「まぁ大丈夫だろ。リアムもキャロンも大人だしな。自分で何とかするさ。俺は子供三人のおもりってワケだ」
「なるほど」
「ん? おい! 三人って俺の事も子供扱いしてるのか!?」
「当然だろう。カー君。何なら君が一番心配な子供だぞ。何せレーニちゃんとアメリアちゃんは互いにお手手繋いでるからな。あー。そういう事なら、カー君もアメリアちゃんと手を繋いだらどうだ? お姉ちゃんと一緒に行動出来るのは嬉しいだろう」
「バカにすんなよ! こんな場所くらい俺一人でも……!」
「カー君!!」
「下がれ!! カーネリアン!!」
「へ?」
カー君が後ろにある魔術の壁に向かって飛んだ瞬間、カー君の後ろから黒く大きな影が出てくるのが見えた。
私とフィンさんは同時に手を伸ばすが、カー君には届かない。
そして、カー君はその黒い影にぶつかってしまった。
「うわっ!」
「んー? なんだ。お前は」
飛んできたカー君を容易く受け止めた、その黒い大きな影はカー君を地面にゆっくりと下ろすと、そのまま体をやや丸めて私たちを見下ろす。
「人間か? 珍しいな。こんな所で」
「貴方はオークさん。でしょうか?」
「おぉ。そうだ。良く知ってるな。俺はオークのウィルバーってモンだ。ここに住んでるオークだよ」
「ウィルバーさん。初めまして。私はアメリアと申します」
「アメリア……おぉ。我らが女神と同じ名前だな。うん。良い名前だ。ううん? よく見れば女神様とよく似ているな」
「そうですか? 女神様。なんだか恐れ多いですね」
「よく似ているよ。まぁ、俺たちには人間の姿はみんな同じに見えるがな! 女神様も人型だったし。違いが分からんよ! ガッハッハッハ」
「ふふ。そうなんですね。女神様に似ているなんて言われてビックリしてしまいました」
「おーおー。それは悪い事をしたな。いや、しかし、人間はみんな同じに見えると言ったが、アメリアは……どこか違うな。輝いて見える」
「あら。それは嬉しいですね」
「こんな別嬪さんなら嫁に貰いたいくらいだな。どうだ? 悪いようにはしないぞ?」
「駄目! アメリアはレーニとずっと一緒!」
「おーおー。これは残念だ。もう既に相手が居たか。では友人として君を我が家に招待しようと思うんだが、どうかな。旅の話なんかを聞かせてくれないか? 旅人さん」
「えぇ。大丈夫で「ちょっ! ちょっと! アメリアちゃん!」はい? 何でしょうか?」
「危ないよ! こんな何も分からない状態で家の中に入るなんて。食われちゃうかもしれないぞ!」
「ガッハッハッハ。人間。大丈夫だ。俺たちは人間なんか喰いやしない。そう。俺たちはオーク。グルメなんだ。人間より旨いモンなら何でも知ってるよ」
「なら、何で会ったばかりのアメリアちゃんを家の中に誘う!」
「ふーむ。そうさな。簡単に言えば……そう。嬉しかったからさ」
「嬉しい?」
「そう。俺たちオークはな。見た目が魔物と殆ど変わらねぇせいで、人間どもに何度も襲われてきた。話をしようと言っても、向けてくるのは武器だ。そんな中、いきなり現れた俺をアメリアは恐れもせず、怒りもせず、憎みもせず、ただ対等の相手として話してくれた。この嬉しさは、お前には分かるまいよ。世界にどれだけ居るかも分からん、友になれるかもしれん相手だ。喰うだなんて勿体ない。そう俺は考えるのさ」
「まぁ大丈夫だろ。リアムもキャロンも大人だしな。自分で何とかするさ。俺は子供三人のおもりってワケだ」
「なるほど」
「ん? おい! 三人って俺の事も子供扱いしてるのか!?」
「当然だろう。カー君。何なら君が一番心配な子供だぞ。何せレーニちゃんとアメリアちゃんは互いにお手手繋いでるからな。あー。そういう事なら、カー君もアメリアちゃんと手を繋いだらどうだ? お姉ちゃんと一緒に行動出来るのは嬉しいだろう」
「バカにすんなよ! こんな場所くらい俺一人でも……!」
「カー君!!」
「下がれ!! カーネリアン!!」
「へ?」
カー君が後ろにある魔術の壁に向かって飛んだ瞬間、カー君の後ろから黒く大きな影が出てくるのが見えた。
私とフィンさんは同時に手を伸ばすが、カー君には届かない。
そして、カー君はその黒い影にぶつかってしまった。
「うわっ!」
「んー? なんだ。お前は」
飛んできたカー君を容易く受け止めた、その黒い大きな影はカー君を地面にゆっくりと下ろすと、そのまま体をやや丸めて私たちを見下ろす。
「人間か? 珍しいな。こんな所で」
「貴方はオークさん。でしょうか?」
「おぉ。そうだ。良く知ってるな。俺はオークのウィルバーってモンだ。ここに住んでるオークだよ」
「ウィルバーさん。初めまして。私はアメリアと申します」
「アメリア……おぉ。我らが女神と同じ名前だな。うん。良い名前だ。ううん? よく見れば女神様とよく似ているな」
「そうですか? 女神様。なんだか恐れ多いですね」
「よく似ているよ。まぁ、俺たちには人間の姿はみんな同じに見えるがな! 女神様も人型だったし。違いが分からんよ! ガッハッハッハ」
「ふふ。そうなんですね。女神様に似ているなんて言われてビックリしてしまいました」
「おーおー。それは悪い事をしたな。いや、しかし、人間はみんな同じに見えると言ったが、アメリアは……どこか違うな。輝いて見える」
「あら。それは嬉しいですね」
「こんな別嬪さんなら嫁に貰いたいくらいだな。どうだ? 悪いようにはしないぞ?」
「駄目! アメリアはレーニとずっと一緒!」
「おーおー。これは残念だ。もう既に相手が居たか。では友人として君を我が家に招待しようと思うんだが、どうかな。旅の話なんかを聞かせてくれないか? 旅人さん」
「えぇ。大丈夫で「ちょっ! ちょっと! アメリアちゃん!」はい? 何でしょうか?」
「危ないよ! こんな何も分からない状態で家の中に入るなんて。食われちゃうかもしれないぞ!」
「ガッハッハッハ。人間。大丈夫だ。俺たちは人間なんか喰いやしない。そう。俺たちはオーク。グルメなんだ。人間より旨いモンなら何でも知ってるよ」
「なら、何で会ったばかりのアメリアちゃんを家の中に誘う!」
「ふーむ。そうさな。簡単に言えば……そう。嬉しかったからさ」
「嬉しい?」
「そう。俺たちオークはな。見た目が魔物と殆ど変わらねぇせいで、人間どもに何度も襲われてきた。話をしようと言っても、向けてくるのは武器だ。そんな中、いきなり現れた俺をアメリアは恐れもせず、怒りもせず、憎みもせず、ただ対等の相手として話してくれた。この嬉しさは、お前には分かるまいよ。世界にどれだけ居るかも分からん、友になれるかもしれん相手だ。喰うだなんて勿体ない。そう俺は考えるのさ」
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