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第30話『争いを止める為なら私は何でもしますよ』③
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そして私の体はそのままユニコーンの群れに跳ね飛ばされて空高く舞い上がった。
私はその舞い上がった体の中に飛び込んで、魂と体を繋いでゆく。
想定通り、ユニコーンという大きな魔力の塊にぶつかった事で、私の体に掛かっていた魔術はその殆どが破壊された様だった。
後は、ユニコーンの全体に私は無事だと知らせる為に薄く魔力を放つ。
火、水、風、土。それら全ての魔力が混ざった魔力を……金色の魔力を私が落ちた地面からユニコーンの群れ、全体に放ってゆくのだった。
魔力を受けて、私が無事だと分かったのか。ユニコーンの光が赤からオーロラに似た鮮やかな光へと変わっていった。
「ユニコーンの怒りが消えてゆく」
「なんだ。この光は、どういうんだ?」
「里の全体が光に包まれてゆく……だというのに、恐怖は感じない。むしろ温かさを感じる様な」
「姫様はどうなった!! 姫様は!?」
「ババ様。姫様死んじゃったの?」
私は仰向けになりながら、自分に癒しの力を使う事にした。
我ながら無茶をしたものだ。
しかし、ユニコーンの力だろうか。人の話している声や心が周囲に反響していくのを感じる。
「姫様!」
「アメリア!!」
そして空からは泣いているレーニちゃんが降ってきて、私の体に抱き着くのだった。
「あぁ。ごめんなさい。レーニちゃん。心配を掛けましたね」
「ううん。良い。アメリアが無事なら。それで」
私はユニコーンに魔力を分けてもらいながら、癒しの魔術を使って自分を癒した後、地面を通じて里全体に癒しの力を使ってゆく。
「何の光!?」
「これは人の心の光だ!」
流石はユニコーンの魔力と言うべきだろうか。
里にいたエルフさんと陰魔さんのみんなはすぐに全ての傷が癒えた様だった。
「おぉ……! これが姫様の」
「神話は真であったか」
「その者、とんでもねー可愛さで空飛んで、金色の野で、微笑むべし――!」
ユニコーンの魔力とレーニちゃんの魔術を借りて私は空から皆の無事を確かめて深く息を吐いた。
相変わらず陰魔さん達が何を言っているのか分からないが、無事そうで何よりだ。
「これで、一件落着。ですね」
私はその舞い上がった体の中に飛び込んで、魂と体を繋いでゆく。
想定通り、ユニコーンという大きな魔力の塊にぶつかった事で、私の体に掛かっていた魔術はその殆どが破壊された様だった。
後は、ユニコーンの全体に私は無事だと知らせる為に薄く魔力を放つ。
火、水、風、土。それら全ての魔力が混ざった魔力を……金色の魔力を私が落ちた地面からユニコーンの群れ、全体に放ってゆくのだった。
魔力を受けて、私が無事だと分かったのか。ユニコーンの光が赤からオーロラに似た鮮やかな光へと変わっていった。
「ユニコーンの怒りが消えてゆく」
「なんだ。この光は、どういうんだ?」
「里の全体が光に包まれてゆく……だというのに、恐怖は感じない。むしろ温かさを感じる様な」
「姫様はどうなった!! 姫様は!?」
「ババ様。姫様死んじゃったの?」
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我ながら無茶をしたものだ。
しかし、ユニコーンの力だろうか。人の話している声や心が周囲に反響していくのを感じる。
「姫様!」
「アメリア!!」
そして空からは泣いているレーニちゃんが降ってきて、私の体に抱き着くのだった。
「あぁ。ごめんなさい。レーニちゃん。心配を掛けましたね」
「ううん。良い。アメリアが無事なら。それで」
私はユニコーンに魔力を分けてもらいながら、癒しの魔術を使って自分を癒した後、地面を通じて里全体に癒しの力を使ってゆく。
「何の光!?」
「これは人の心の光だ!」
流石はユニコーンの魔力と言うべきだろうか。
里にいたエルフさんと陰魔さんのみんなはすぐに全ての傷が癒えた様だった。
「おぉ……! これが姫様の」
「神話は真であったか」
「その者、とんでもねー可愛さで空飛んで、金色の野で、微笑むべし――!」
ユニコーンの魔力とレーニちゃんの魔術を借りて私は空から皆の無事を確かめて深く息を吐いた。
相変わらず陰魔さん達が何を言っているのか分からないが、無事そうで何よりだ。
「これで、一件落着。ですね」
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