聖女の証

とーふ(代理カナタ)

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第24話『魔物は魔物。種族等はなく、ただそういう存在です』①

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水の精霊との最上位契約を終わらせ、私とキャロンさんはエルフさん達、それにレーニちゃんに別れを告げて、リアムさん達の待っているであろうキャンプ地へと戻った。

そして、私たちよりもずっと前に帰ってきていたという三人に湖で水の精霊と最上位契約を結んだ事を話す。

「はぁ? どういう事だ。何があってそうなる」

「いやー。それがまぁ、色々とありまして」

「色々ってのは何だ」

「それはその……まぁ、色々とありまして」

「歯切れが悪いな。何かあったのか?」

「それくらいにしなさいよ。本当に色々あったのよ。それに、多分湖であった事は誰にも話さない方が良いわ。夢を壊さない為にもね」

「はぁ?」

「あー。それと、今度から淫魔にあったら少しは優しくしてあげなさい」

「いや、意味が分からないが、淫魔ってのは、とんでもない連中だぞ? 道で目が遭えば死ぬ寸前まで絞りつくされるとか何とか。まぁ子供の前で具体的な事は何にも言えんが、とにかくヤバイ連中だ」

「詳しくは言えないけど、それ全部風評被害なのよ。ある連中の」

リアムさん達は首を傾げていたが、私はキャロンさんの話を聞きながらただ首を縦に振っていた。

それもこれも、エルフの方々のお願いというのもあったが、エルフが純粋無垢な存在だと信じている人は、世界でもかなりの数がいるらしく、その人たちの夢を壊さない為に、黙っていようと言ったのはキャロンさんだった。

まぁ、痛い目に遭う人も居るかもしれないが、それは自業自得だからと言って。

かくしてエルフさん達の秘密は私たちだけの秘密にもなったという訳である。

「まぁ良い。そっちにも動きがあった様に、こっちにも動きがあったからな」

「そうなんですか?」

「あぁ。おそらくだが、強力な風の精霊に会えそうな場所がある。どうもそこには奇妙な奴が居るらしくてな。ソイツに聞けば風の精霊について詳しく教えてくれるんだそうだ」

「ソイツっていうのは?」

「なんでも、空を飛ぶオークらしいぜ」
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