聖女の証

とーふ(代理カナタ)

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第17話『わ、私が、アメリア。ただのアメリアです』②

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私がどう言ったら良いか分からず、オロオロとしているとリアムさんが私を制して立ち上がった。

そして、大司教さんと占い師さんを見ながらハッキリという。

「大司教。申し訳ないが、アメリアは俺が貰っていく。勝手な事は言わないで貰おう」

「え!?」

「……ほう。私の決定に意見するか。リアム」

「えぇ」

「孤児であったお前を、拾ってやり、こうして育ててやった恩を忘れたか」

「忘れてないですよ。でもそれは俺の話だ。アメリアの話じゃない」

「聖都で大司教となる息子と結ばれ、暮らす事に何の不満がある? これ以上ない程の幸福だろう」

「それはアメリアが決める事だ。大司教が決める事じゃ無いでしょう」

「リアム……!」

ピリッとした空気を放つリアムさんと大司教さんを交互に見ながら、私は何も言えず、交互に見るばかりだった。

そして、そんな二人を止める人が現れた。

「まぁまぁそんなに荒れなくても良いだろう。未来の事は、未来で話せば良いのさ。そうだろう? 大司教。リアム。それに……アメリア」

「っ」

ジッと見つめられた視線が私を貫いて、先ほどまでとは違った意味で私は動けなくなってしまった。

何だろう。この人。

怖い……? 何だか寒気がする。

「さ。そろそろ話は終わらせよう。大司教。リアム達も長旅で疲れているんだ。そうだろう?」

「……分かった」

「ではゆっくりお休み。客室を用意させよう」

そして占い師さんの言葉に従って、とりあえずこの場は解散となった。



それから、私たちは用意された豪華な部屋に入り、各々に体を休めながら話をする。

「リアム」

「なんだ。フィン」

「ナイスだったぜ! あそこでアメリアちゃんを庇うなんてやるじゃないか!」

「フン。コイツは貴重な戦力だ。それに、この旅が終わったら、コイツで一儲けするつもりだからな。大司教なんぞに渡すつもりはない」

「えぇ!? そうだったんですか!? お友達だから助けてくれたのだと、てっきり」

「そんな訳ないだろう」

「素直じゃないな。リアム」

「黙れ。フィン」

「しっかし。姉ちゃんを嫁にー。なんて自分勝手な奴だよなー」

「大司教ってのはそういうモンだ。世界の中心に自分が居るのが当たり前だと思ってやがる」

リアムさんが吐き捨てる様に言った言葉に、誰もが黙って聞いていたが、一人だけその言葉に笑っている人が居た。

そう。いつの間にか部屋にいた占い師さんだ。

「あっはっは。随分と言いたい放題じゃ無いか。リアム」

「っ! お前……ネイサン」

「さっきぶりだね。聖人諸君。そして、アメリア」

「っ」
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