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第14話『私は、とても嬉しいです。一緒に行きましょう』①
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想いをぶつけ終わり、私は酒場を出て行こうとした。
しかし、リアムさんに抱きかかえられ、キャロンさんの前にある椅子に座らされてしまう。
「もう! なんですか!」
「勝手に一人で話を進めて、出て行こうとするな」
「……っ! でも!」
「でもじゃない。話は最後まで聞け。確かに俺たちは世界を護る為に、世界の果てなんぞに行くのはごめんだ。だがな。気に入った奴の為に命を捨てるのは、そう悪い事じゃない」
「どういう事ですか?」
「つまりだ」
「アメリアちゃん一人を行かせるなんてごめんだって言ってるんだよ。アメリアちゃん」
「……フィンさん」
「そうだぜ。ま。俺は最初から別に怖くなんか無かったけどな!」
「ホントか? カー君」
「カー君言うな! 本当に決まってるだろ! バカにすんなよ!」
「別にバカにはしてねぇけどな。子供が無理すんなよ。こういう事は人生というものを知り尽くした大人がやるべき事なんだなぁ」
「へっ、女のケツばっかり追っかけてる奴が人生を知り尽くしたとはよく言ったもんだ」
「んだとリアム! いつもいつもアメリアちゃんにベタベタ触ってるお前が言う事じゃねぇだろ!」
「誰がこんなガキにベタベタ触ってただと!? 適当な事言ってんじゃねぇぞ!」
「どうだか。アメリアちゃん気を付けろよ。こういう奴はな。君みたいな小さい子が好きなんだ」
「フィン!! 外に出ろ!! 首から上を消し飛ばしてやる!」
「へーへー」
私は外に出て行ったリアムさんとフィンさんを追うべく、椅子から立ち上がろうとした。
しかしそんな私の腕をキャロンさんが掴む。
「……? キャロンさん?」
「あっ、あの、アタシ」
「大丈夫ですよ。キャロンさん。私に任せて下さい。すぐにイヤーな事は全部終わらせちゃいますから」
「……うん」
キャロンさんは力なく私から手を離すと、そのまま項垂れてしまった。
私はそんなキャロンさんに頭を下げて、待っていてくれたカー君と一緒に店を出る。
そして、外で喧嘩をしていたリアムさんとフィンさんを連れて、街の外を目指すのだった。
しかし、リアムさんに抱きかかえられ、キャロンさんの前にある椅子に座らされてしまう。
「もう! なんですか!」
「勝手に一人で話を進めて、出て行こうとするな」
「……っ! でも!」
「でもじゃない。話は最後まで聞け。確かに俺たちは世界を護る為に、世界の果てなんぞに行くのはごめんだ。だがな。気に入った奴の為に命を捨てるのは、そう悪い事じゃない」
「どういう事ですか?」
「つまりだ」
「アメリアちゃん一人を行かせるなんてごめんだって言ってるんだよ。アメリアちゃん」
「……フィンさん」
「そうだぜ。ま。俺は最初から別に怖くなんか無かったけどな!」
「ホントか? カー君」
「カー君言うな! 本当に決まってるだろ! バカにすんなよ!」
「別にバカにはしてねぇけどな。子供が無理すんなよ。こういう事は人生というものを知り尽くした大人がやるべき事なんだなぁ」
「へっ、女のケツばっかり追っかけてる奴が人生を知り尽くしたとはよく言ったもんだ」
「んだとリアム! いつもいつもアメリアちゃんにベタベタ触ってるお前が言う事じゃねぇだろ!」
「誰がこんなガキにベタベタ触ってただと!? 適当な事言ってんじゃねぇぞ!」
「どうだか。アメリアちゃん気を付けろよ。こういう奴はな。君みたいな小さい子が好きなんだ」
「フィン!! 外に出ろ!! 首から上を消し飛ばしてやる!」
「へーへー」
私は外に出て行ったリアムさんとフィンさんを追うべく、椅子から立ち上がろうとした。
しかしそんな私の腕をキャロンさんが掴む。
「……? キャロンさん?」
「あっ、あの、アタシ」
「大丈夫ですよ。キャロンさん。私に任せて下さい。すぐにイヤーな事は全部終わらせちゃいますから」
「……うん」
キャロンさんは力なく私から手を離すと、そのまま項垂れてしまった。
私はそんなキャロンさんに頭を下げて、待っていてくれたカー君と一緒に店を出る。
そして、外で喧嘩をしていたリアムさんとフィンさんを連れて、街の外を目指すのだった。
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