35 / 198
第11話『ではとっておきです! てりゃー!』①
しおりを挟む
何だかんだ。五日ほどの時間を掛けて私たちは商業都市ダキンに到着した。
そこは今までに私が見たあらゆる街よりも綺麗で輝いており、煌びやかな光に満ちた街だった。
「おぉー」
「あんまり離れるなよ。アメリア。それとそっちのクソガキもな」
「すげぇー。これがダキンかー」
「あぁ、そう言えばカーネリアンも大都市は初めてか。どうだ。凄いだろ」
「うん! 凄い! 人もいっぱいだ! あ! あそこ! 姉ちゃん! 姉ちゃん! 何か売ってるぞ!」
「なんですか? わぁー。綺麗ですねぇ」
私はカー君に手を引っ張られて、道の端にあるお店に向かった。
多くの人が行き交う通りは、せわしなく流れており、そのお店までたどり着くのは大変だったが、近づくと先ほどよりも大きな感動があるのだった。
「これは鉱物……水晶ですか。綺麗に加工されているんですね。とても綺麗なまん丸です。しかも魔術用でしょうか。中心に魔力が渦巻いていますし。こうして内部を循環させる事で魔術を効率よく発動できる様にしているんですね」
「お。お嬢ちゃん。お目が高いねぇ。そう。コイツはドワーフが造った水晶玉っていう魔導具さ。一級品だよ?」
「魔道具……ですか?」
「なんだ。魔導具は知らないんだな。魔導具ってのはな。魔術を補助する為に生まれたモンなんだよ。まぁなんといっても、シャーラペトラ様のお陰で精霊と契約出来る様になってから六百五十年も経ったが、俺らは未だに魔術を上手く使えねぇからな。そこで工房の連中がドワーフと協力して開発したのが、魔導具って訳だ」
「ふぅーん。なら俺でも魔術が使える様になるのか?」
「坊主は精霊と契約してんのか?」
「いや。全然」
「なら無理だな。コイツはあくまでサポート用だ。しかも自分が契約している精霊の属性にしか使えん。こいつは水の精霊用だな」
「なんだー。つまんねーの!」
「アメリアちゃんは魔術使えたよね? 何の精霊と契約してるんだい?」
「私は風と火と水と土ですね」
私が指を折りながらそう言うと、店のオジサンが勢いよくテーブルを叩いた。
「なんと!! お嬢ちゃん! 全属性と契約してるのかい!? シャーラペトラ様と同じじゃないか!」
「てへへ。頑張りました」
「いや、頑張って出来る事でも無いが……凄いな。握手して貰っても良いか?」
「はい。私で良ければ」
「くぅー! 感動だ! きっとお嬢ちゃんは将来有名人になるな! 俺は応援してるぞ!」
「ありがとうございます!」
そこは今までに私が見たあらゆる街よりも綺麗で輝いており、煌びやかな光に満ちた街だった。
「おぉー」
「あんまり離れるなよ。アメリア。それとそっちのクソガキもな」
「すげぇー。これがダキンかー」
「あぁ、そう言えばカーネリアンも大都市は初めてか。どうだ。凄いだろ」
「うん! 凄い! 人もいっぱいだ! あ! あそこ! 姉ちゃん! 姉ちゃん! 何か売ってるぞ!」
「なんですか? わぁー。綺麗ですねぇ」
私はカー君に手を引っ張られて、道の端にあるお店に向かった。
多くの人が行き交う通りは、せわしなく流れており、そのお店までたどり着くのは大変だったが、近づくと先ほどよりも大きな感動があるのだった。
「これは鉱物……水晶ですか。綺麗に加工されているんですね。とても綺麗なまん丸です。しかも魔術用でしょうか。中心に魔力が渦巻いていますし。こうして内部を循環させる事で魔術を効率よく発動できる様にしているんですね」
「お。お嬢ちゃん。お目が高いねぇ。そう。コイツはドワーフが造った水晶玉っていう魔導具さ。一級品だよ?」
「魔道具……ですか?」
「なんだ。魔導具は知らないんだな。魔導具ってのはな。魔術を補助する為に生まれたモンなんだよ。まぁなんといっても、シャーラペトラ様のお陰で精霊と契約出来る様になってから六百五十年も経ったが、俺らは未だに魔術を上手く使えねぇからな。そこで工房の連中がドワーフと協力して開発したのが、魔導具って訳だ」
「ふぅーん。なら俺でも魔術が使える様になるのか?」
「坊主は精霊と契約してんのか?」
「いや。全然」
「なら無理だな。コイツはあくまでサポート用だ。しかも自分が契約している精霊の属性にしか使えん。こいつは水の精霊用だな」
「なんだー。つまんねーの!」
「アメリアちゃんは魔術使えたよね? 何の精霊と契約してるんだい?」
「私は風と火と水と土ですね」
私が指を折りながらそう言うと、店のオジサンが勢いよくテーブルを叩いた。
「なんと!! お嬢ちゃん! 全属性と契約してるのかい!? シャーラペトラ様と同じじゃないか!」
「てへへ。頑張りました」
「いや、頑張って出来る事でも無いが……凄いな。握手して貰っても良いか?」
「はい。私で良ければ」
「くぅー! 感動だ! きっとお嬢ちゃんは将来有名人になるな! 俺は応援してるぞ!」
「ありがとうございます!」
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~
みつまめ つぼみ
ファンタジー
17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。
記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。
そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。
「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」
恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!
異界冒険譚シリーズ 【エリカ編】-迷い子の行く先-
とーふ(代理カナタ)
ファンタジー
少女はその世界で孤独だった。
家族は彼女を疎み、友人は彼女から離れていった。
孤独は人の命を容易く奪う。
少女はその世界で生きる事を諦めていたが、たった一つ、残された糸が少女を生かし続けていた。
そしてその糸は、世界を超え、異世界へと繋がる。
これは孤独に潰されそうな少女が、新しい世界に希望を見出す物語。
☆☆本作は異界冒険譚シリーズと銘打っておりますが、世界観を共有しているだけですので、単独でも楽しめる作品となっております。☆☆
その為、特に気にせずお読みいただけますと幸いです。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。

異世界に落ちたら若返りました。
アマネ
ファンタジー
榊原 チヨ、87歳。
夫との2人暮らし。
何の変化もないけど、ゆっくりとした心安らぐ時間。
そんな普通の幸せが側にあるような生活を送ってきたのにーーー
気がついたら知らない場所!?
しかもなんかやたらと若返ってない!?
なんで!?
そんなおばあちゃんのお話です。
更新は出来れば毎日したいのですが、物語の時間は割とゆっくり進むかもしれません。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
異界冒険譚シリーズ 【オリヴィア編】-語られぬ者たちの物語-
とーふ(代理カナタ)
ファンタジー
聖女アメリアによって、大いなる闇の力が封印された平和が訪れた世界。
しかし、闇は完全に消えてはいなかった!
闇は意思を持ち、『魔王』という名の存在になって復活したのだ。
そして、聖女アメリアが次代の聖女として選んだ少女オリヴィアは聖女として魔王を倒す為の旅に出て……遂にその魔王を討伐する事に成功した。
しかし、聖女オリヴィアを含めた勇者一行は、魔王を完全に消し去る事が出来ず、その復活まで予言されてしまう。
また時が来れば復活してしまう魔王に、聖女オリヴィアは滅ぼすのではなく、封印という手段を取る……!
そして、聖女オリヴィアは自身の力により子供となった魔王の力を奪い、善き魔王として生まれ変わらせる為に『教育』を始めるのだった。
これは聖女アメリアの素晴らしさを教え込む為にあらゆる手段を取る聖女オリヴィアと、そんなアメリア狂信者のオリヴィアから逃げようと奮闘する魔王の戦いの記録である。
☆☆本作は異界冒険譚シリーズと銘打っておりますが、世界観を共有しているだけですので、単独でも楽しめる作品となっております。☆☆
その為、特に気にせずお読みいただけますと幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる