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第7話『たのもー!』③
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なんだろうか。よく分からない話が展開されている。
しかし、この話が終わったらまた説得をしないといけない!
そう考えてどう説得するべきか頭で考えていた。
だが、そんな私の考えとは裏腹に事態はよく分からないまま良い方向へと転び始めた。
「……アメリアちゃん」
「はい! なんでしょうか!」
「例えば、君が命を掛ければ世界を救えるとして、君はどうする?」
「無論、救います!!」
「……なるほどな」
「はい!」
「なら、分かった。よし。俺も君と一緒に行こう」
「え!? 本当ですか!?」
「あぁ。ただし、一つ約束してくれ」
「はい。なんでしょうか!?」
正直約束を守るのは苦手なのだが、ここはとりあえず頷いておく。
駄目な時は謝れば良いし。
「絶対に危ない事はしない事。何かしたい時は、必ず俺かあのいけ好かない男に相談する事。良いかい?」
「はい! 大丈夫です!!」
多分!!
「よし。なら俺も誓おう。この旅で君をあらゆる脅威から護ってみせると! 良いかな。アメリアちゃん」
「はい!」
「決まりだ。じゃあ俺も一緒に行こう。闇の力の封印とやらにな」
「ありがとうございます!!」
「ま。大船に乗ったつもりでいろよ。この俺が居れば闇の力だって余裕だぜ」
「心強いです! これからよろしくお願いいたします!」
こうしてフィンさんも仲間に加わり、私たちの旅はさらに先へと進む事になるのだった。
多くの人に見送られながら町を出たフィンさんは、町を出てすぐに私の左手を握って、歩き出した。
しかし、それと同時に何故か右手をリアムさんも握り、それぞれが別々のペースで歩き始める。
「え? あえ? ちょっと、あの!? わ、わ、転んじゃいます!」
「おい。危ないだろ。離せ」
「お前が離せば良いだろう? アメリアちゃんは俺が守るからさ」
「ふざけるな。お前に何が出来る。さっさとその汚い手を離せ」
「ハッ! 俺より弱いくせに吠えるなよ。女の子に歩幅も合わせられない奴がよ」
「この旅はデートじゃねぇんだ。男だとか女だとかどうでも良いんだよ。くだらない事を言ってないで、さっさとその手を離せ」
「やだやだ独占欲が強い男は。アメリアちゃんも可哀想に。こんな小うるさい男と一緒に旅をしていたなんて、同情するぜ」
「おい。あまり調子に乗るなよ? 別に俺はお前が居なくても良いんだ。それともここで行方不明になりたいか?」
「どっちが行方不明になるか、試してみるか?」
「あー!! もう!! 二人とも喧嘩は辞めて下さい! はい。二人とも手を離してください。私は一人でも歩けますから」
私は二人から手を振りほどいて、両手を自由にする。
そして、小走りに先の道で休んでいる人の所へ向かうのだった。
「あの。大丈夫ですか?」
「アメリアぁああああ!!」
しかし、この話が終わったらまた説得をしないといけない!
そう考えてどう説得するべきか頭で考えていた。
だが、そんな私の考えとは裏腹に事態はよく分からないまま良い方向へと転び始めた。
「……アメリアちゃん」
「はい! なんでしょうか!」
「例えば、君が命を掛ければ世界を救えるとして、君はどうする?」
「無論、救います!!」
「……なるほどな」
「はい!」
「なら、分かった。よし。俺も君と一緒に行こう」
「え!? 本当ですか!?」
「あぁ。ただし、一つ約束してくれ」
「はい。なんでしょうか!?」
正直約束を守るのは苦手なのだが、ここはとりあえず頷いておく。
駄目な時は謝れば良いし。
「絶対に危ない事はしない事。何かしたい時は、必ず俺かあのいけ好かない男に相談する事。良いかい?」
「はい! 大丈夫です!!」
多分!!
「よし。なら俺も誓おう。この旅で君をあらゆる脅威から護ってみせると! 良いかな。アメリアちゃん」
「はい!」
「決まりだ。じゃあ俺も一緒に行こう。闇の力の封印とやらにな」
「ありがとうございます!!」
「ま。大船に乗ったつもりでいろよ。この俺が居れば闇の力だって余裕だぜ」
「心強いです! これからよろしくお願いいたします!」
こうしてフィンさんも仲間に加わり、私たちの旅はさらに先へと進む事になるのだった。
多くの人に見送られながら町を出たフィンさんは、町を出てすぐに私の左手を握って、歩き出した。
しかし、それと同時に何故か右手をリアムさんも握り、それぞれが別々のペースで歩き始める。
「え? あえ? ちょっと、あの!? わ、わ、転んじゃいます!」
「おい。危ないだろ。離せ」
「お前が離せば良いだろう? アメリアちゃんは俺が守るからさ」
「ふざけるな。お前に何が出来る。さっさとその汚い手を離せ」
「ハッ! 俺より弱いくせに吠えるなよ。女の子に歩幅も合わせられない奴がよ」
「この旅はデートじゃねぇんだ。男だとか女だとかどうでも良いんだよ。くだらない事を言ってないで、さっさとその手を離せ」
「やだやだ独占欲が強い男は。アメリアちゃんも可哀想に。こんな小うるさい男と一緒に旅をしていたなんて、同情するぜ」
「おい。あまり調子に乗るなよ? 別に俺はお前が居なくても良いんだ。それともここで行方不明になりたいか?」
「どっちが行方不明になるか、試してみるか?」
「あー!! もう!! 二人とも喧嘩は辞めて下さい! はい。二人とも手を離してください。私は一人でも歩けますから」
私は二人から手を振りほどいて、両手を自由にする。
そして、小走りに先の道で休んでいる人の所へ向かうのだった。
「あの。大丈夫ですか?」
「アメリアぁああああ!!」
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