聖女の証

とーふ(代理カナタ)

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第4話『貴方が誰か困っている人を見つけた時は、その人に手を差し伸べてあげて下さい』①

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リアムさんと共に森の中の道を歩き続け、私たちは遂に大きな町へとたどり着いた。

「わぁ……! すっごい大きな町ですね!」

「まぁ、お前基準ならそうだろうな」

「と言いますと?」

「中央都市とか聖都はこれの数倍はデカい」

「そうなんですね! それは驚きです!」

私は城壁に囲まれた町を遠くから眺めながらその大きさに何度も頷いた。

そして、入り口と思われる場所から伸びている人の列を見て、凄い数の人だとまた驚きを重ねる。

「あぁやって、おかしな奴が居ないか確認してるんだよ」

「そうなんですか。大変ですね!」

「まぁ、そうだな」

私はリアムさんと色々な話をしながら列の一番後ろに並び、城壁を見たり、並んでいる人を見たりして笑う。

小さな村の、さらに外れた場所で三人暮らしをずっと続けてきた私には何もかもが新鮮なのだ。

「お前は楽しそうで良いな」

「はい!」

「いや……嫌味を言ったんだが、まぁいいや。どの道、まだ時間が掛かる……って、アメリア!? お前、何やってるんだ!」

「え? あの、こちらの方が苦しそうに咳をしていたので、癒しの力をと」

「お前っ! 昨日魔術の使い過ぎで倒れたばかりだろうが! 無駄遣いするな!」

「大丈夫です! 私、魔力量には自信がありますので! という訳で症状も分かりましたし。はい治しますねー。ピカー」

私はお爺さんの胸に手を当てて癒しの力を使い、お爺さんの病気を治す。

たったこれだけで苦しい思いをしていたお爺さんは苦しくなくなるし、みんな嬉しくて最高だと思うのだ。

「終わったか? 終わったな? じゃあ、大人しくしてろ」

「はい! あ、そこの方。杖をついているという事は足が悪いのですか? 見せてください!」

「言ったそばから……!」

私はリアムさんの傍から離れて、並んでいる人の中で体が悪そうな人を順番に診て、治してゆく。

そうこうしている間に、列の先頭の方に歩いていた私は、入り口の所に立っていた騎士さんに声を掛けられてしまった。
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