聖女の証

とーふ(代理カナタ)

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第3話『あなたはいったい何のために、世界を救うんですか!?』③

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リアムさんは、そう言うとさっさと先を目指して歩き始めた。

しかし、私は悩み、迷った後、覚悟を決めて頷く。

そして、隣村の方へ足を向け駆けだそうとした……が、リアムさんに捕まってしまう。

「っ!? アメリア!? 何をやってる!!」

「リアムさん! 私、ちょっと隣村に行きます!」

「はぁ!? お前、話、聞いてたのか!?」

「聞いてました! なので、リアムさんは先を急いでください! 私も隣村が大丈夫になったのを確認してから後を追います!」

「バカを言うな! 言っただろう!? 聖なる刻印を持つ奴らを全員集めて、世界を救う必要があるんだ!」

「分かってます! なので、私も必ず後から追いつきます!」

「そうじゃない! 分かってるのか!? 俺たちは、世界を!」

「リアムさんは! あなたはいったい何のために、世界を救うんですか!?」

「は!? 何のために、って」

「私は、この世界に住む人を助ける為に、世界を救うんだと思います。だから、隣村の人が襲われているのなら、その人たちを助ける事だって、世界を救うって事と同じ事なのでは無いでしょうか!?」

私はとにかく先を急ぎたくて、リアムさんの腕の中で暴れていたのだが、リアムさんが力を抜いた事で地面に落ちてしまう。

しかし、これはチャンスだとそのまま走り出そうとした。

けれど、またすぐにリアムさんに捕まってしまう。

また離して欲しいと訴えようとした……が、リアムさんは溜息を一つ吐くと、そのまま私を抱えて凄い勢いで隣村に向かって走り出すのだった。

「お前の足じゃ遅くなる。行くなら最速だ。最速で行って最速で終わらせる。良いな?」

「リアムさん……! ありがとうございます!」

「フン。礼なんて要らん。お前を説得するより、こうした方が速いと思っただけだ」

「ふふ、ありがとうございます」

「チッ」

風の様な速さで木々の間を駆け抜けたリアムさんと私は、視界の先で魔物に襲われている人を見つけた。

私は急いで風の魔術でその人を護り、私を空に投げたリアムさんがすれ違いに魔物を腰の剣で両断する。

「リアムさん。私はこのまま空から村の人を護ります!」

「分かった。なら、俺は……奴らを全て倒すだけだな!」

私は空に浮遊魔術を使い、目に見える村の人たちを護る為に風の魔術を使いながら、魔物を風の魔術を使って拘束し、リアムさんをサポートした。

しかし、そんな事をしなくてもリアムさんの強さは圧倒的で、あっという間に魔物は全て倒されるのだった。
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