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第2話『いってきます!』①
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世界は穏やかなまま時が過ぎ、リリィが十二歳、そして私が十四歳という事になった。
近くの村では魔物が増える様になったという噂話を聞く様になったが、リリィの『聖なる刻印』に変化はない。
リリィにも何ら変化はなく、私たちは変わらぬ日々を過ごしていた。
しかし、変化は間違いなくすぐそこに迫っているのだった。
ある日の事だ。
いつもの様に家で食事の準備をしていた私は、激しい揺れに驚きリリィを連れてお婆ちゃんの所へと向かった。
家の外には秘密の結界があり、普通の人は入る事も近寄る事も出来ない。
だから、この家は安全なハズなのだけれど……。
「一つ聞きたい事があるんだがな」
開かれた扉から不意に入ってきた男の人に私は目を見開き、リリィが誰よりも早く警戒する様に握っていた箒を男の人に向けた。
しかし、相手は腰に剣を持っているし、箒では逆に危険かもしれない。
そう考えて私はリリィの前に出て、話し合おうと男の人に言おうとした。
「ふむ。探す手間が省けたな」
「え? きゃっ!?」
男の人に話しかけようとした私は右手を掴まれ、そのまま捻り上げられる様に持ち上げられてしまう。
「ちょっと、お姉ちゃんに何するのよ!!」
「リリィ! 駄目です! 箒を下ろしてください。私は大丈夫ですから」
「む? あぁ、すまんな。証を確認したかっただけだ」
「ぁぅ」
「お姉ちゃん!!」
男の人は私を床に落とすと、右手の手袋を取って、その証を私たちに見せつけた。
そう。リリィに刻まれているものと同じ『聖なる刻印』を。
「俺はこういう者だ。お前にはこれから魔王の封印に付いて来て貰う」
「……っ、分かりました」
「ふむ。物分かりが良いな。よし。ではすぐに支度しろ。俺は外で待っている」
男の人はそれだけ言うと、さっさと家の外に出ていき、残された私は不安そうに揺れるお婆ちゃんと、リリィの瞳に貫かれる事になった。
近くの村では魔物が増える様になったという噂話を聞く様になったが、リリィの『聖なる刻印』に変化はない。
リリィにも何ら変化はなく、私たちは変わらぬ日々を過ごしていた。
しかし、変化は間違いなくすぐそこに迫っているのだった。
ある日の事だ。
いつもの様に家で食事の準備をしていた私は、激しい揺れに驚きリリィを連れてお婆ちゃんの所へと向かった。
家の外には秘密の結界があり、普通の人は入る事も近寄る事も出来ない。
だから、この家は安全なハズなのだけれど……。
「一つ聞きたい事があるんだがな」
開かれた扉から不意に入ってきた男の人に私は目を見開き、リリィが誰よりも早く警戒する様に握っていた箒を男の人に向けた。
しかし、相手は腰に剣を持っているし、箒では逆に危険かもしれない。
そう考えて私はリリィの前に出て、話し合おうと男の人に言おうとした。
「ふむ。探す手間が省けたな」
「え? きゃっ!?」
男の人に話しかけようとした私は右手を掴まれ、そのまま捻り上げられる様に持ち上げられてしまう。
「ちょっと、お姉ちゃんに何するのよ!!」
「リリィ! 駄目です! 箒を下ろしてください。私は大丈夫ですから」
「む? あぁ、すまんな。証を確認したかっただけだ」
「ぁぅ」
「お姉ちゃん!!」
男の人は私を床に落とすと、右手の手袋を取って、その証を私たちに見せつけた。
そう。リリィに刻まれているものと同じ『聖なる刻印』を。
「俺はこういう者だ。お前にはこれから魔王の封印に付いて来て貰う」
「……っ、分かりました」
「ふむ。物分かりが良いな。よし。ではすぐに支度しろ。俺は外で待っている」
男の人はそれだけ言うと、さっさと家の外に出ていき、残された私は不安そうに揺れるお婆ちゃんと、リリィの瞳に貫かれる事になった。
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