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第29話『そんな狭い価値観で、彼女たちの邪魔をするな!!』(ガーランド視点)
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(ガーランド視点)
誰も、動く事すら出来なかった。
不意に現れた乱入者がアルバート殿下に攻撃を放った時も、それを庇ってセシル殿がアルバート殿下の前に飛び出した時も。
そして今、胸から血を溢れさせたセシル殿が、アルバート殿下の腕の中にゆっくりと倒れてゆくのも、私たちは見ている事しか出来なかった。
「セ、シル……?」
「エリカ嬢!! 治癒だ!! 急いでくれ!!」
しかし、完全に凍り付いていた私はアルバート殿下の声に自分を取り戻し、近くに居たエリカ殿を抱きかかえ、アルバート殿下の元へ跳ぶ。
侵入者にはセシル殿の護衛二人や、リーザ殿、そしてジェイド殿が向かっていく。
私は胸から血を流し、ぐったりとしているセシル殿に治癒の魔術を使っているエリカ殿を見ながら、侵入者がこちらへと向かってこない様に警戒を強めた。
「治って! 治って、治って!!」
「恵梨香お姉様っ! セシルさんは」
「なんで、なんで駄目なの? 起きて、ねぇ! 起きて下さい!!」
後ろから聞こえてくる絶望的な声に、私は歯を食いしばって侵入者を睨みつけた。
今日ここから始まるはずであった。
世界を一つにする為の集まり。
エリカ殿が、セシル殿が、アリス殿が願った世界を平和にする為の願い。
それが踏みにじられた。
何故私が動けなかったのか。失ってはならぬ者の盾としてここに居たハズだったのに! 何故だ!!
「ガーランド卿。ここは良い。侵入者の排除に向かえ。どうやら侵入者は相当な強者の様だ。あの四人でも厳しい様に見える」
「しかし」
「これは命令だ!! あの邪魔者をこれ以上生かしておくな!! セシル殿の想いを、無駄にして、世界国家連合議会も、冒険者組合も終わらせてなるものか! 侵入者を排除し、願いを繋げる。良いな!?」
「承知いたしました!」
珍しく、というよりも今まで見た事のないアルバート殿下の怒りを目にして、私は気合を入れ直す。
そして剣を抜き、侵入者の元へと向かった。
「覚悟!」
「っ、邪魔を……するな! 私はセシルの元へ行かないといけないんだ」
「行かせるか!」
「チッ。消えろ!!」
盾を構え、剣で斬りかかった私だったが、見えない壁に阻まれて侵入者への攻撃が通らない。
しかも敵はその中からセシル殿を貫いた魔力の収束弾を放ってくるのだ。
相当にやりずらい相手だった。
だが、それでも! 負けましたと言って終わらせて良い相手ではない。
どれほどに相手が強くとも、この戦いだけは勝たねばならない。
私は侵入者を囲むように騎士を集め、攻撃を集中させた。
そして、相手が騎士で視界が隠されている所に、リーザ殿や、セシル殿の護衛や、ジェイド殿が侵入者の使っている風の魔術を破壊するべく攻撃を繰り返すのだった。
しかし、やはり通らない。
侵入者が常に使っている魔術が固すぎる上に、一度破れても即座にそれを直してくるのだ。
しかもどれだけ同じ事を繰り返しても魔力切れを起こす様な気配も見えず、まさに化け物を相手にしている様な気分だった。
そしてその化け物を人間が相手出来る訳もなく、一人、また一人と騎士たちが倒れてゆく。
「数ばかり集まって、邪魔だ。セシルの元へ私は行かないといけないんだよ」
「何故、セシル殿を狙う!」
「何故だと? 母親が子を求めるのは当たり前だろう?」
「親だというのなら、何故セシル殿を傷つけた!」
「傷つけたかった訳じゃない。そうだ。お前たちがセシルに余計な事を吹き込んだのが全て悪いんだろうが」
「子は親の元を旅立つものだ! そしてそれはセシル殿も同じ! セシル殿はご自分の意思で、エリカ殿やアリス殿と手を取り合って、歩み出す覚悟を決めた!」
「煩い! 要らないんだそんな物は! 必要ない! セシルに必要なのは、私とアメリアだけなんだ!!」
「そんな狭い価値観で、彼女たちの邪魔をするな!!」
侵入者を風の魔術ごと吹き飛ばし、そのまま斬りかかる。
しかし、やはりというか、壁は固く攻撃は侵入者に届く事はなかった。
そして侵入者の放つ一撃は変わらず私の強固な盾と鎧を貫いて、確実に私の体へダメージを残してゆく。
長期戦に持ち込んだとしても勝つのは難しいだろう。
私以外に立っているのはセシル殿の護衛二人と、リーザ殿、ジェイド殿だけだ。
この会場に居た騎士は皆、もはや立つことも難しい。
「それでも!」
「しつこいんだよ! お前たちは!」
「レーニ・トゥーゼ!! お前のせいでセシル様は!」
「聖国の闇、ここで終わらせる!! セシル様の仇!!」
私が侵入者を空中へと弾き飛ばしたのを見て、セシル殿の護衛二人が同時に侵入者へ斬りかかった。
しかし、その姿が視界から完全に消えてしまう。
そして次の瞬間には遥か後方、エリカ殿たちが居る場所から声が聞こえるのだった。
「いい加減。お前たちの相手をしている場合じゃない。時間が無いんだ」
「っ!」
「セシルは肉体こそ失われたが、代わりの肉体ならある。あぁ、本当にちょうど良かった。ボロボロだったセシルの肉体も、お前の体を使えば、綺麗になるな。アリス・シア・イービルサイド。聖女の器を持つ者よ」
私がアリス殿の場所へ向かうよりも早く、侵入者は呆然としているアリス殿の首を掴むと、近くにいたアルバート殿下を吹き飛ばし、セシル殿のすぐ横にアリス殿を引きずり倒した。
「おっといけない。大事なセシルの体だ。傷つけてはいけないな。力加減は大事だ」
「アリスちゃんを離してください!」
「エリカとかいう小娘か。お前にはアメリアの器になってもらう。こい!」
「あっ!」
アリス殿を助けようとしたエリカ殿も捕まってしまい、アリス殿と同じ様に地面に押し倒される。
私たちはすぐに助けようと向かったが、先ほどよりも大きく広がった風の魔術により、もはや近づく事さえも出来なくなっていた。
何も出来ぬまま、侵入者の思うがままに事態は進んでゆく。
最悪だ。
しかし、私も聖女セシルの護衛も、ジェイド殿も、リーザ殿も、誰も近づく事すら出来ない。
そして侵入者が魔術で刃物を作り出すと、それを地面に拘束されているアリス殿に向けた。
「止めて!! アリスちゃん!! 逃げて!!」
「……っ、ごめん。恵梨香ちゃん」
「あーちゃん!!!」
「じゃあ、その体、使わせて貰うよ」
侵入者は真っすぐに刃物をアリス殿に刺した……次の瞬間、ガラスが割れる様な音と共に、世界が変わった。
戦闘で破壊されていた会場も、傷つき倒れていた筈の者たちも、皆何が起きているのか分からないという様な様子で立ち尽くしている。
そして何よりも、ナイフで刺された筈のアリス殿や地面に拘束されていたエリカ殿……一番最初に魔力弾で貫かれた筈のセシル殿が当たり前の様な顔をして、呆然としている侵入者の前に立っていたのだ。
「もう。何をしているんですか。レーニは」
「……は? セシルか?」
「私がセシル以外に見えるんだとしたら、重症です。もう! あれだけ言ったのに、またお酒を飲み過ぎたんですね?」
「いや、今日は……飲んでない、よ?」
「嘘ばっかり! お酒も飲んでないのに、こんなに暴れる人が居ますか! 偶然光の魔術で上手く被害は無くせましたけど、ちゃんと皆さんにごめんなさいしないと駄目ですよ」
「え? えと。ごめんなさい?」
「私に言ってどうするんですか。会場の皆さんに言わないと駄目じゃないですか。遠い所からわざわざ集まって下さっているのに。ほら、私も一緒に謝りますから」
「「ごめんなさい」」
……何が起きているのだろうか。
正直頭が付いて行かない。
だが、何かしらの奇跡をセシル殿が起こし、この会場で起こった事をレーニというエルフがちょっとやんちゃしただけという風に変えたという事は分かった。
おそらくはこの事で、エルフに対する差別や偏見が始まらぬ様に。そして平和への祈りが絶たれぬ様に、そう考えて奇跡を起こしたのだろう。
セシル殿が、あのエルフと共に謝る事で、もはやエルフを責める事の出来る者はいない。
何より何も被害が無いのだから怒りも何も無いだろう。
……凄い人だ。
伝説に残る様な方というのは、この様な方なのかもしれないな。
私は剣を収めながら、拍手の鳴り響く会場で、セシル殿が使った祝福の魔術……金色の光を浴びて拍手をするのだった。
聖女セシルの想いを称えて。
誰も、動く事すら出来なかった。
不意に現れた乱入者がアルバート殿下に攻撃を放った時も、それを庇ってセシル殿がアルバート殿下の前に飛び出した時も。
そして今、胸から血を溢れさせたセシル殿が、アルバート殿下の腕の中にゆっくりと倒れてゆくのも、私たちは見ている事しか出来なかった。
「セ、シル……?」
「エリカ嬢!! 治癒だ!! 急いでくれ!!」
しかし、完全に凍り付いていた私はアルバート殿下の声に自分を取り戻し、近くに居たエリカ殿を抱きかかえ、アルバート殿下の元へ跳ぶ。
侵入者にはセシル殿の護衛二人や、リーザ殿、そしてジェイド殿が向かっていく。
私は胸から血を流し、ぐったりとしているセシル殿に治癒の魔術を使っているエリカ殿を見ながら、侵入者がこちらへと向かってこない様に警戒を強めた。
「治って! 治って、治って!!」
「恵梨香お姉様っ! セシルさんは」
「なんで、なんで駄目なの? 起きて、ねぇ! 起きて下さい!!」
後ろから聞こえてくる絶望的な声に、私は歯を食いしばって侵入者を睨みつけた。
今日ここから始まるはずであった。
世界を一つにする為の集まり。
エリカ殿が、セシル殿が、アリス殿が願った世界を平和にする為の願い。
それが踏みにじられた。
何故私が動けなかったのか。失ってはならぬ者の盾としてここに居たハズだったのに! 何故だ!!
「ガーランド卿。ここは良い。侵入者の排除に向かえ。どうやら侵入者は相当な強者の様だ。あの四人でも厳しい様に見える」
「しかし」
「これは命令だ!! あの邪魔者をこれ以上生かしておくな!! セシル殿の想いを、無駄にして、世界国家連合議会も、冒険者組合も終わらせてなるものか! 侵入者を排除し、願いを繋げる。良いな!?」
「承知いたしました!」
珍しく、というよりも今まで見た事のないアルバート殿下の怒りを目にして、私は気合を入れ直す。
そして剣を抜き、侵入者の元へと向かった。
「覚悟!」
「っ、邪魔を……するな! 私はセシルの元へ行かないといけないんだ」
「行かせるか!」
「チッ。消えろ!!」
盾を構え、剣で斬りかかった私だったが、見えない壁に阻まれて侵入者への攻撃が通らない。
しかも敵はその中からセシル殿を貫いた魔力の収束弾を放ってくるのだ。
相当にやりずらい相手だった。
だが、それでも! 負けましたと言って終わらせて良い相手ではない。
どれほどに相手が強くとも、この戦いだけは勝たねばならない。
私は侵入者を囲むように騎士を集め、攻撃を集中させた。
そして、相手が騎士で視界が隠されている所に、リーザ殿や、セシル殿の護衛や、ジェイド殿が侵入者の使っている風の魔術を破壊するべく攻撃を繰り返すのだった。
しかし、やはり通らない。
侵入者が常に使っている魔術が固すぎる上に、一度破れても即座にそれを直してくるのだ。
しかもどれだけ同じ事を繰り返しても魔力切れを起こす様な気配も見えず、まさに化け物を相手にしている様な気分だった。
そしてその化け物を人間が相手出来る訳もなく、一人、また一人と騎士たちが倒れてゆく。
「数ばかり集まって、邪魔だ。セシルの元へ私は行かないといけないんだよ」
「何故、セシル殿を狙う!」
「何故だと? 母親が子を求めるのは当たり前だろう?」
「親だというのなら、何故セシル殿を傷つけた!」
「傷つけたかった訳じゃない。そうだ。お前たちがセシルに余計な事を吹き込んだのが全て悪いんだろうが」
「子は親の元を旅立つものだ! そしてそれはセシル殿も同じ! セシル殿はご自分の意思で、エリカ殿やアリス殿と手を取り合って、歩み出す覚悟を決めた!」
「煩い! 要らないんだそんな物は! 必要ない! セシルに必要なのは、私とアメリアだけなんだ!!」
「そんな狭い価値観で、彼女たちの邪魔をするな!!」
侵入者を風の魔術ごと吹き飛ばし、そのまま斬りかかる。
しかし、やはりというか、壁は固く攻撃は侵入者に届く事はなかった。
そして侵入者の放つ一撃は変わらず私の強固な盾と鎧を貫いて、確実に私の体へダメージを残してゆく。
長期戦に持ち込んだとしても勝つのは難しいだろう。
私以外に立っているのはセシル殿の護衛二人と、リーザ殿、ジェイド殿だけだ。
この会場に居た騎士は皆、もはや立つことも難しい。
「それでも!」
「しつこいんだよ! お前たちは!」
「レーニ・トゥーゼ!! お前のせいでセシル様は!」
「聖国の闇、ここで終わらせる!! セシル様の仇!!」
私が侵入者を空中へと弾き飛ばしたのを見て、セシル殿の護衛二人が同時に侵入者へ斬りかかった。
しかし、その姿が視界から完全に消えてしまう。
そして次の瞬間には遥か後方、エリカ殿たちが居る場所から声が聞こえるのだった。
「いい加減。お前たちの相手をしている場合じゃない。時間が無いんだ」
「っ!」
「セシルは肉体こそ失われたが、代わりの肉体ならある。あぁ、本当にちょうど良かった。ボロボロだったセシルの肉体も、お前の体を使えば、綺麗になるな。アリス・シア・イービルサイド。聖女の器を持つ者よ」
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「アリスちゃんを離してください!」
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「あっ!」
アリス殿を助けようとしたエリカ殿も捕まってしまい、アリス殿と同じ様に地面に押し倒される。
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何も出来ぬまま、侵入者の思うがままに事態は進んでゆく。
最悪だ。
しかし、私も聖女セシルの護衛も、ジェイド殿も、リーザ殿も、誰も近づく事すら出来ない。
そして侵入者が魔術で刃物を作り出すと、それを地面に拘束されているアリス殿に向けた。
「止めて!! アリスちゃん!! 逃げて!!」
「……っ、ごめん。恵梨香ちゃん」
「あーちゃん!!!」
「じゃあ、その体、使わせて貰うよ」
侵入者は真っすぐに刃物をアリス殿に刺した……次の瞬間、ガラスが割れる様な音と共に、世界が変わった。
戦闘で破壊されていた会場も、傷つき倒れていた筈の者たちも、皆何が起きているのか分からないという様な様子で立ち尽くしている。
そして何よりも、ナイフで刺された筈のアリス殿や地面に拘束されていたエリカ殿……一番最初に魔力弾で貫かれた筈のセシル殿が当たり前の様な顔をして、呆然としている侵入者の前に立っていたのだ。
「もう。何をしているんですか。レーニは」
「……は? セシルか?」
「私がセシル以外に見えるんだとしたら、重症です。もう! あれだけ言ったのに、またお酒を飲み過ぎたんですね?」
「いや、今日は……飲んでない、よ?」
「嘘ばっかり! お酒も飲んでないのに、こんなに暴れる人が居ますか! 偶然光の魔術で上手く被害は無くせましたけど、ちゃんと皆さんにごめんなさいしないと駄目ですよ」
「え? えと。ごめんなさい?」
「私に言ってどうするんですか。会場の皆さんに言わないと駄目じゃないですか。遠い所からわざわざ集まって下さっているのに。ほら、私も一緒に謝りますから」
「「ごめんなさい」」
……何が起きているのだろうか。
正直頭が付いて行かない。
だが、何かしらの奇跡をセシル殿が起こし、この会場で起こった事をレーニというエルフがちょっとやんちゃしただけという風に変えたという事は分かった。
おそらくはこの事で、エルフに対する差別や偏見が始まらぬ様に。そして平和への祈りが絶たれぬ様に、そう考えて奇跡を起こしたのだろう。
セシル殿が、あのエルフと共に謝る事で、もはやエルフを責める事の出来る者はいない。
何より何も被害が無いのだから怒りも何も無いだろう。
……凄い人だ。
伝説に残る様な方というのは、この様な方なのかもしれないな。
私は剣を収めながら、拍手の鳴り響く会場で、セシル殿が使った祝福の魔術……金色の光を浴びて拍手をするのだった。
聖女セシルの想いを称えて。
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