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第67話『世界を変えた一言』(ヤスミン視点)②
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「え?」
「聖女様はシーラ様?」
「シーラ様は聖女様?」
「シーラ様が、聖女様!」
「シーラ様が聖女様だったんだ!!」
「あ、いや、ちが」
「シーラ様は聖女様だ!!」
私は自分が間抜けにも呟いてしまった言葉がすごい勢いで広がってゆくのをみて、どうにかそれを止めようとしたが、無理だ。
止まらない。
加速的に広がっていく私から始まったデマは、瞬く間に体育館全体に広がってゆく。
「しかし、俺はあの子が聖女だと聞いたぞ?」
「確かに」
「私もそう聞いたわ」
「いや、しかし、あの勇猛果敢な姿を見ろ。あれはどう見ても聖女ではない」
「そうよね。聖女様ってもっと静かで、気高くて、優しくてって感じだもんね」
「つまり、どういう事だ?」
「もしかして、あの少女は聖女ではない……?」
「ならなんで聖女だなんて噂を流すんだよ」
「決まっているだろう! シーラ様が真実聖女様だからだ!!」
「っ! そ、そうか! 敵の狙いはシーラ様! そして、シーラ様はシーラ様である以上に聖女様だから、狙われた!」
「つまり、あの少女はそんなシーラ様を守る為に、自らを聖女だと言い、囮になろうとしていたのか!」
「なんという気高い少女だ!」
「私、知ってるわ! お婆ちゃんから聞いた昔話! 前に聖女様が現れた時、聖女様をお守りして、生涯乙女として仕えた従者が居たって! 戦乙女、戦乙女よ!」
「おぉ! 戦乙女レナ! そして聖女シーラ様!!」
「なんてこった! 俺たちは今、伝説の中に居るのか!!」
「うぉぉぉおお!! シーラ様万歳! レナ様万歳!!」
「……」
やったー!!
やらかしたー!!
お母様に、貴女の妄想癖はいつかとんでもない事をやらかすわよ。と言われ続けて十七年!
遂に娘はとんでもない場所で、とんでもないやらかしをしましたー!!
親友であるレナに何という事を……を?
ふと、私は壇上に立っているレナを見ていたのだが、聖女ではなく、戦乙女だと呼ばれているのに……喜んでいる様に見える?
そんなバカな。
いや、だって聖女様だよ?
全乙女の憧れ聖女様だよ?
そんな聖女様より、戦乙女の方が良いなんて、そんな事。
「聖女様はシーラ様?」
「シーラ様は聖女様?」
「シーラ様が、聖女様!」
「シーラ様が聖女様だったんだ!!」
「あ、いや、ちが」
「シーラ様は聖女様だ!!」
私は自分が間抜けにも呟いてしまった言葉がすごい勢いで広がってゆくのをみて、どうにかそれを止めようとしたが、無理だ。
止まらない。
加速的に広がっていく私から始まったデマは、瞬く間に体育館全体に広がってゆく。
「しかし、俺はあの子が聖女だと聞いたぞ?」
「確かに」
「私もそう聞いたわ」
「いや、しかし、あの勇猛果敢な姿を見ろ。あれはどう見ても聖女ではない」
「そうよね。聖女様ってもっと静かで、気高くて、優しくてって感じだもんね」
「つまり、どういう事だ?」
「もしかして、あの少女は聖女ではない……?」
「ならなんで聖女だなんて噂を流すんだよ」
「決まっているだろう! シーラ様が真実聖女様だからだ!!」
「っ! そ、そうか! 敵の狙いはシーラ様! そして、シーラ様はシーラ様である以上に聖女様だから、狙われた!」
「つまり、あの少女はそんなシーラ様を守る為に、自らを聖女だと言い、囮になろうとしていたのか!」
「なんという気高い少女だ!」
「私、知ってるわ! お婆ちゃんから聞いた昔話! 前に聖女様が現れた時、聖女様をお守りして、生涯乙女として仕えた従者が居たって! 戦乙女、戦乙女よ!」
「おぉ! 戦乙女レナ! そして聖女シーラ様!!」
「なんてこった! 俺たちは今、伝説の中に居るのか!!」
「うぉぉぉおお!! シーラ様万歳! レナ様万歳!!」
「……」
やったー!!
やらかしたー!!
お母様に、貴女の妄想癖はいつかとんでもない事をやらかすわよ。と言われ続けて十七年!
遂に娘はとんでもない場所で、とんでもないやらかしをしましたー!!
親友であるレナに何という事を……を?
ふと、私は壇上に立っているレナを見ていたのだが、聖女ではなく、戦乙女だと呼ばれているのに……喜んでいる様に見える?
そんなバカな。
いや、だって聖女様だよ?
全乙女の憧れ聖女様だよ?
そんな聖女様より、戦乙女の方が良いなんて、そんな事。
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