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第66話『陰謀の真実』(レナ視点)③

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「私が思うに、敵はシーラ様を有能幼女秘書にするつもりだと思うわ。大して急ぎでもない仕事をあたかも急ぎの様に語って、シーラ様を走らせるのよ」

「いや違う! 敵は芸術家に違いない! シーラ様をモデルにした絵を彫刻を作るつもりなんだ!」

「それならお願いすれば良いだけだろ! 敵はシーラ様に家庭教師をやらせるつもりなのだ! 見た目は小さいお姉さん家庭教師に、こんな所も分からないんですか? しょうがないですね。と教えをだな」

「それなら生意気シーラ様が私は好きかな。こんな魔法も使えないんですか? って見下されたいわぁ」

「わかる」

「しかし、それだとシーラ様を分からせる事が出来ないじゃないか。生意気からは分からせが良いと長年の研究で分かっている事だろう?」

「別に魔法以外なら何でも分からせは出来るでしょ? 魔法だけ優位に立てるから必死に魔法の事を訴えるのが良いんじゃない」

「うーん。神」

「ここに天才が居るぞ!」

会場はあっちもこっちも大騒ぎである。

しかし、これも仕方がない事だ。

敵を特定すれば、自ずと戦い方も見えてくる。

「あの。レナちゃん? 敵の狙いはレナちゃんだと思うんですけど」

「シーラちゃんは黙ってて。今大事な話してるから」

「う……またこの扱い。ぶー。いじけちゃいますよ。私」

構ってちゃんなシーラちゃんの頭を撫でながら、私はハッと思いついた事を口にした。

「分かった!!」

「何がですか?」

「敵の狙いだよ。それに敵の正体!」

私は拡声魔法で声を大きくしながら叫んだ。

「敵の正体が分かった!」

そしてその声に全員が黙る。

私はその静寂に包まれた体育館で声を上げた。

「敵の正体は宵闇の魔王! 狙いはシーラちゃんを恋人にする事なんだ!」

「な、なんだって」

「そんな恐れ多い」

「それは本当なのか!? 少女レナ!」

「うん。だって、私は一度その宵闇の魔王の魔王に会ってるから。そして、その時見えたんだ。魔王の気持ちが」

「……」

「それは恋! あの魔王はシーラちゃんに恋をしてるんだ!!」

私は間違いないと声をあげ、全員が事態の重要さに拳を握りしめた。

緊迫した空気が溢れてゆく。

恐らくはここに居る誰もが一度は夢を見たであろうシーラちゃんと恋人になるという夢。

それをこんな形で無理矢理叶えようとする敵への怒り、殺意。

「……戦おう」

「あぁ」

「そうだな!」

「こんな形で想いを叶えようなんて、許せない! みんな! 今こそ立ち上がる時だ!」

私は右手を天高く振り上げて、戦いの意思を示すのだった。
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