愛され転生エルフの救済日記

とーふ(代理カナタ)

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第60話『恋と、愛と、友情と』(レナ視点)①

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(レナ視点)



ルイ君という友達が出来てから、少しずつ騒がしい物に変わっていった。

というのも、ルイ君が活発なタイプの子だという事もあるが、ルイ君と共にいる事で、ナルシス君やトリスタンも近づいてくるからだ。

そして、ルイ君が私と一緒にご飯を食べていても、中庭で本を読んでいても、そこに近づいてきて共に過ごそうとする。

実に面倒な話だ。

そう。面倒な話なのだ。

「はいはい。モテ自慢ですか? レナ様」

「そういうんじゃないから! 別にシーラちゃん以外にどう思われてようが、どうでも良いっていうか!」

「はぁはぁ。さようでございますか。そういうのもさ。顔真っ赤にしながら言われると、なーんの説得力も無いワケよ」

「っ!」

私は両手で頬を押さえながら、ジト目のヤスミンから少し離れる。

が、ベッドに座っている以上、少し後ろに逃げた所で、大して離れる事は出来ない訳だが。

「それで? レナは誰が本命なの?」

「……シーラちゃん」

「そういうのは良いから」

「だって! 嘘じゃないもん! シーラちゃんが一番好きだもん!」

「はぁ、なるほど? まぁ、レナがそういう情緒が育ってないのは何となく分かってるけどさ。いつまでもそう言い続ける事も出来ないよ?」

「……」

「それとも、そうやって言って、三人の想いを切り捨てる? それがレナは正しい事だって思ってるの?」

「うぅ……そうじゃないけど」

「なら真剣に考えなさいな。三人は真剣に貴女を想っているんだから」

「……うん」

私は膝を抱えながら、頷く。

しかし、考えろと言われても、困ってしまう。

何せ、こんな気持ちになるのは初めてなのだ。

「……ヤスミン」

「なんでしょうか? お姫様」

「ヤスミンは恋ってした事ある?」

「そりゃあるわよ。それこそ沢山ね」

「そうなの!?」

「これでも私は乙女として生きてきておりますからねぇ。どっかのシーラ様にべったりだった子とは違って」

「……」

「そんな睨まないでよ。冗談だから。まぁ、私だって恥ずかしいからさ。こういう話するの」
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