愛され転生エルフの救済日記

とーふ(代理カナタ)

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第55話『芽生え』(レナ視点)③

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私は正直欠片も興味が無いため、不満をまき散らしたが、シーラちゃんはまぁまぁと笑いながら私の背を押す。

そんなシーラちゃんの行動に私はため息を吐きながら頷くのだった。

「それで? お二人は何でここに?」

「「レナが心配だったからに決まっている」」

声を揃えないで欲しい。

ただでさえ、なんか暑苦しいから。

「心配って言われてもね。私はこうして元気にしてるし」

「しかし、倒れただろう?」

「魔力の使い過ぎだね」

「相当激しい戦闘だったぞ」

「まぁ、相手も強かったからね」

なんでこの人らは交互に話しかけてくるんだ。

私だけ息継ぎをするタイミングが無いんだけど。

「終わり? 終わりなら私はもう寝たいんだけど。疲れたし。今からシーラちゃんの部屋に行かなきゃだし」

「自室でも良いのでは無いでしょうか」

「何かあったらどうするの!? シーラちゃんは心配じゃないの!?」

「いえ。体を調べましたが、何の異常もありませんでしたよ」

「……シーラちゃんは私の事が心配じゃないの!!?」

「いや、だから、その」

「シーラちゃんは私の事が心配じゃないの!!?」

「分かりました。分かりましたから。今日だけですよ?」

「いえーい」

「レナ。アンタ……」

「別に良いじゃん。たまにはさ。という訳で、私はシーラちゃんの部屋に帰るから。二人ももう帰んなよ」

「しかし」

「でもでもだって。って言ってもやれる事なんて何もないよ? それにさ。トリスタンだって決闘で疲れてんでしょうが。ナルシス君はまぁ疲れてないかもしれないけどさ。自分の部屋に帰って休みな。はい。解散!」

私はそう言って、全員を解散させた後、シーラちゃんの部屋に潜り込んだ。



そして、潜り込んで早々に私のぬいぐるみを抱きしめて、シーラちゃんに叫ぶ。

「ねぇ! シーラちゃん! 決闘って何なの!?」

「今まで知らないでやってたんですか?」

「だって、挑まれて逃げるとか出来ないじゃん」

「逃げても恥では無いと思いますが」

「トリスタンが言ってたんだよ! 決闘を挑むのはその相手が好きだからって! じゃあ、今までのも全部そうって事!?」

私はぬいぐるみを強く抱きしめて叫ぶ。

医務室では冷静に話をしていたが、正直よく平静に会話が出来たなと自分を褒めたくなる。

「な、ナルシス君なんて負かしても、負かしても挑んできたんだよ!? どんだけ私の事が好きなんだよ! トリスタンだって! 私を怒らせて冷静さを奪った挙句にとんでもなく手間がかかる魔法まで使ってきて! あー! もう!!」

「レナちゃんも色々と大変ですねぇ」

「まったくだよ! こんなの、初めてで! もう! もう!! だよ!!」
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