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第36話『俺様と私様』③

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あぁ、またここから喧嘩か。

これが学級崩壊。まさか異世界でこんな事を知ってしまうなんて。

「あぁ、そうだな。申し訳ございません。シーラ様」

「……」

いや、なんでやねーん。

教室に居た全員がびっくりするくらいの速さで椅子に座り、姿勢を正して私を見る。

いっそ怖いけど。

何? 私は神かなにかなの?

……。うぅ、深くは考えない様にしよう。

「皆さん。それぞれの考え方、生き方があり、意見が合わない事もあるのは分かります。ですが、どうか表面的な事情や言動だけで相手を判断せず、どうしてそういう考えをするのか、理解してゆく事も大事だと私は考えます」

「……」

「まぁ、とはいってもどうしても合わない方が居るのも事実。そういう場合は、無理に排除しようとせず、そこにいる事だけは認めて下さると、世界は少しだけ平和になるかな。と考える次第です。はい」

なんて。それっぽい言葉を言ってみたけれど。

まぁ、言われてすぐに変わる様なら苦労はしない……。

「はい! シーラ様!」

「うん。分かったよ。シーラちゃん。ナルシス君だっけ。さっきはごめんね。私、言い過ぎてたよ」

「あぁ、私もだ。すまなかったな……レナさん」

「良いよ」

って、もう仲直りしてる!!

早っ!

でも、そうか。そうだよね。元は良い子たちだもんね。

なんかこう、色々と気分が悪いとか、色々とあってぶつかってただけなんだろうなぁ。

良かった。良かった。

私は楽しい気分になり、ニコニコと笑いながら授業を行った。

私の魔法の授業はそれなりに好評らしく、今日も今日とて好評のまま終わるのだった。



しかし、授業が終わってからふと一つの疑問が頭に浮かんだ。

それはレナちゃんとナルシス君の恋の行方である。

私はなるべく喧嘩とかが無いようにと言ったのだけれど、ゲームでも何かとぶつかっていた様な気もするのだ。

その度に周りは二人を注意していた。

でも、でも! 二人とも本当は喧嘩をしつつ、互いを認めていたのだ。

相手を認めていたからこそ、二人はぶつかり合っていた。

喧嘩ップルという奴かな。

最大のライバルであり、最愛の相手とでも言うのだろうか。

つまりはそういう相手だった訳だが……もしかして、私のせいで二人が恋愛をする切っ掛けを奪ってしまったのではないだろうか!

あぁ! だとしたら非常に申し訳ない!

でもそれを確認する事も出来ないし。

うぐぐ。どうすれば良いんだ! 私は!!
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