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第33話『風紀の乱れ』④

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「まさか、シーラ様も目撃されたのですか?」

「あ、いえ。私は、その、手を繋いでる人が居るな。くらいで」

「なるほど。承知いたしました。では今後、その様な行為を行っている者は学園より永久追放でよろしいでしょうか? 他者との意味のない接触をした者は全て排除と」

「意味のない、接触ですか?」

「はい。授業に関係なく、触れた場合は永久追放です」

「いやいやいや! そこまでは必要ないかと思いますが!?」

「しかし、シーラ様の視界に入る可能性がある以上、危険な芽は取り除くべきかと」

「極端すぎです! とにかく、その、極端に風紀が乱れるような行為は気にしてください! それだけです!」

「シーラ様。具体的にどの程度までは良いのでしょうか?」

「ぐ、具体的に?」

「はい。具体的に」

「え、いや、それは、その、その……」

「その?」

「なんか、その、え、エッチなのは……良くないと思います」

「ふむ。なるほど。分かりました。では判断はこちらで行いますが、よろしいですか?」

「それは、はい。お願いしたいですが……でも、でも! 手を繋いだりとかは良いと思います。それに、その、き、キスとかも、その、気持ちが伝わった時は、あると思いますし、その、あんまり規制するのは良くないかなって」

「はい。承知いたしました。では後はこちらで」

「あ、はい。後はお願いします。あ、でも、どういう風に決まったかは教えてもらえると」

「では、後はこちらで」

「あの!?」

「後はこちらで。ではシーラ様。お帰りはあちらです」

それから何度か同じことを繰り返したが、結局会議室から追い出されてしまい、それからどうなったのか分からなかった。

でも、まぁ、キスまでは大丈夫にしてってお願いしたし。

これで乙女ゲームの世界は守られたと思う。

……あれ? でもなんかピンチの時とか、抱き着いてたような気もする。

その辺りも、禁止しちゃ駄目かもしれないです!!

私はそれから急いで会議室へ戻るのだった。
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