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第32話『その少女は未来を望む』③
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いや、そっちは別に疑っていない。
だって、子供の時からずっとシーラちゃんに魔法を教わっているから。
いつかシーラちゃんと並び立ちたくて、頑張ってきたから。
その辺りの奴には負けない。そういう自信はある。
でも、そうじゃない。そうじゃないのだ。
気になっているライバルは、シーラちゃんをめぐるライバルだ。
何せ、シーラちゃんはこの村の中ですら、終ぞ自分に向けられる好意に気づかなかったほど鈍いのだ。
どうせ、その学園やら孤児院やらにもライバルはいっぱいいるのだろうと思う。
しかし、負けない。負けたくはない。
「シーラちゃん。私必ず勝って見せるからね!」
「はい。応援していますよ!」
「……」
ふと、真剣な表情で私を応援してくれるシーラちゃんを見て、悪い考えが浮かんだ。
そうだ。
「シーラちゃん。私ね。本当は凄く不安なの。学園に入れないかもしれないって。入れなかったら、私、独りぼっちで生きてかなきゃいけなくなるんでしょ……? その男の子達にも会えなくなっちゃう」
「だ、大丈夫ですよ! 私が付いてますから!」
「……ねぇ、シーラちゃん。私、頑張って学園に入れたら、ご褒美が欲しいな」
「ご褒美ですか? それはどんな……?」
「それは、言えないけど。ほら、男の子の事とか、色々あるじゃない? だから、今はまだ言えなくて」
「あ! そ、そうですよね! はい、分かります」
「だから、約束だけ、して欲しいの。私が学園に入学する事が出来たら、シーラちゃんが私の言う事、なんでもきいてくれるって」
「分かりました! お任せください!」
私はシーラちゃんと約束をしながら、見えない所でニヤリと笑った。
本当にシーラちゃんは甘い。
こうやって色々な所で騙されているんだろうなと思いながら、私は自分の事は棚に上げて、シーラちゃんを守ろうと心に誓うのだった。
そして、生まれ育った家とママに別れを告げて、私はシーラちゃんとの新しい生活を送るべくムイゼンという町へ向かう事になった。
まずは、孤児院の掌握だ。
そこにどれだけシーラちゃんを巡るライバルが居るのかは分からないけど、仲間は増やしておく方がいい。
最高のハッピーエンドを迎える為に。
私、新しい町でも頑張るよ! ママ!
だって、子供の時からずっとシーラちゃんに魔法を教わっているから。
いつかシーラちゃんと並び立ちたくて、頑張ってきたから。
その辺りの奴には負けない。そういう自信はある。
でも、そうじゃない。そうじゃないのだ。
気になっているライバルは、シーラちゃんをめぐるライバルだ。
何せ、シーラちゃんはこの村の中ですら、終ぞ自分に向けられる好意に気づかなかったほど鈍いのだ。
どうせ、その学園やら孤児院やらにもライバルはいっぱいいるのだろうと思う。
しかし、負けない。負けたくはない。
「シーラちゃん。私必ず勝って見せるからね!」
「はい。応援していますよ!」
「……」
ふと、真剣な表情で私を応援してくれるシーラちゃんを見て、悪い考えが浮かんだ。
そうだ。
「シーラちゃん。私ね。本当は凄く不安なの。学園に入れないかもしれないって。入れなかったら、私、独りぼっちで生きてかなきゃいけなくなるんでしょ……? その男の子達にも会えなくなっちゃう」
「だ、大丈夫ですよ! 私が付いてますから!」
「……ねぇ、シーラちゃん。私、頑張って学園に入れたら、ご褒美が欲しいな」
「ご褒美ですか? それはどんな……?」
「それは、言えないけど。ほら、男の子の事とか、色々あるじゃない? だから、今はまだ言えなくて」
「あ! そ、そうですよね! はい、分かります」
「だから、約束だけ、して欲しいの。私が学園に入学する事が出来たら、シーラちゃんが私の言う事、なんでもきいてくれるって」
「分かりました! お任せください!」
私はシーラちゃんと約束をしながら、見えない所でニヤリと笑った。
本当にシーラちゃんは甘い。
こうやって色々な所で騙されているんだろうなと思いながら、私は自分の事は棚に上げて、シーラちゃんを守ろうと心に誓うのだった。
そして、生まれ育った家とママに別れを告げて、私はシーラちゃんとの新しい生活を送るべくムイゼンという町へ向かう事になった。
まずは、孤児院の掌握だ。
そこにどれだけシーラちゃんを巡るライバルが居るのかは分からないけど、仲間は増やしておく方がいい。
最高のハッピーエンドを迎える為に。
私、新しい町でも頑張るよ! ママ!
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