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第18話『愛よ。走り出せ』(ジェイク視点)②
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「オリヴァー」
「……! はい」
そして、オリヴァーもその空気を感じ取ったのか、先ほどまでのふざけた様子はなく、真剣な表情で俺に視線を返した。
「お前に命令を下す」
「はい」
「明日の早朝にここを発ち、ムイゼンへ向かえ」
「……」
「そして、騎士として。シーラ様を御守りしろ」
「ハッ!」
姿勢を正し、敬礼をするオリヴァーに頼もしさを感じながら、俺は続いて共有しなくてはいけない事項を話してゆくのだった。
そう。これはシーラ様がムイゼンで活動をする様になってから始まった動きであり、これからシーラ様の周りで何かが起きる予兆でもあった。
「シーラ様の護衛をする上で、お前に共有しておく事がある」
「……」
「シーラ様の活動時期と合わせて、ムイゼンの周辺地区で魔王の活動が確認された」
「まさか!?」
「あぁ。そのまさかだ。魔王の狙いはおそらくシーラ様と思われる」
「しかし妙ですね。魔王とエルフは歴史的に見てもそれほど親しい間という訳でも、敵対関係という訳でもありませんが」
「物事に例外というのは付き物だ。そもそもからして、シーラ様は人に近しいエルフだろう? ならば、そんなシーラ様に興味を持つ魔王が現れたとしても、それほどおかしな話でも無いだろう」
「それは確かにそうですね」
「という訳だ。オリヴァー。対魔王戦も意識しつつ、ムイゼンへ向かえ」
俺はそうオリヴァーへ命令し、反応を待っていたのだが、どうもオリヴァーの反応が悪い。
「どうした? オリヴァー。怖気づいたか?」
「あ、いえ。対魔王戦装備とは何だろうかと考えてました」
「そりゃお前。気合いだよ。気合い」
「気合ぃ~?」
「魔王ってのは人知を超えた存在だからな。生半可な覚悟じゃあ魔王と戦う事すら出来ん」
「まぁ、それはそうですけど」
「魔王が、現れ戦闘を行うと、魔物がその強大な魔力から逃れる様に大移動を始め、その大移動に巻き込まれると町や都市が壊滅すると言われています」
「いやいや。そんなのどうしたら良いんですか。何か対策は無いんですか?」
「ない! 魔王に対して有効な武器も無いし。奴ら、例えその体を完全に破壊したとしても、時間が経てば復活してしまう。故に、魔王への有効な攻撃手段などはないのだ」
「……それじゃあ人類には勝てないのでは?」
「あぁ。そうだろうな。だからこそ、魔王と戦う際には気合が必要だと言っている」
「はぁ……まるで参考にならないですね」
「神話の化け物だからな。そういうモンだ。まぁ、どうしても嫌だというのなら、お前以外の人間を選定するが? シーラ様の護衛など、例え確実に将来死ぬとしても希望者多数だろうからな」
「いえ!! このオリヴァー! 謹んで任務を受けさせていただきますっ!!」
「よろしい。では準備をしてこい」
「承知いたしましたァ!!」
「……! はい」
そして、オリヴァーもその空気を感じ取ったのか、先ほどまでのふざけた様子はなく、真剣な表情で俺に視線を返した。
「お前に命令を下す」
「はい」
「明日の早朝にここを発ち、ムイゼンへ向かえ」
「……」
「そして、騎士として。シーラ様を御守りしろ」
「ハッ!」
姿勢を正し、敬礼をするオリヴァーに頼もしさを感じながら、俺は続いて共有しなくてはいけない事項を話してゆくのだった。
そう。これはシーラ様がムイゼンで活動をする様になってから始まった動きであり、これからシーラ様の周りで何かが起きる予兆でもあった。
「シーラ様の護衛をする上で、お前に共有しておく事がある」
「……」
「シーラ様の活動時期と合わせて、ムイゼンの周辺地区で魔王の活動が確認された」
「まさか!?」
「あぁ。そのまさかだ。魔王の狙いはおそらくシーラ様と思われる」
「しかし妙ですね。魔王とエルフは歴史的に見てもそれほど親しい間という訳でも、敵対関係という訳でもありませんが」
「物事に例外というのは付き物だ。そもそもからして、シーラ様は人に近しいエルフだろう? ならば、そんなシーラ様に興味を持つ魔王が現れたとしても、それほどおかしな話でも無いだろう」
「それは確かにそうですね」
「という訳だ。オリヴァー。対魔王戦も意識しつつ、ムイゼンへ向かえ」
俺はそうオリヴァーへ命令し、反応を待っていたのだが、どうもオリヴァーの反応が悪い。
「どうした? オリヴァー。怖気づいたか?」
「あ、いえ。対魔王戦装備とは何だろうかと考えてました」
「そりゃお前。気合いだよ。気合い」
「気合ぃ~?」
「魔王ってのは人知を超えた存在だからな。生半可な覚悟じゃあ魔王と戦う事すら出来ん」
「まぁ、それはそうですけど」
「魔王が、現れ戦闘を行うと、魔物がその強大な魔力から逃れる様に大移動を始め、その大移動に巻き込まれると町や都市が壊滅すると言われています」
「いやいや。そんなのどうしたら良いんですか。何か対策は無いんですか?」
「ない! 魔王に対して有効な武器も無いし。奴ら、例えその体を完全に破壊したとしても、時間が経てば復活してしまう。故に、魔王への有効な攻撃手段などはないのだ」
「……それじゃあ人類には勝てないのでは?」
「あぁ。そうだろうな。だからこそ、魔王と戦う際には気合が必要だと言っている」
「はぁ……まるで参考にならないですね」
「神話の化け物だからな。そういうモンだ。まぁ、どうしても嫌だというのなら、お前以外の人間を選定するが? シーラ様の護衛など、例え確実に将来死ぬとしても希望者多数だろうからな」
「いえ!! このオリヴァー! 謹んで任務を受けさせていただきますっ!!」
「よろしい。では準備をしてこい」
「承知いたしましたァ!!」
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