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第3話『王都は良い所。みんなおいで』③

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と、意気揚々と向かったのは良いのだけれど。

あれよあれよという間に、王都へ着いた私たちは、何も分からぬまま王城へと案内されて、気が付けば何やら偉い人達を集めての会議に参加させられていた。

いや、私だってね? 最初は断ろうとしたよ?

でもさ。私が参加しようかな。どうしようかな。みたいな雰囲気を出してたら、王様たちが「え? コイツ、マジで出ないの? マジで?」みたいな顔してたんだもん!

出るしか無いじゃん!

結果として、なんか良く分からない国名とか地域とか人の名前とか、多分その地方の風習とか宗教とかの話を絡めた会議に参加させられているという訳なのだけれども。

正直何も分からん。

ルシのパルスのファルシのパージでコクーン、って感じだ。

エルフの里でこの世界の言語はある程度習得したけれど、言語をいくら使える様になっても、文化とか歴史とかそういうのも理解しないと何も分からないんだな。とよく理解出来た。

「……シーラ様」

「っ!? は、はい!」

「シーラ様のご意見をお伺いしたい」

「え、えと……あの、申し訳ございません。私、エルフの里から出てきたばかりで、世界の事はよく分かっていなくて」

「そうですか」

「は、はひ」

「ふむ。これは本件とは関係ない話なのですが、エルフの里はどの様な場所なのでしょうか。シーラ様以外にもエルフの方はいらっしゃったのですよね?」

「え、えぇ。姉の様な親の様な方ばかりでしたが、居ました」

「その方との交流はどの様に?」

「い、え、っと、普通に?」

「普通、ですか」

「はい。普通です」

「料理などは、どの様な物を」

「えと、エルフ料理を少々」

「エルフ料理、ですか。それはどの様な物なのでしょうか」

「え、えぇーっと、そのオフチョベットしたテフをマブガッドしてリットして、最終的に焼く感じで」

「……なるほど」

大臣さんっぽい人からの質問を何とかかわし、私は再びニコニコ笑うお人形さんになって会議を静かに眺めるのだった。

マジで許して欲しい。

この世界の事は何でも知ってるつもりになってたけど、分からない事だらけなのよ。

だから何を言われても、そうですね。って言うぞ。

イエス。イエス。イエス。

君が思うよりも、きっと私はイエスマン。
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