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第8話『まぁ、この程度は大した敵じゃない』 3/3

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そして極めつけは。

「っ!? こ、この足音はかなり大型の魔物! 恐らくはジャイアントベアーでは無いでしょうか!? 都市近くの森に住まう大型の魔物はその多くがジャイアントベアーと言われております! 気を付けてください! 彼らの獰猛な生態は」

「なるほどクマか。シュン。いけるか?」

「あぁ。夕飯にちょうど良いな」

「並みの冒険者では……って、え?」

シュンさんが地響きのしている方へ走って行き、次の瞬間には大きな地鳴りと共に何かの悲鳴が森に響いた。

そして、それから少ししてシュンさんが、私たちの前にクマを持って帰ってくるのだった。

そんな!!

そのクマ、確かに危険度だけで言うならBランクですけど! かなり獰猛な魔物で、執念深く、しかも頭もそれなりに良いため、依頼を受けた訳じゃないのなら、目をくらませてから逃げろというのが常識なんですけど。

Aランクのチームですら準備不足では全滅するとすら言われる魔物なんですけど!?

「中々デカいな」

「うむ。これなら、数日は食料にも困らないだろう」

「それは違いない! ワッハッハ」

だというのに! それなのに!!

この人たちは当たり前の様にそんな危険な魔物を倒して、あげくにご飯にしようと言うのだ。

信じられない。

「じゃあ、どうするか。焼くか?」

「まぁ、それが良いだろう」

「ちょーっと待ってください! そのまま焼いてはいけません! 固くなりますよ! それに臭みも強い! ジャイアントベアーにはしっかりとした調理法があるのです!」

「ほぅ」

「では、頼めるか? ミラ」

「はい!! お任せください!!」

来た! 来た!

私の出番だ!

やっぱり知識がいっぱいある人というのは、必ず役に立つのだ。

力ばっかりじゃ、美味しくないご飯しか食べられないし、地図を見る事が出来なければ、迷ったまま目的地に辿り着く事も出来ない!

そう。知識は力なのだ。

という訳で、私はオーロさんと一緒に、臭み消しと肉を柔らかくする為の薬草を探すべく森の中を探索し、シュンさんには火をお願いする。

そして最高の夕食を作り、食べられない分は保存食にするのだった。
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