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第7話『君が今代の聖女か。アメリアの子だね。つまりは私の子だ』 2/3

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「これから先に、ミラしか出来ない事は沢山あるんだ。こういう時は大人しくしておけ」

「っ! 私にしか、出来ない事……! はい! 分かりました!」

私はキュッと体を小さくして、オーロさんにしがみ付く。

なるべく邪魔にならないようにだ。

しかし、そんな私の行動も虚しく、私たちは大きな壁に阻まれた城壁の端に追いやられてしまう。

周囲には多くの騎士さん達が、怖い顔で私たちを睨みつけていた。

そして、その奥から現れたのはセオドラー王太子殿下と……お兄様であった。

「殿下! それに、お兄様!?」

「あぁ、久しいね。ミラ。愛しのミラ。会いたかったよ。出来れば、こんな形ではなく……ね」

「だから言ったのだ。早く婚約をして王宮に住まわせるべきであると」

「セオ。前にも言ったけどね。ミラを護るという意見には賛成だけど、可愛い妹を君に渡す事を許可した覚えはないよ」

いつもの様に言い合いをする二人を見ながら、私は何とかこの場から逃げる方法はないかと考えていたが、やはりというべきか。布陣に隙が無い。

いくらオーロさんやシュンさんが凄く強くても、私が居ては上手く戦えないだろうし。騎士さんだって百人以上集まっているのだ。

しかも近衛騎士団の騎士団長。ガーランド様まで居る。

なんで、こんなに全力なんだ!

「何か良い手はあるか? オーロ」

「無くはないが、ミラが居ては難しいな」

「そうか。なら……」

「あの。オーロさん。シュンさん。私を人質にするというのは如何でしょうか? 一応伯爵家の娘ですので、それなりに人質価値はありそうですが」

「「お前は黙ってろ」」

「……はひ」

何でだ。名案だと思ったのに。

なら、交渉でどうにかしようと私は声を上げた。

「お兄様! 殿下! 何故この様な所に!」

「君が誘拐されたとメイラー伯爵から聞いてな。急ぎ人を集めたのだ! 当然だろう! まぁ、誘拐というには少々違う様だがな」

「ミラ! その人たちは危険だ。離れなさい。ほら。お兄様の所は安全だから。ここへ帰って来なさい!」

「そんな、こんな早く連絡が王都まで来るなんて……転移魔術の使い手は、伯爵家には居なかったハズなのに」

「ポータルを使ったんだ。ミラ」

「ポータル!!? まさかこんな事の為に使ったのですか!?」

私はお兄様の答えに思わず大声を上げてしまった。

ポータルとは設置型の転移門の事で、荷物や人など、転移門が置かれている場所同士を転移魔術で移動する事が出来る、大賢者ドラスケラウの発明だが、使う為には膨大な魔力が必要なため、緊急時以外は使えないハズなのだ。
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