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第6話『一つルールを作ろうか。ミラ』 1/3

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朝! 朝である!!

空気が僅かに湿っていて、吸い込んだ息は喉を通り、胸が僅かに冷たくなる。

外の朝というのは、こんなにも清々しい物なのか! と私は感動で飛び跳ねそうだった。

しかし、自重する。

何故ならオーロさんとシュンさんが、共に夢の世界へ行っているからだ。

眠っているのを邪魔するのは良くないだろう。

という訳で、二人が起きるまで何をしようか。

……。

「探検をしましょうか」

「駄目に決まっているだろう」

「ひぅっ!?」

高い木々に囲まれた森の中で、立ち上がり拳を握り締めた私の背後から聞こえてきた声に、私は思わず飛び跳ねた。

そして口を塞ぎながら振り向くと、目を覚ましているオーロさんがやや呆れた様な顔で私を見ていた。

「一つルールを作ろうか。ミラ」

「るーる。ですか?」

「そう。ルールだ。ミラ。君はどんな場所であろうとも、決して一人では行動しない事」

「え、えと、その」

「ん?」

「あの、お手洗いとかは」

「あぁ、そうだな。それはまぁ……離れた場所でやると良い」

「分かりました……あれ? でもお手洗いで離れても良いのなら、普段もそう変わらないのでは? 同じくらいの冒険ですよね?」

「まぁ、そうだな。それは確かだ。君が離れても気配で何をしているか分かっているからな。同じと言えば同じだ」

「気配で……。そうですか。ん? 気配で何をしているか分かる?」

私はこの広い森の中で、そういう事をしている時に、その姿を分かっていると言われた様な気がして、目の前が真っ赤になってしまった。

そして頭が熱くなり、意味不明な言葉が口から洩れる。

「~~~!!!?!?」

訳も分からず、オーロさんの鎧を叩き、文句を言う。

しかし、そんな私に追い打ちをかける様に、いつの間にか起きていたシュンさんが酷い一言を放つのだった。

「そんなに気にしなくても、子供に興味などない」

「っ!!! っ!!!!!!!」

言葉はない。だが、怒りは確かに全身にみなぎっていた。
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