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第4話『ミラ。君の夢はなんだ?』 4/4
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私は思わず独り言を呟いて、笑ったのだが、そんな私の姿をオーロさんとシュンさんが見て笑っており、私は思わず恥ずかしくなって、お皿で顔を隠しながら静かにご飯を食べるのだった。
「あー。そういやシュン。お前、逃げる時、何をやったんだ? フレヤ・ジェリン・メイラーと言えば、光速の剣術で名を売ったが、それ以上に、化け物じみた魔力から放たれる高威力の魔術が脅威って有名でな。そうそう容易く防げるもんでもないぞ」
「それか。それならコイツだ」
お皿に顔を隠しながらそっと二人の会話を覗き見ていると、シュンさんが一本の剣を取り出した。
湾曲した、普通の剣よりも細身の剣。
「これは神刀『如月』と言うんだが、神刀には魔力を通さない性質があってな。コイツを魔術に当てれば、そのまま破壊出来るという訳だ」
「それは……凄いな。ふむ。なるほど、魔術なんて繊細なモンに、魔力の結合と配置をぶっ壊す何かをぶつければ、魔術は壊れるって訳か。神の刀なんて呼ばれる訳だな」
「まぁな」
私は二人の話を聞いていて、疑問に思った事を思わず口にしていた。
「そんな……おかしい」
「ミラ?」
「いや、だって、おかしいですよ。世界に存在する全ての物は魔力が含まれているんです。私も、その辺りに生えている草も、魔物も、こうして吹き抜ける風だって。なのに、その神刀は魔力を通さない。という事は魔力が含まれていないんですよね?」
「あぁ。そうなるな」
「そんな、そんな物をどこから見つけてきたんでしょうか。世界のどこかには魔力が無い場所も、あるという事なのでしょうか?」
「詳しい所は俺にも分からん。だが、一つだけ確かな事がある」
「……」
「この刀は、神が造った刀なんだ。神が神を殺す為に造り出した刀。故に神刀という」
「神様が、神様を……?」
私はゴクリと唾を飲み込みながら、真剣な表情で神刀を持つシュンさんを見つめた。
緊張からか服を握る手にも力が入ってしまう。
しかし、私の心にあったのは恐怖よりも、好奇心であった。
もっと知りたい。
世界の事を。私が知らない事を。もっと!
そんな強い欲求の中で、私はいつまでも世界の不思議を見ているのだった。
「あー。そういやシュン。お前、逃げる時、何をやったんだ? フレヤ・ジェリン・メイラーと言えば、光速の剣術で名を売ったが、それ以上に、化け物じみた魔力から放たれる高威力の魔術が脅威って有名でな。そうそう容易く防げるもんでもないぞ」
「それか。それならコイツだ」
お皿に顔を隠しながらそっと二人の会話を覗き見ていると、シュンさんが一本の剣を取り出した。
湾曲した、普通の剣よりも細身の剣。
「これは神刀『如月』と言うんだが、神刀には魔力を通さない性質があってな。コイツを魔術に当てれば、そのまま破壊出来るという訳だ」
「それは……凄いな。ふむ。なるほど、魔術なんて繊細なモンに、魔力の結合と配置をぶっ壊す何かをぶつければ、魔術は壊れるって訳か。神の刀なんて呼ばれる訳だな」
「まぁな」
私は二人の話を聞いていて、疑問に思った事を思わず口にしていた。
「そんな……おかしい」
「ミラ?」
「いや、だって、おかしいですよ。世界に存在する全ての物は魔力が含まれているんです。私も、その辺りに生えている草も、魔物も、こうして吹き抜ける風だって。なのに、その神刀は魔力を通さない。という事は魔力が含まれていないんですよね?」
「あぁ。そうなるな」
「そんな、そんな物をどこから見つけてきたんでしょうか。世界のどこかには魔力が無い場所も、あるという事なのでしょうか?」
「詳しい所は俺にも分からん。だが、一つだけ確かな事がある」
「……」
「この刀は、神が造った刀なんだ。神が神を殺す為に造り出した刀。故に神刀という」
「神様が、神様を……?」
私はゴクリと唾を飲み込みながら、真剣な表情で神刀を持つシュンさんを見つめた。
緊張からか服を握る手にも力が入ってしまう。
しかし、私の心にあったのは恐怖よりも、好奇心であった。
もっと知りたい。
世界の事を。私が知らない事を。もっと!
そんな強い欲求の中で、私はいつまでも世界の不思議を見ているのだった。
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