4 / 66
第1話『私は私の夢を叶える為に、冒険者になります!!』 4/5
しおりを挟む
私の日記を勝手に持ち出すだけでなく、その中を見て! 私の夢を! この様な形で!!
くっ、顔が熱くなっていた。
「という訳だ。早く処理し、最優先事項として行え」
「殿下! その様な暴挙はお止め下さい!」
「何が暴挙だ。ミラ。君は誰よりもこの事業の重要性を理解している筈だ」
「それは、そうですが……それでも、冒険者組合にこの事業を行っていただく事は出来ません。殿下にだってお分りでしょう? 冒険者組合は世界国家連合議会の実行組織として存在します。確かに、日々の依頼と実行はそれぞれの組合で管理運営される物ですが、依頼主の存在しない特定依頼を発行する際には、世界国家連合議会の可決が必要だと。だからこそ、受付で殿下の依頼をお受けする事は出来ないんです」
「それは理解している。だからこそ、まずはヴェルクモント王国冒険者組合で実行し、その有用性を示してから、国連議会に案の提出を行うつもりなのだ」
「では、その費用はどこから支払われる予定なのですか? 陛下が私の様な小娘の案に予算を使う筈がありません」
「それは、その通りだ。だから……その、だな」
「……受付の方。殿下は依頼料に関してどの様に仰っていましたか?」
「おい!」
「っ!」
「殿下! その様に民を脅すのはお止め下さい。それはいずれ王となる御方がとってはならぬ行動です」
「……分かった。すまぬ」
私は改めて、受付の方に意見を伺うべく一歩前に踏み出した。
殿下と受付の方の間に。
「では改めて、お願いします。大丈夫。何を話しても罰則などはありません。私がさせません」
「は、はい。その……費用は組合で負担するか、依頼料無しにして強制的に受けさせる様にと」
「殿下!!」
私は勢いよく振り向いて、ばつの悪そうな顔をしている殿下にその怒りをぶつけた。
なんという事を言っているのだろうか。この人は!
「仕方ないだろう。他に方法が無いのだ」
「ならばこの様な依頼を出さなければ良いのです! 『歴史研究と失われた魔術の発見の依頼』等という、短慮で、子供じみた夢が書かれた依頼は!」
怒りのままに叫んだせいか涙が滲んでしまう。
くっ、顔が熱くなっていた。
「という訳だ。早く処理し、最優先事項として行え」
「殿下! その様な暴挙はお止め下さい!」
「何が暴挙だ。ミラ。君は誰よりもこの事業の重要性を理解している筈だ」
「それは、そうですが……それでも、冒険者組合にこの事業を行っていただく事は出来ません。殿下にだってお分りでしょう? 冒険者組合は世界国家連合議会の実行組織として存在します。確かに、日々の依頼と実行はそれぞれの組合で管理運営される物ですが、依頼主の存在しない特定依頼を発行する際には、世界国家連合議会の可決が必要だと。だからこそ、受付で殿下の依頼をお受けする事は出来ないんです」
「それは理解している。だからこそ、まずはヴェルクモント王国冒険者組合で実行し、その有用性を示してから、国連議会に案の提出を行うつもりなのだ」
「では、その費用はどこから支払われる予定なのですか? 陛下が私の様な小娘の案に予算を使う筈がありません」
「それは、その通りだ。だから……その、だな」
「……受付の方。殿下は依頼料に関してどの様に仰っていましたか?」
「おい!」
「っ!」
「殿下! その様に民を脅すのはお止め下さい。それはいずれ王となる御方がとってはならぬ行動です」
「……分かった。すまぬ」
私は改めて、受付の方に意見を伺うべく一歩前に踏み出した。
殿下と受付の方の間に。
「では改めて、お願いします。大丈夫。何を話しても罰則などはありません。私がさせません」
「は、はい。その……費用は組合で負担するか、依頼料無しにして強制的に受けさせる様にと」
「殿下!!」
私は勢いよく振り向いて、ばつの悪そうな顔をしている殿下にその怒りをぶつけた。
なんという事を言っているのだろうか。この人は!
「仕方ないだろう。他に方法が無いのだ」
「ならばこの様な依頼を出さなければ良いのです! 『歴史研究と失われた魔術の発見の依頼』等という、短慮で、子供じみた夢が書かれた依頼は!」
怒りのままに叫んだせいか涙が滲んでしまう。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
合成師
あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。
そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。
アリエッタ幼女、スラムからの華麗なる転身
にゃんすき
ファンタジー
冒頭からいきなり主人公のアリエッタが大きな男に攫われて、前世の記憶を思い出し、逃げる所から物語が始まります。
姉妹で力を合わせて幸せを掴み取るストーリーになる、予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる