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第5話『魔王の完全勝利だった』
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魔王は考えていた。
聖女オリヴィアによる、終わらないこの世の終わりとも言うべき時間を過ごして、魔王は考えていた。
もう二度とあんな目に遭いたくないと。
アメリア様、聖女アメリア様と聞きすぎて、頭がおかしくなりそうである。
故に魔王はこの状況から逃げ出す為にどうするべきか考える事にしたのだ。
とは言っても容易くはない。
何せ相手はあの聖女オリヴィアだ。
たった一人で、魔王を圧倒した正真正銘の化け物である。
生半可な作戦ではどうする事も出来ないだろう。
そこで魔王は、オリヴィアにバレぬ様にしながら彼女を観察し続けた。
その途中で何度か見つかり、アメリア様の刑に処されたが、魔王は折れなかった。
勇敢に立ち上がったのだ。
その勇気たるや、かの勇者ルークに並ぶと言っても過言では無いだろう。
そしてその結果、魔王は聖女オリヴィアの決定的な隙を見つけた。
「ほれ。口元汚れてるぞ」
「ん」
「仕方のない奴だな。お前は。しかし安心すると良い! この魔王がしっかりかっきり面倒を見てやるからな」
「……ありがと」
「任せるがいい! ワッハッハ!!」
そう。魔王は子供の面倒を積極的にみる様になったのだ。
これは別に魔王が子供への可愛さに目覚めたとかそういう事ではなく、ただ、オリヴィアから逃れるために考えついた策というだけだ。
聖女オリヴィアはアメリアに狂っていたとしても、聖女である。
その本質は弱者救済に向いており、アメリアがそうであったように、アメリアに憧れるオリヴィアも弱者救済には積極的だ。
そんな中、弱者である子供を救済しようとしている魔王の邪魔が出来るだろうか?
答えは否だ。
聖女オリヴィアは子供の面倒を積極的にみる魔王を、穏やかな……どこか嬉しそうな笑顔で見ており、その行動を邪魔してまでアメリアの話をしてくる事は無くなったのである。
魔王の完全勝利だった。
ただ、一つだけ魔王にとって誤算があるとすれば、想定以上に子供たちに懐かれてしまったという事だろうか。
「はい! まーくんはこっちね!」
「いや、我は」
「お花を集めて、オリヴィアお姉ちゃんにプレゼントするんだから! ちゃんとお手伝いして!」
「おーい! まおー。向こうで遊ぼうぜ!」
「木登りしよーぜー」
「駄目! まーくんはこっちで私たちのお手伝いするんだから」
「そういうのは女だけでやってろよ!」
「お、おい。あまり争うな。あの狂人が来るだろう? 大人しくするんだ」
「何よ! そっちこそ、男だけでやってれば良いじゃない! まーくんは関係無いでしょ!」
「まおーは男なんだから、こっちで遊ぶ方が良いだろ!」
「そんなのアンタが決める事じゃないでしょ!」
苛烈になっていく言い争いに、魔王はオリヴィアが居るであろう方を見ながら、何とか止まれと声を掛ける。
が、ヒートアップしている二人に魔王の声は届かず、争いは激化していくばかりであった。
「お前たち。良いから落ち着け。時間は沢山あるんだ。一個ずつ順番にやっていけば良いではないか」
「ねぇねぇ。まーくん」
「お、おぉ。どうした? イル」
「ご本、読んで」
「あぁ、そうか。分かった。だがな、今我は別の事で忙しい。後でな」
「読んで」
「あの、だな」
「読んで……わぁぁぁあ! やだー! よんでくれなきゃ、やーだー!」
「わ、分かった分かった。読む。読むから泣くんじゃない。ほら、何の話かなー。気になるなー。イルが持ってきたのはどんな話かなー……って、アホリアの話じゃないか。うん。この話は止めよう。別の話なんかどうだ? 魔王様の大冒険とかオススメだぞ?」
「やーだー! アメリア様のおはなしが、いーいー!」
「そうか……分かった。なら読むから、泣きやもうな」
「おい! まおー。本なんか良いから、こっちで遊ぼうぜ」
「まーくんは私たちの手伝いをするって言ってるでしょ!」
服を引っ張られ、髪を引っ張られ、腕を引かれ、しがみ付かれる。
まさに今、魔王は生きる遊び台と化していた。
誰も何の遠慮も無く、魔王を使って遊んでいる。
しかし、このまま良いようにされている魔王ではない。
魔王は気合を入れ、立ち上がると、魔王らしい威厳を見せながら腰に手を当て、子供たちに説教するモードへと移行した。
「貴様ら! そこに座れ! なんださっきから! 己の意思ばかり示しおって! 相手を気遣うという事が出来んのか! 人間というのは他者を想い合い、生きてゆく生物なのだろう!? だというのに、今の貴様らはどうだ! まるでアホリアの様では無いか! 自分の欲望ばかりを向けていては、ろくな人間にならんぞ! 分かったか!」
「「「はぁーい」」」
「うむ。よい返事だ。分かってくれたようで、我は嬉しいぞ」
「えぇ。本当に。良い話ですね」
「っ!? お、オリヴィア……居たのか」
「はい。何やら騒いでいる様な声が聞こえましたので、こちらへ来ておりました。ただ、魔王さんが素敵なお話をされていましたので、私から何かをする様な事はありませんね」
ニッコリと微笑むオリヴィアに魔王はホッと胸をなでおろすと、さてでは順番を決めようじゃないかと子供に話しかけようとした。
しかし、そんな魔王の肩を強く掴む者が現れた。
言うまでも無いが、聖女オリヴィアである。
「な、なんだ? 我は今から子供に」
「ええ。それも大事ですが、先に、どうしても、絶対に、行わなければいけない事があります。お分かりですね?」
「な、何のことだ。我にはさっぱり分からんが……」
「先ほど、アメリア様の事を貶めるような呼び方をされていたと思うのですが、どうやら魔王さんにはアメリア様の偉大さがまだ分かっていないようですね」
「そんな事我がいう訳無いだろう!! 気のせいだ!!」
「では、祈りの部屋へ行きましょうか」
「待て!! 離せ!! そ、そうだ。我はまだ子供の相手が」
魔王の言葉にオリヴィアは足を止めると、いっそ恐怖を覚えるくらいの美しい笑顔を子供に向けた。
「……皆さん。少しだけ魔王さんをお借りしますが、よろしいですか?」
「うん!」
「だいじょーぶだよ!」
「ばいばい」
「では、行きましょうか。魔王さん」
「うぉぉおおおおおお!!! 薄情者め!! 我があんなに面倒を見てやったのに!! 裏切るのか!! 誰か、誰でも良い!! 助けてくれ!! そ、そうだ! イル! 我が本を読んでやろう!! どうだ!? 楽しいぞ!!」
「セレスお姉ちゃん。ご本、読んで」
「うん。良いよ」
「うぉおぉおおお!!! イル!! セレス!!! 我は、我はー!!!」
「さ。楽しい時間の始まりですよ。魔王さん」
そして魔王はそのまま祈りの部屋へ連れて行かれ、世界の終わりを再び味わう事になるのだった。
祈りの部屋では魔王を追い詰める聖女の拷問が始まっていた。
「では、まずアメリア様の素晴らしい点を百上げて下さい」
「ひゃくぅ!? 正気かお前は!!」
「少なすぎるという事でしょうか?」
「逆だ!! 多すぎると言ってるんだ我は!! アメリアに百も長所がある訳……ガガガガ、ぐわぁぁあああ!!」
「なんという事でしょうか。魔王さんは未だアメリア様の素晴らしさを理解されていないとは。百程度であれば即座に出てくる筈です。もっと真面目にアメリア様の事を考えて下さい」
「……わか、った。分かったから! ちゃんと話す」
「わかりました。では一つ目からどうぞ」
まだまだ、魔王の受難は始まったばかり。
その後、魔王の悲鳴がいつまでも響いているのだった。
聖女オリヴィアによる、終わらないこの世の終わりとも言うべき時間を過ごして、魔王は考えていた。
もう二度とあんな目に遭いたくないと。
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何せ相手はあの聖女オリヴィアだ。
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勇敢に立ち上がったのだ。
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「ほれ。口元汚れてるぞ」
「ん」
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「……ありがと」
「任せるがいい! ワッハッハ!!」
そう。魔王は子供の面倒を積極的にみる様になったのだ。
これは別に魔王が子供への可愛さに目覚めたとかそういう事ではなく、ただ、オリヴィアから逃れるために考えついた策というだけだ。
聖女オリヴィアはアメリアに狂っていたとしても、聖女である。
その本質は弱者救済に向いており、アメリアがそうであったように、アメリアに憧れるオリヴィアも弱者救済には積極的だ。
そんな中、弱者である子供を救済しようとしている魔王の邪魔が出来るだろうか?
答えは否だ。
聖女オリヴィアは子供の面倒を積極的にみる魔王を、穏やかな……どこか嬉しそうな笑顔で見ており、その行動を邪魔してまでアメリアの話をしてくる事は無くなったのである。
魔王の完全勝利だった。
ただ、一つだけ魔王にとって誤算があるとすれば、想定以上に子供たちに懐かれてしまったという事だろうか。
「はい! まーくんはこっちね!」
「いや、我は」
「お花を集めて、オリヴィアお姉ちゃんにプレゼントするんだから! ちゃんとお手伝いして!」
「おーい! まおー。向こうで遊ぼうぜ!」
「木登りしよーぜー」
「駄目! まーくんはこっちで私たちのお手伝いするんだから」
「そういうのは女だけでやってろよ!」
「お、おい。あまり争うな。あの狂人が来るだろう? 大人しくするんだ」
「何よ! そっちこそ、男だけでやってれば良いじゃない! まーくんは関係無いでしょ!」
「まおーは男なんだから、こっちで遊ぶ方が良いだろ!」
「そんなのアンタが決める事じゃないでしょ!」
苛烈になっていく言い争いに、魔王はオリヴィアが居るであろう方を見ながら、何とか止まれと声を掛ける。
が、ヒートアップしている二人に魔王の声は届かず、争いは激化していくばかりであった。
「お前たち。良いから落ち着け。時間は沢山あるんだ。一個ずつ順番にやっていけば良いではないか」
「ねぇねぇ。まーくん」
「お、おぉ。どうした? イル」
「ご本、読んで」
「あぁ、そうか。分かった。だがな、今我は別の事で忙しい。後でな」
「読んで」
「あの、だな」
「読んで……わぁぁぁあ! やだー! よんでくれなきゃ、やーだー!」
「わ、分かった分かった。読む。読むから泣くんじゃない。ほら、何の話かなー。気になるなー。イルが持ってきたのはどんな話かなー……って、アホリアの話じゃないか。うん。この話は止めよう。別の話なんかどうだ? 魔王様の大冒険とかオススメだぞ?」
「やーだー! アメリア様のおはなしが、いーいー!」
「そうか……分かった。なら読むから、泣きやもうな」
「おい! まおー。本なんか良いから、こっちで遊ぼうぜ」
「まーくんは私たちの手伝いをするって言ってるでしょ!」
服を引っ張られ、髪を引っ張られ、腕を引かれ、しがみ付かれる。
まさに今、魔王は生きる遊び台と化していた。
誰も何の遠慮も無く、魔王を使って遊んでいる。
しかし、このまま良いようにされている魔王ではない。
魔王は気合を入れ、立ち上がると、魔王らしい威厳を見せながら腰に手を当て、子供たちに説教するモードへと移行した。
「貴様ら! そこに座れ! なんださっきから! 己の意思ばかり示しおって! 相手を気遣うという事が出来んのか! 人間というのは他者を想い合い、生きてゆく生物なのだろう!? だというのに、今の貴様らはどうだ! まるでアホリアの様では無いか! 自分の欲望ばかりを向けていては、ろくな人間にならんぞ! 分かったか!」
「「「はぁーい」」」
「うむ。よい返事だ。分かってくれたようで、我は嬉しいぞ」
「えぇ。本当に。良い話ですね」
「っ!? お、オリヴィア……居たのか」
「はい。何やら騒いでいる様な声が聞こえましたので、こちらへ来ておりました。ただ、魔王さんが素敵なお話をされていましたので、私から何かをする様な事はありませんね」
ニッコリと微笑むオリヴィアに魔王はホッと胸をなでおろすと、さてでは順番を決めようじゃないかと子供に話しかけようとした。
しかし、そんな魔王の肩を強く掴む者が現れた。
言うまでも無いが、聖女オリヴィアである。
「な、なんだ? 我は今から子供に」
「ええ。それも大事ですが、先に、どうしても、絶対に、行わなければいけない事があります。お分かりですね?」
「な、何のことだ。我にはさっぱり分からんが……」
「先ほど、アメリア様の事を貶めるような呼び方をされていたと思うのですが、どうやら魔王さんにはアメリア様の偉大さがまだ分かっていないようですね」
「そんな事我がいう訳無いだろう!! 気のせいだ!!」
「では、祈りの部屋へ行きましょうか」
「待て!! 離せ!! そ、そうだ。我はまだ子供の相手が」
魔王の言葉にオリヴィアは足を止めると、いっそ恐怖を覚えるくらいの美しい笑顔を子供に向けた。
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「うん!」
「だいじょーぶだよ!」
「ばいばい」
「では、行きましょうか。魔王さん」
「うぉぉおおおおおお!!! 薄情者め!! 我があんなに面倒を見てやったのに!! 裏切るのか!! 誰か、誰でも良い!! 助けてくれ!! そ、そうだ! イル! 我が本を読んでやろう!! どうだ!? 楽しいぞ!!」
「セレスお姉ちゃん。ご本、読んで」
「うん。良いよ」
「うぉおぉおおお!!! イル!! セレス!!! 我は、我はー!!!」
「さ。楽しい時間の始まりですよ。魔王さん」
そして魔王はそのまま祈りの部屋へ連れて行かれ、世界の終わりを再び味わう事になるのだった。
祈りの部屋では魔王を追い詰める聖女の拷問が始まっていた。
「では、まずアメリア様の素晴らしい点を百上げて下さい」
「ひゃくぅ!? 正気かお前は!!」
「少なすぎるという事でしょうか?」
「逆だ!! 多すぎると言ってるんだ我は!! アメリアに百も長所がある訳……ガガガガ、ぐわぁぁあああ!!」
「なんという事でしょうか。魔王さんは未だアメリア様の素晴らしさを理解されていないとは。百程度であれば即座に出てくる筈です。もっと真面目にアメリア様の事を考えて下さい」
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