22 / 51
第21話『その暖かな日に』
しおりを挟む
友達とは何だろうかと問われた時、相手の我儘を許容できる事だと俺は答えるだろう。
気を遣う事も大事だろうが、相手が好き勝手に行動していても、まぁ俺もやっているしな。と思えるのが大事なのだ。
「という訳で、エリスお嬢様。その辺り如何でしょうか?」
「無理」
「そう言わず」
「ムーリ!」
「貴族としてまずは一歩引いて受け入れるのも大事かと思いますよ?」
「何度言われても絶対に嫌よ! 誰があんな奴ら! 私が一歩引いたら向こうは一歩進んでくるわよ! そういう連中よ!」
「まぁ否定しにくいところはありますね」
俺はエリスお嬢様にお茶を出しながら、頷いた。
そう。入学式の日から始まったエリスお嬢様と南国のミティア姫様、そして聖女アンちゃん。
この三人の争いを何とかしようと、俺はエリスお嬢様に相談をしていたのだが、答えは今見たとおりだ。
とことん敵対している。
少しだって相手に譲ってやろうという気持ちは無いようだった。
「私から見ると、それなりに仲良くやっている様に見えるんですけどね」
「その目、交換した方が良いわよ」
お茶を飲みながら吐き捨てる様に言うエリスお嬢様に俺は何も言えず、小さく息を吐いた。
意地っ張りなお嬢様だ。
「以前、アンちゃんと一緒に隠れて楽しそうに話していたではないですか」
「あれはミティアがタツヤと密会しようとしていたから一時的に協力していただけよ」
「ミティア様と図書室で何やら本を一緒に見ていた事もございましたが?」
「あれは聖女の魔法を超える呪いをアンに掛けてやる為よ。あの女一度痛い目にあわなきゃ何も学ばないんだから」
「お二人とお茶会をしていた事も多数あったようですが」
「仕方なくよ! 仕方なく! 二人ともエレルニア王国のマナーを知らないっていうから、仕方なく教えてあげてたの! 別に仲が良いとかそういうんじゃないわ!!」
「そうですか」
「何よ、その目! 何か言いたいことがあるなら言えば良いでしょ!?」
「いえいえ。大したことはございませんよ。ただ、エリスお嬢様は仕方なくアンちゃんを連れて色々な所へ旅行に行ったり、ミティア様の母国へ旅行に行ったりするんだなぁ。と思っただけで」
「フン。そんなの! 私は貴族でアンは平民だからね! 施しよ! 施し! あの女があまりにも惨めだから与えてやってるだけ! それにミティアだってよそ者だからね! 仕方なく面倒を見てやっているだけだわ! こんなの貴族じゃ当たり前よ!」
「そうですか。ちなみに私から見える範囲だと、エリスお嬢様以外の方は基本的にお二人を避けている様に見受けられますが、貴族というのは、どうやらエリスお嬢様しか居ないらしい」
「それは……その」
「まぁまぁ。仕方のない事ですね。お嬢様ほど博愛精神に溢れた方はなかなか居ないでしょうから。ハッハッハ」
「……タツヤ」
「なんでしょうか? エリスお嬢様」
「ちょっとこっちへ来なさい」
「はぁ……?」
「手を出しなさい」
俺は言われるままに手を出して、そして、いつもの様に小さなフォークを突き立てられた。
「いっだぁあああ!!」
「これに懲りたら、その生意気な口を少しは抑える事ね!!」
エリスお嬢様は怒りに震えながら、俺にそう言い放つのだった。
まったく素直になれないお嬢様だよ。
そんなこんなでバイオレンスなお茶会も終わり、俺はエリスお嬢様にどこかへ行ってろと言われたので、学園の中をトボトボと歩いていた。
話しかけてくる友人に返事をしながら、いい天気だと欠伸をする。
仕事中だというのに、こんな事で良いのか。と思わなくもないが、ラナ様からまだその時じゃないと言われている以上、俺に出来る事はない。
「あ! タツヤさん! おーい! タツヤさーん!」
「ちょっと、アンさん。はしたないですよ。その様に手を挙げては」
「えー? 別に良いじゃないですか。こうした方が早く気づいてもらえますよ!」
「そういう事ではなく……あー、もう!」
「二人とも。これは偶然。何かありましたか?」
「あぁ、いえ。ただ偶然お姿を拝見したので、アンさんがお声を掛けただけでして」
「あ! そうだ! ミティアさん! タツヤさんも一緒に誘いましょうよ!」
「え? しかし」
「良いじゃないですか! タツヤさんはエリスさんと長い付き合いだって言いますし。良い意見が貰えるかもしれません!」
「良い意見。ですか?」
「はい! 実はー、今度の休みはエリスさんの誕生日じゃないですか! それで何かプレゼントでもしましょうって話になって!」
「あぁ、それで……しかし、私ではいい案が出せるとは思いませんが」
「んー。それならそれで! じゃあデートという事でどうでしょうか!?」
「どうと言われましても。聖女様とデートは出来ませんよ」
「あぁん。もう! 私の事はただのアンで良いですよ。一緒にラブラブ生活をした仲じゃないですか」
「記憶にございません」
「もう! タツヤさんってば!」
それから、何だかんだと話をしている間に、アンちゃんのペースに巻き込まれ、俺は呆れた顔をしていたミティア様と一緒にエリスお嬢様の誕生日プレゼントを選ぶ会に参加する事となった。
とは言ってもだ。
正直、エリスお嬢様の趣味など分からん。
「タツヤ様。エリスさんの好きな物はご存じありませんか?」
「いや、正直見当もつきませんね。お嬢様はあまり好き嫌いを表に出す方ではございませんから」
「そうですか」
「えー? エリスさんの好きな物ならハッキリしてるじゃないですか」
「あら。アンさんは分かりますか?」
「はい! ズバリ、タツヤさんです!」
「あー」
「まー」
「どうです!? 当たっていたでしょう?」
「いや、当たっているのは確かでしょうけど、それで何をプレゼントするんですか? タツヤ様という訳にはいかないでしょう?」
「それはそうです! タツヤさんは私の旦那様ですからね!」
「それに頷いた覚えはありませんねぇ」
「という訳で、エリスさんへのプレゼントはタツヤさんっぽいモノにしましょう!」
「タツヤ様のような物ですか」
「いや、俺っぽいモノって何?」
「よーし! じゃあそれぞれで探しましょー!」
「分かりました。では探してまいります」
「いや、だから、俺っぽい物って何!?」
小さなガラス細工が沢山売られている店で、俺はそれぞれに探し始めた二人を見ながらツッコミを入れたが返事は特に無かった。
むなしい。
俺は疎外感を覚えながらも、店の中を見て、それらしい物を探すのだった。
手のひらサイズのガラス細工は、形も色々あって、どれも良さそうな物ばかりだ。
その中で俺らしい物と言われ、俺は何となく見ていた中からピーンと来たものを選び、二人に見せる事にした。
「俺らしいと言えば、これだろう! エールのグラスだ!」
「可愛くないので、駄目です」
「全然タツヤ様らしさが無いですよ」
いやいやいや! これだよ!? 俺といえばこれ!
家にビールグラスあるくらいビール好きだからね!?
てか、可愛くないって何!? 俺は可愛くないだろ!
それから少し経って、ミティア様が良い物を見つけたと俺とアンちゃんを呼び出し、へたり込んだ犬のガラス細工を見せた。
「おぉー。流石はミティアさんです! 素晴らしい!」
「しかもこれ、三つあったんですよ」
「本当ですか!? じゃあ、一緒に買って三人の友情の証にしましょう! 私の結婚式まで大事にして下さい」
「なんでアンさんの結婚式まで?」
「いや、ほら。皆さん私とタツヤさんが結婚したら悔しくて壊してしまうかと思いまして」
「そんな事する訳ないでしょう!?」
アンちゃんのあんまりにもあんまりな発言にミティア様がツッコミを入れつつ、二人はエリスお嬢様へのプレゼントとしてそれを買った。
そして後日、それをエリスお嬢様に見せたところ、相変わらずというか何というか、エリスお嬢様はツン全開で、仕方ないから貰ってあげるなんて言っているのだった。
素直じゃないなぁ。
しかし、俺は後日部屋の一番綺麗にしている場所にプレゼントされたガラス細工を大事に飾っている所を目撃するのだった。
ニヨニヨ。
使用人はミタ!!
気を遣う事も大事だろうが、相手が好き勝手に行動していても、まぁ俺もやっているしな。と思えるのが大事なのだ。
「という訳で、エリスお嬢様。その辺り如何でしょうか?」
「無理」
「そう言わず」
「ムーリ!」
「貴族としてまずは一歩引いて受け入れるのも大事かと思いますよ?」
「何度言われても絶対に嫌よ! 誰があんな奴ら! 私が一歩引いたら向こうは一歩進んでくるわよ! そういう連中よ!」
「まぁ否定しにくいところはありますね」
俺はエリスお嬢様にお茶を出しながら、頷いた。
そう。入学式の日から始まったエリスお嬢様と南国のミティア姫様、そして聖女アンちゃん。
この三人の争いを何とかしようと、俺はエリスお嬢様に相談をしていたのだが、答えは今見たとおりだ。
とことん敵対している。
少しだって相手に譲ってやろうという気持ちは無いようだった。
「私から見ると、それなりに仲良くやっている様に見えるんですけどね」
「その目、交換した方が良いわよ」
お茶を飲みながら吐き捨てる様に言うエリスお嬢様に俺は何も言えず、小さく息を吐いた。
意地っ張りなお嬢様だ。
「以前、アンちゃんと一緒に隠れて楽しそうに話していたではないですか」
「あれはミティアがタツヤと密会しようとしていたから一時的に協力していただけよ」
「ミティア様と図書室で何やら本を一緒に見ていた事もございましたが?」
「あれは聖女の魔法を超える呪いをアンに掛けてやる為よ。あの女一度痛い目にあわなきゃ何も学ばないんだから」
「お二人とお茶会をしていた事も多数あったようですが」
「仕方なくよ! 仕方なく! 二人ともエレルニア王国のマナーを知らないっていうから、仕方なく教えてあげてたの! 別に仲が良いとかそういうんじゃないわ!!」
「そうですか」
「何よ、その目! 何か言いたいことがあるなら言えば良いでしょ!?」
「いえいえ。大したことはございませんよ。ただ、エリスお嬢様は仕方なくアンちゃんを連れて色々な所へ旅行に行ったり、ミティア様の母国へ旅行に行ったりするんだなぁ。と思っただけで」
「フン。そんなの! 私は貴族でアンは平民だからね! 施しよ! 施し! あの女があまりにも惨めだから与えてやってるだけ! それにミティアだってよそ者だからね! 仕方なく面倒を見てやっているだけだわ! こんなの貴族じゃ当たり前よ!」
「そうですか。ちなみに私から見える範囲だと、エリスお嬢様以外の方は基本的にお二人を避けている様に見受けられますが、貴族というのは、どうやらエリスお嬢様しか居ないらしい」
「それは……その」
「まぁまぁ。仕方のない事ですね。お嬢様ほど博愛精神に溢れた方はなかなか居ないでしょうから。ハッハッハ」
「……タツヤ」
「なんでしょうか? エリスお嬢様」
「ちょっとこっちへ来なさい」
「はぁ……?」
「手を出しなさい」
俺は言われるままに手を出して、そして、いつもの様に小さなフォークを突き立てられた。
「いっだぁあああ!!」
「これに懲りたら、その生意気な口を少しは抑える事ね!!」
エリスお嬢様は怒りに震えながら、俺にそう言い放つのだった。
まったく素直になれないお嬢様だよ。
そんなこんなでバイオレンスなお茶会も終わり、俺はエリスお嬢様にどこかへ行ってろと言われたので、学園の中をトボトボと歩いていた。
話しかけてくる友人に返事をしながら、いい天気だと欠伸をする。
仕事中だというのに、こんな事で良いのか。と思わなくもないが、ラナ様からまだその時じゃないと言われている以上、俺に出来る事はない。
「あ! タツヤさん! おーい! タツヤさーん!」
「ちょっと、アンさん。はしたないですよ。その様に手を挙げては」
「えー? 別に良いじゃないですか。こうした方が早く気づいてもらえますよ!」
「そういう事ではなく……あー、もう!」
「二人とも。これは偶然。何かありましたか?」
「あぁ、いえ。ただ偶然お姿を拝見したので、アンさんがお声を掛けただけでして」
「あ! そうだ! ミティアさん! タツヤさんも一緒に誘いましょうよ!」
「え? しかし」
「良いじゃないですか! タツヤさんはエリスさんと長い付き合いだって言いますし。良い意見が貰えるかもしれません!」
「良い意見。ですか?」
「はい! 実はー、今度の休みはエリスさんの誕生日じゃないですか! それで何かプレゼントでもしましょうって話になって!」
「あぁ、それで……しかし、私ではいい案が出せるとは思いませんが」
「んー。それならそれで! じゃあデートという事でどうでしょうか!?」
「どうと言われましても。聖女様とデートは出来ませんよ」
「あぁん。もう! 私の事はただのアンで良いですよ。一緒にラブラブ生活をした仲じゃないですか」
「記憶にございません」
「もう! タツヤさんってば!」
それから、何だかんだと話をしている間に、アンちゃんのペースに巻き込まれ、俺は呆れた顔をしていたミティア様と一緒にエリスお嬢様の誕生日プレゼントを選ぶ会に参加する事となった。
とは言ってもだ。
正直、エリスお嬢様の趣味など分からん。
「タツヤ様。エリスさんの好きな物はご存じありませんか?」
「いや、正直見当もつきませんね。お嬢様はあまり好き嫌いを表に出す方ではございませんから」
「そうですか」
「えー? エリスさんの好きな物ならハッキリしてるじゃないですか」
「あら。アンさんは分かりますか?」
「はい! ズバリ、タツヤさんです!」
「あー」
「まー」
「どうです!? 当たっていたでしょう?」
「いや、当たっているのは確かでしょうけど、それで何をプレゼントするんですか? タツヤ様という訳にはいかないでしょう?」
「それはそうです! タツヤさんは私の旦那様ですからね!」
「それに頷いた覚えはありませんねぇ」
「という訳で、エリスさんへのプレゼントはタツヤさんっぽいモノにしましょう!」
「タツヤ様のような物ですか」
「いや、俺っぽいモノって何?」
「よーし! じゃあそれぞれで探しましょー!」
「分かりました。では探してまいります」
「いや、だから、俺っぽい物って何!?」
小さなガラス細工が沢山売られている店で、俺はそれぞれに探し始めた二人を見ながらツッコミを入れたが返事は特に無かった。
むなしい。
俺は疎外感を覚えながらも、店の中を見て、それらしい物を探すのだった。
手のひらサイズのガラス細工は、形も色々あって、どれも良さそうな物ばかりだ。
その中で俺らしい物と言われ、俺は何となく見ていた中からピーンと来たものを選び、二人に見せる事にした。
「俺らしいと言えば、これだろう! エールのグラスだ!」
「可愛くないので、駄目です」
「全然タツヤ様らしさが無いですよ」
いやいやいや! これだよ!? 俺といえばこれ!
家にビールグラスあるくらいビール好きだからね!?
てか、可愛くないって何!? 俺は可愛くないだろ!
それから少し経って、ミティア様が良い物を見つけたと俺とアンちゃんを呼び出し、へたり込んだ犬のガラス細工を見せた。
「おぉー。流石はミティアさんです! 素晴らしい!」
「しかもこれ、三つあったんですよ」
「本当ですか!? じゃあ、一緒に買って三人の友情の証にしましょう! 私の結婚式まで大事にして下さい」
「なんでアンさんの結婚式まで?」
「いや、ほら。皆さん私とタツヤさんが結婚したら悔しくて壊してしまうかと思いまして」
「そんな事する訳ないでしょう!?」
アンちゃんのあんまりにもあんまりな発言にミティア様がツッコミを入れつつ、二人はエリスお嬢様へのプレゼントとしてそれを買った。
そして後日、それをエリスお嬢様に見せたところ、相変わらずというか何というか、エリスお嬢様はツン全開で、仕方ないから貰ってあげるなんて言っているのだった。
素直じゃないなぁ。
しかし、俺は後日部屋の一番綺麗にしている場所にプレゼントされたガラス細工を大事に飾っている所を目撃するのだった。
ニヨニヨ。
使用人はミタ!!
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。
その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。
異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる