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アンジェラ編

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「で?何をそんなに悩んでるのかしら。は?」
「うっ、だ、だって…こんなのって…。」


私は教会の控え室にいた。
今日は、私とダニエルの結婚式の日なのだ…。
本来なら花嫁にとって喜ばしい日なのだけど、私は事情が違った。なぜかって?

「いい加減、諦めたら?お兄様は、あなたを決して離しはしないんだから。」
「シャーリー…でも、いくらなんでも早過ぎよっ。」


そう…あの衝撃の一夜から早3ヶ月。
あの夜、ダニエルに半ば無理やり純潔を奪われて、トドメの中だしをされた私はそのまま気を失った。
そして、翌朝目が覚めると目の前には激甘になったダニエル、右手には重しの様な婚約指輪に首元には首輪の様なネックレスが嵌めてあった。

「お早う、愛しい奥さん。」
「う?え、え?奥さんって…?」
「昨夜のうちに、結婚誓約書を王宮に内々に届けさせて、承認を頂いたから正式に夫婦になったんだよ。」
「へ?うぇーー?!」
「あぁ、君のお父上にも了承を得ているから安心してくれ。」
「ちょ、ちょっと待って下さい。そんな急に…。」

急展開過ぎて全くついていけてないわっ。

「急ではないよ。私は、君と出会った日からずっと君と結婚するつもりだったからな。」
「はいぃ?」
「君に心を奪われたあの日から、君を手に入れる事ばかり考えていた。ようやく手に入れた…私から逃げられると思うなよ?」

私の髪を一房手に取り、うっとりとした表情で髪に口付ける彼の目には仄暗いものが浮かんでいた。

まじか…。ヤンデレの気質もあったんか…。
うー、なんでこんなことになったのよぅ。
私は、ただモブとして平穏にラッキースケベを楽しむ覗き見ライフを満喫したかっただけなのにぃ。

なんかもう…逃げ場が無くなってしまったから、諦めるしかないんだろうな…。

「ダニエル様…本当に私でいいのですか?」
「君がいい。」
「でも、私は平凡ですし…実家は頼りにならないですし…。」
「平凡?君が?…君は…前から感じていたが恐ろしく自己評価が低いようだな。」
「え?だって…私はこれといった特徴もないですよ?」
「はぁ…君は…。まぁ、そこがいいんだけども。君は、美しいよ。愛らしい顔に、銀糸の様な髪、女性らしい豊かな身体…今まで手つかずだったのが信じられない程にね。」
「いやいや、そんな気を遣ってもらわなくても大丈夫ですから…。」
「クス、全く俺の奥さんはいじらしい…これからたっぷりと時間をかけて教えてあげるよ。」

ダニエルは、私の肩を抱き寄せて頬にキスをする。

「んっ…ダニエル様…。あっ、ダメっ…。」

彼は、私の割れ目に手を這わしてゆっくりと閉じた部分に指を沿わせた。
昨夜、彼に無理やり暴かれた場所からはとろりとした液体が溢れてきて、私の羞恥を誘う。

「アンジュ…まだ痛むか?俺は、まだ君のココを愛し足りない…。ほら、今度はゆっくり気持ちよくなろう…な?」

中指を蜜口に、にゅるっと入れられて、ゆっくりと抜き差しされる。

「ひゃっ、あぁん…そこ、駄目ぇ…。」

口から甘い声が出て、彼の胸元にすり寄っていた。
昨日の事は正直あまり覚えていなかった。とりあえず
、彼のが大きいって事だけしか印象にない。

「アンジュ、可愛い…ほら、おっぱいもクリクリしような?」

耳元で、卑猥な言い方をされて乳首を弄られ余計感じてしまう。

「あん、両方したらぁ…おかしくなるのぉ…やーん!」

上と下を弄られながら、達した私は彼の腕に包まれる。
「俺達は、新婚だからな…蜜月を楽しもう。」

悪魔の囁きに、私は堕ちていく。






✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎





「お父様ーお帰りなさい!」

玄関の扉に向かい、小さな男の子が走って行き、今しがた帰宅したらしい父親に抱きついた。

「いい子にしていたか?ルイス。」
「はい!」
「そうか、お母様は?」
「お母様は、体調が優れないって。お部屋で寝てます。」
「わかった。お前もそろそろ休みなさい。明日は、遠乗りに連れて行くから。」
「わぁ、約束ですよ!」

幼い息子は、目をキラキラさせながら嬉しそうに自分の部屋に戻って行った。
コートを脱ぎ、執事に渡すと足早に夫婦の部屋に向かう。ダニエルとアンジェラが結婚して早5年が経ち2人の子宝にも恵まれた。1人は嫡男のルイスで、ダニエルに似た顔に母親譲りの銀髪が美しい少年。そして、もう1人は娘のレイラで、アンジェラ似の顔に金髪の少女だ。2人は双子で、賢く心優しい子ども達だ。

あの晩、ダニエルの狙い通りにアンジェラは妊娠していた。しかも、双子を。ダニエルは、真綿で包むように、妻を大切に愛しながら檻の中に入れた。
油断すると、アンジェラはすぐにダニエルの手から逃れようと画策する為、彼女に枷をいくつもつけた。
子ども、父親、シャーリー…彼女の大切に思っている物は、全て自分が握っている。最近になりようやく諦めたらしいが、ダニエルは常に不安だ。だから、彼女を毎晩抱き潰して動けない様にしている。

「ただいま、アンジュ。いい子にしてたかい?」
「あなた…お、お帰りなさい…。」

ベッドに縮こまっている妻にゆっくりと近づくと、自分の中の欲望がジワジワと湧き上がるのを感じる。
アンジュは、少女から女性へと成長して匂い立つ色香を纏っており、抱けば抱くほど、魅力的になる妻にダニエルは溺れている。そっと、彼女の頬に口付けると目元を赤く染めて俯く。そんな仕草も愛らしくて、どんどん夢中になっていく。

「愛しいアンジュ…今日は何をしようか?」
「あ…あなたっ、お願い…許して下さい…。」

連日の行為にアンジェラの身体は悲鳴を上げている。
毎晩の激しい愛の囁きに、翌日は身体が動かず子ども達の世話もままならない為、心身共に弱り切っている。

「許す?何を…?君が俺から逃げ出そうとしていた事?それとも、俺の愛に応えられない事か?」
「違う…違うの…。」

アンジェラは泣きそうな顔で、首を左右に振る。
確かに、最初は強引に奪われたから彼の愛を信じる事ができなかった。何の覚悟も出来ないまま、子どもが出来て縛られてしまっていた。そして、自分の態度で彼を不安にさせてしまっている。

「ダニエル…今までごめんなさい。あなたを不安にさせてしまっていたわ。私は、初めて会った時からあなたを…愛してるわ。」

夫の瞳を見つめて、アンジェラは微笑みながら告げた。ダニエルは、目を見開いて固まる。

『愛してる』

それは、今まで心の底から渇望していた彼女からの言葉だった。
ぽたっと、彼の宝石の様な瞳から玉の雫が溢れ出た。

「っ…アンジュ、アンジュ!!」

きつく彼女を抱きしめ、首筋に顔を埋める。
アンジェラは、優しく彼の頭を撫で何度も告げる。

その晩は、久方ぶりにただ抱き合い、たわいもない会話をしながら2人で眠りについた。





アンジェラは、自分が何故この世界に転生したのかはわからなかった。だけど、大切な人に出会えて自分の生きる意味を見つける事ができた。



私は、この世界でこの人の隣で生きて行こう。今ならそう思える。でも、少し心残りがあるわ…。


「ダニエル…もし…その、男性に誘われたら受けていいからね?できれば、影から私にも見せて欲しいの
…。」
「は?」


ラッキースケベは諦めなければ巡ってくるはずよ!

妻からのすっとんきょんなお願いにダニエルは、しばらく固まっていたが、愛する妻の為にすぐに行動に移したとかしなかったとか…。



                                                                       おわり。



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