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後編

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「ん…?」

重い瞼をこすりどうにか開けると、映ったのは見慣れない天井だった。

「あ、れ…?ここ、どこ?」

はっきりしない頭で、疑問を呟きながら周りを見渡す。私が寝ていたのは、大人が4人くらい寝れそうな程の大きさのベッドで、シーツも手触りがよい。
起き上がろうとして、身体を動かすとなぜか色んなところが痛む。

「痛…そうだ!私、ジオに…」
ようやく頭がはっきりして、昨日の事を思い出した。
思い出すと、なぜか身体が熱くなってお股が疼くのはなんでだろう?ジオに色々と聞きたいのだけど、肝心な本人がいない。ベッド座り込んでいる私は、とりあえずジオを探しに行こうとして足を動かした。

チャリ…

「え、何これ」

意識を足元に向けると、ヒンヤリと冷たい金属がそこにあった。足輪の様なそれは少しゆとりがあるが抜けない大きさで、足を掴んでいる。その輪に付いた細い鎖は、部屋の中央にある巨大な柱から伸びているようだ。嫌な予感がする…心臓が速く脈打って苦しい…
ベッドから降りて、戸口に向かいドアノブに手を伸ばそうとして近づくけど、グイっと足が引っ張られてギリギリで届かない。

「嘘…なんで??」

鎖は、無情にもラナを部屋に縛り付ける枷として存在を冷たく主張している。なぜ、こんなことになっているの?怖いよ、ジオ…なんでいないの?
寂しさと、怖さで涙が浮かんでくる。仕方なく、ベッドまで近づいて、床にへたりこむ。

「うぅ…ひっく…お母さん、お父さん…みんなに会いたい…家に帰りたいよぉ…」

静かな部屋に私の声だけが響いて、誰も何も言ってくれない。パンなんて貰いに来るんじゃなかった。私の心は、欲に負けた後悔でいっぱいだった。




✳︎✳︎✳︎✳︎




「ジオラルド殿下、こちらにおられたのですねぇ?」

女の猫なで声が、部屋の中に響いてその場にいた人間達が静まり返る。

「…何かご用でしょうか、ユリアーナ姫」

執務室で臣下達と政務について議論しながら、ありえない速さで仕事を片付けているジオラルドは、対照的に無表情、冷たい声で返す。

「うふ、つれない所も素敵…わたくしとの時間を作って下さらないからこうして参りましたのよ?」

侍女を引き連れて執務室に強引に押しかけたユリアーナ姫は、隣国からの預かり人だ。友好の証にジオラルドに嫁ぐ事になっていて、裏を返せば人質だ。豊満な体に、見事な金髪、少し吊り目だが美しい顔。だが、少し頭が弱く性格もよろしくない。自分を着飾る事に命をかけており、噂によると男好きらしい。ジオラルドの一番嫌いな人種だった。
人波を押し分けてジオラルドの側にきてしなだれかかった。腕を絡めて、豊満な胸を押し付ける姿は一国の姫とは思えない程に大胆で下品に見える。
そして、周りがヒヤヒヤしながら心配するのを知らずか、続けて言う。

「そろそろ、わたくしを可愛がって下さいませ…あなた様のココも待ちわびているのでは?わたくしと、殿下はもうすぐ夫婦になるのですから」

あろうことか、臣下の前でジオラルドの性器をズボンの上から撫でてうっとりと笑う。

「…ユリアーナ姫、私はあなたを妃には迎えますが夫婦になるつもりはありません」

ジオラルドは、鋭い目でユリアーナを睨み身体を引き剥がす。

「で、殿下?何をおっしゃってるのかわかりませんわ」
冷たく突き放され、ユリアーナは動揺する。

「あなたは股だけでなく頭も緩いようだ。言葉の通りです。政治上、仕方なくあなたを妃の1人として迎えはしますがそれは形だけです。私は、あなたを妻として扱うつもりはない。」
「なっ、なんですって!そんな事が許されるとでも!?父が知ったら、どうなると思っているの!」
「ミゲル陛下は了承されてますよ。それに、この事があなたを引き取る条件だったのですから」
「そんな…嘘よ…」
「わかったら部屋にお戻りを。心配しなくても、悪いようにはしませんから。後、部屋に贈り物を届けてますので…気に入って頂ければいいのですが」
「え、そうですの?嬉しいですわっ!」

ユリアーナは贈り物と聞くと、態度を変えて機嫌よく部屋に戻っていった。

姿を見送り、一同が深いため息を吐き、ジオラルドの臣下の1人が口を開いた。

「殿下…その贈り物というのは…まさか、ドレスとは言いますまい?」
「ん?あぁ、あの好き者の女は余程飢えているようだからな。女ならなんでもいいと言う、女好きの奴隷を送っておいた。」
ニヤリとジオラルドは口角を上げる。
「…子どもができたらどうします?仮にも王族ですよ。」
「子どもに罪はないからな…どこかの貴族の落とし胤として、近隣の国に養子に出すか」
「そうですね。それがよろしい…」
「はぁ、それにしても香水臭いな。あの女、人の体になすりつけやがって。斬りころさなかっただけましだと思えばいいさ」
「殿下、邪魔が入ってしまいましたのでしばらく休憩にしましょう。あの方は、もしや今頃心細くて泣いているかもしれませんよ」
「む、そうか!それはいけないな。ちょっと、僕はお姫様を慰めて来る」

さっきまでの威厳はどこにやったと言うような変わり身に、臣下は苦笑するも温かな目で主人を送り出す。


ジオラルド・ウォルデンバーグ、27歳

ウォルデンバーグ国の第1王子にして、次期国王。
鍛えられた体躯に、美しい顔立ち…政治の手腕も確かなもので、臣下からの信頼も厚い。一見すると、正に理想の王子様なのだが、問題があった。王子は幼少期のトラウマから重度の女嫌いで、触られるのを嫌う。特に、豊満で肉感が強いタイプが苦手で近づくと嫌悪感を顕にする。だが、一国の王になる身で女が苦手では困ると思い、改善しようと試行錯誤した。その結果、成長する前のつるぺたの幼女になら興奮を覚えるという変態体質であることが判明したのだった。だが、幼女もいずれ成長する。それに、子どもを身籠もるには子どものままではいけないのだ。ジオラルドは自身の性癖に悩み、様々な文献をあさった。そして見つけたのがラナの生まれた一族だった。ラナの父方の血族は、不思議な事に娘が生まれると見目が12~13歳くらいまで成長するとそこで成長が止まり、体は小さいままで成人を迎えるのだ。
体は子どもの様でも、初潮を迎えれば子を成す事ができるという、正にジオラルドの理想そのものだった。
事情を知る臣下たちも、この際身分とかはどうでもよく、王子が見つけてきた少女を寵妃として迎え大切にしようと決めていたのだった。とにかく、お世継ぎを!これが、スローガンだった。まさか、パンで釣り上げて、攫ってくるとは思いもしなかったが国の為、仕方がなかった。ラナの両親には手紙と、国からの報償金を送りなんとか納得してもらった。でも、王子に幼女趣味だけでなく、監禁趣味もあるとは知らなかった為、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。




✳︎✳︎✳︎✳︎



「ん、う…はん、う?」

なんだろう、気持ちがいい…でも体が熱い様な。2度目の眠りから目覚めた私は、閉じた目を開くとまたまた驚いた。床にいたはずなのに、なぜか全裸でベッドに寝ていて、ジオがおっぱいを吸っている。

「え、ジオ?何して…あん!」
「ちゅう、ん、あ、起きたかい?」

ちゅぽっと乳首から唇が離れるとキュンと、奥が疼いた。

「ごめんね、1人にして…色々とする事があってね」
「いい…それより、家に帰して欲しいの。」
「…ごめん、それはできない。」
「どうして?私はただ、パンを貰いたかっただけだよ!それに、なんで鎖で繋がれてるの?」
「ごめん、それは…君を繋いでいないと僕は不安なんだ。僕の母は、僕を置いて逃げた…お願い。ラナ…僕を捨てないで」

縋り付くように、抱きしめられて何も言えなくなってしまう。ずるいよ、こんなやり方…

「ジオは…ずるいよ…私、家族に会いたい…」
「ごめん…でも、落ち着いたら君の家族をここに招待するから、それまで辛抱して欲しい。」

君の家には、手紙を送っておいたと言われて渋々納得することにした。

「わかった…我慢する」
「ありがとう、ラナ!じゃあ、気が紛れるようにラナのおまんこ、たくさん僕のちんぽでズポズポしてあげる!」
「え、ちょ…ジオ!?やだ、やめて!そこはぁ…あぁん!」

ジオは、私の足を広げて一気に侵入してきた。
トントン、ズチュズチュッと奥を突かれて悩ましい声が漏れる。

「ふぁ…あん、あん…やぁ、おっきいよぉ…」
「ラナ、ラナぁ…僕のを搾り取ろうとしてるよ、うぅ…よすぎて持たないっ、ぐぅっ!」
「あーん、あちゅいのぉ…じおぉ…ひゃうぅ…」

ジオは、私の中に熱いのをドクドクと出して、ぎゅっと私を抱きしめた。

「あ…ぅ、ふぁ…赤ちゃんできちゃうぅ…いっぱい、せーえき…で、て…んぁ…」
「はぁはぁ、ラナ…僕の子ども産んで?たくさん…」
「だって…私、結婚もしてないのに、いきなり子どもなんて無理だよ…」
「ごめん、僕は気ばかりあせって大切な事を伝えてなかったね…ラナ、君が好きだ。僕と結婚してくれないか?一目惚れなんだ…」
「え、好きって…えぇ!?」
「ラナ、君こそ僕の理想の女の子なんだよ。君が側にいるだけで、僕のは…ほら、また大きくなったよ」

ジオは、私の手を握って自分のちんぽを握らせる。

「ジオっ、手…離してぇ!恥ずかしいっ」
「じゃあ、結婚する?」
「そ、それは…とにかく手を離してー!」
「うーん、じゃあ体に聞こうか」
「ちょ、ジオ…ひゃうっ、ふにゃあ~ん…」




そうして、私は散々ジオに攻められて陥落させられた。気づけば、私はジオの奥さんになっていて、あっという間に妊娠して翌年には跡取りとなる男の子を産み、その後も1年置いて長女、次男、次女、三男、三女…と6人の子宝に恵まれた。子どもが産まれても私のおっぱいは少し膨らんだだけで、お母さんみたいな大きなおっぱいになることはなかった。私は落ち込んだけど、ジオは喜んでた。後から知ったけど、ジオはこの国の王様になる人で、幼女好きな変態だった。ジオは最初に約束した通り、私の事をとても大切に愛してくれている。優しくて、格好よくて理想の旦那様なんだけど、夜になると変態っぽくなるのが少し辛い。それに、結婚してからジオは毎晩私にエッチな事をしてくるから、身体が休まる暇がなかった。







「あんあん、あ~~っイクっ、イっちゃうのぉ!!」
「ラナっ、ラナのロリまんこに射精するよっ!あーっ、出るっ!」
「ひぅぅぅ!」

「はぁはぁ…ラナ、愛してる…僕だけの…可愛い幼女…じゃない、女の子…」
「…ジオ…私、もう28だよ…」
「…見た目は幼女、中身は淑女…ギャップ萌え!」
「……。」






ほんと、パンを貰うだけのはずが、どうしてこうなった?




【完】
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みんなの感想(4件)

あるちゃいる

引き取った姫君の贈り物が女奴隷なの?
で、子供が出来たらどっかに渡すっていうのは何?
女同士で子供が出来る世界なの?

解除
c-
2019.02.06 c-

最後の「見た目は幼女、中身は淑女、ギャップ萌え!」のところで笑ってしまった…WWW

解除
伊予二名
2019.02.06 伊予二名

ノータッチのルールを破ったな。吊るせ(・∀・)

解除

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