2 / 7
1.当時の国際関係と国際魔方陣天文台の建造
しおりを挟む
当時の人類世界には、以下の諸国が存在した。
森林連合王国、山人親方国連邦、大草海単于国、組合共和国、天空帝国、魔法皇国の六カ国である。
森林連合王国は魔力樹液を分泌する法樹を魔法の為の魔力源とする森人と森に住む獣人達の二人の王を有する王国であり、山人親方国連邦は各地で魔炭・魔油・魔宝石・魔金属を鉱山から発掘する山人の親方徒弟の支配制度からなる鉱山単位の連邦国家、大草海単于国は怪物を牧畜使役しそこから魔力資源を得る草原小人と草原獣人達の集まりであり、その時々で有力者が指導者である単于を持ち回る。
そして組合共和国、天空帝国、魔法皇国が、最大人口を誇る間人達の国家群であった。
組合共和国は大商人達の合議による都市国家の通商連合であり、天空帝国は最も飛行魔法を発達させそれを誇り国号とした新興の軍事国家、魔法皇国は飛行魔法開発より古い時代から魔法研究を行ってきた魔法使い達の学園と研究対象である魔法を崇拝する魔法教の神殿総本山が複合した、かつて勇者を生み出した神聖研究国家。
これら三国家はそれぞれ資金力、軍事力と人口、魔法技術において間人以外の人類を主な人口とする国家に対して優越であったが、魔力資源に冠しては非間人三国に劣り、故に魔王国相手に共闘していた時は兎も角、魔王国の脅威が無くなった今、非間人三国に魔力資源を握られている状況は当然人類三国にとっては面白い状態では無かった。
また、非間人三国においても、鉱山採掘で森に環境的な負荷を掛ける事から森林連合王国と山人親方国連邦の仲は良くなかった。
そこに旧魔王国領土という巨大な土地をどう統治するのか、という結構な火種が投じられたのである。
必然、一触即発の自体となった。
だが、各国もそこで即座に戦争にいかないだけの理性は持っていた。等しく魔王国と戦った仲という意識もあり、そしてまた、二度の大戦で、戦というものがどれほど甚大な被害をもたらすかという事も骨身にしみていた。再度の大動員など、国家の大戦で負ったダメージを考えれば避けたい。緊張緩和を求めて外交が重ねられ……会議が進まず踊りまくる中、苦し紛れに幾つかの国際的協力によるプロジェクトがひねり出された。
……とりあえずのポーズでしかなかったその一つである、航空魔法発展の為の研究施設としての国際魔方陣天文台の建設が、歴史を大きく動かす事になる。
森林連合王国、山人親方国連邦、大草海単于国、組合共和国、天空帝国、魔法皇国の六カ国である。
森林連合王国は魔力樹液を分泌する法樹を魔法の為の魔力源とする森人と森に住む獣人達の二人の王を有する王国であり、山人親方国連邦は各地で魔炭・魔油・魔宝石・魔金属を鉱山から発掘する山人の親方徒弟の支配制度からなる鉱山単位の連邦国家、大草海単于国は怪物を牧畜使役しそこから魔力資源を得る草原小人と草原獣人達の集まりであり、その時々で有力者が指導者である単于を持ち回る。
そして組合共和国、天空帝国、魔法皇国が、最大人口を誇る間人達の国家群であった。
組合共和国は大商人達の合議による都市国家の通商連合であり、天空帝国は最も飛行魔法を発達させそれを誇り国号とした新興の軍事国家、魔法皇国は飛行魔法開発より古い時代から魔法研究を行ってきた魔法使い達の学園と研究対象である魔法を崇拝する魔法教の神殿総本山が複合した、かつて勇者を生み出した神聖研究国家。
これら三国家はそれぞれ資金力、軍事力と人口、魔法技術において間人以外の人類を主な人口とする国家に対して優越であったが、魔力資源に冠しては非間人三国に劣り、故に魔王国相手に共闘していた時は兎も角、魔王国の脅威が無くなった今、非間人三国に魔力資源を握られている状況は当然人類三国にとっては面白い状態では無かった。
また、非間人三国においても、鉱山採掘で森に環境的な負荷を掛ける事から森林連合王国と山人親方国連邦の仲は良くなかった。
そこに旧魔王国領土という巨大な土地をどう統治するのか、という結構な火種が投じられたのである。
必然、一触即発の自体となった。
だが、各国もそこで即座に戦争にいかないだけの理性は持っていた。等しく魔王国と戦った仲という意識もあり、そしてまた、二度の大戦で、戦というものがどれほど甚大な被害をもたらすかという事も骨身にしみていた。再度の大動員など、国家の大戦で負ったダメージを考えれば避けたい。緊張緩和を求めて外交が重ねられ……会議が進まず踊りまくる中、苦し紛れに幾つかの国際的協力によるプロジェクトがひねり出された。
……とりあえずのポーズでしかなかったその一つである、航空魔法発展の為の研究施設としての国際魔方陣天文台の建設が、歴史を大きく動かす事になる。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
英雄の世紀
博元 裕央
SF
※本作品は別の世界の歴史を描いたフィクションであり、また歴史上の人物を扱う時この世界と氏名を改変しているように特定の国家・思想・人物・団体・キャラクターを貶める意図はありません。一部に戦争や歴史等デリケートな要素に関する描写を含んでいます。ご注意下さい。
(BGM:伯林は燃えているか)
様々なヒーローやヴィラン、怪獣や正義の味方や悪の組織……即ち英雄達が活動した20世紀の歴史。
彼等彼女等英雄は歴史に翻弄され、同時に歴史に大きな影響を与えました。
民衆は英雄に時に歓呼し、時に恐怖し。時に救われ、時に罪を犯しました。
正義に対する様々な在り方があり、英雄としての様々な在り方がありました。
「超人以前」「剣傑」「名探偵」「犯罪王」「孤警」「怪盗」「犯罪皇帝」「天狗」
「火星人」「エディソン」「テスラー」
「メトロポリス」「吸血鬼」「狼男」「屠殺者」
「金鵄髑髏」「調停者」「アメイジングマン」「ヒューマンライト」「ゴールドエイジ」
「第二次世界大戦」「超人輸血」「原爆投下」
「レッドパージ」「シルバーエイジ」「ヒーロー・コード」「ディ・シィ・コデックス」「マーベラス・コミュニティ」
「菩薩仮面」「七色天女」「怪人ブラックフォグ」「カノン機関」「正義の味方」
「ビキニ環礁水爆実験」「破壊怪獣ガグラ」「第二次朝鮮戦争」「怪獣頻出期」「ハイパーマン」「宇宙怪獣ガガラン」「革命怪獣ゲバラー」「キューバ三重危機」「60年代安保運動」
「ベトナム戦争」「ブロンズエイジ」「レッドナポレオン」「公民権運動」「黒拳党」「第二次内戦」
「70年代安保運動」「組織」「大阪万博芸術爆発事件」「四島事変」
「グリム&グリッティ・アイアンエイジ」「石油破局」「アフリカ民族大戦」
「伯林誤報事件」「異次元人ブウイヌムル」「”第三次世界大戦”事件」「冷戦終結」
【英雄の世紀】
世界各地から発掘した資料で、100年の歴史を追体験する。
第一集は【英雄の世紀の幕開け~世紀と世界を超え、人の限界を超えた者達が現れ始めた~】です……
※【第○集】とあるタイトルの回は劇中世界で放送されたTV番組【英雄の世紀】を描写したもので地の文がナレーション・()が劇中世界の過去の映像・「」が劇中世界の過去の録音音声・文章ですが、【断章】回は『【英雄の世紀】が製作された世界』に起こった出来事の断片的な描写で、【資料】回は『【英雄の世紀】が製作された世界』の存在(人物/怪獣等)に関する記録です。
何れも【英雄の世紀】の内容では無く、また『【英雄の世紀】が製作された世界』で広く認知されていない事柄の場合もあります。
またそれ故にTV番組のナレーションを意識した文体となっている本編と文体が異なります。
以上をご承知の上本編の補完としてお読み下さい。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
アンドロイドの歪な恋 ~PROJECT II~
松本ダリア
SF
西暦3xxx年、温暖化と繰り返される争いの影響で地球は汚染され、人々は追われた。人類が宇宙船で移住した先は地球によく似た「メトロポリス星」
宇宙船の乗車券を巡る激しい争いで激減した人口を補うため、政府は協力者を募り、子供を産むことのできるアンドロイドを開発する「アンドロイドプロジェクト」を発足。
問題児のアンドロイド、ハレーの暴走を止めるために開発された最強の女アンドロイド、ベネラ。彼女は赤髪・爆乳・妖艶な魅力を持ち、女を武器にあらゆる性的なテクニックを駆使してハレーを翻弄していく。ハレーに全く恋心を抱かなかったベネラだが、思い遣りのある男に成長していくハレーに次第に心を奪われていく。
そんな中、雄飛とイオの子供であり、人間と犬の性質を併せ持つアンドロイド、シリウスが水端流の知り合いの動物学者に預けられることに。が、その学者の胡散臭さに気づいたハレーとベネラはある行動に出る。が、そこで思いもよらない運命が二人を待ち受けていて……。
ベネラはハレーに恋心を抱くのか?
ハレーの片想いは実るのか?
動物学者は果たして何者なのか?
シリウスは無事に帰還することができるのか?
男女のアンドロイドのダブル主人公で贈る、アンドロイドプロジェクトシリーズ全3部作の第2部です。第1部から1年後のお話。なので、第1部から読んで頂いた方がより楽しめるかと思います。未読の方はぜひ、第1部からお読みください。
SFファンタジー×官能ワールドをどうぞご堪能ください。(第1部よりも若干ファンタジー寄りです)
※全19話で執筆済み。
※性描写(R15・R18)があるものにはタイトルに「*」を付けます。
※一部特殊プレイ有り(該当する回には注意書きあり)
※関西弁キャラが登場しますが、作者は関西人ではないため方言が正確ではありません。間違いがあるかもしれませんが、どうかご了承ください。(念のため変換ツールでも確認しながら書きました)
※完全オリジナルのSF作品は初の為、設定に関するツッコミ、批判等はどうぞご遠慮頂き、温かい目で見守って頂けると幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる