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17.5話 ロリ魔王、アルバイトするのだ!
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「聞いて驚けっ!」
喫茶店の扉をバアアアアアアンと豪快に開けて
彼女は衝撃的な宣言をする。
晴天の霹靂である。
「わたしちゃん、アルバイトをしまーーす!」
「えっ?」
「………なに?」
「…………………え?」
「はっ?」
「わふ?」
「フッフッフ……わたしちゃん本気なのです!」
「ギョエエエエエエエエーーーーー!?!? 」
喫茶店に驚愕した少女達の叫び声が木霊する。
数時間前……
「なんだ……藪から棒に」
「わたしちゃんは今、猛烈にお小遣いが欲しい!」
「……なぜだ?」
「何故かって?それは…とある施設を造ったり
買いたい物を買い過ぎて
財布の中のお金を使い果たしているからなっ!」
「ドヤ顔で言うことなのか……?」
「実はな……」
「なるほど、面白いことを考えるな…」
「そうでしょそうでしょ~!
魔界には無いんだよね、そういうやつ」
「そうだな……一週間アルバイトでもやってみるか?」
「………というわけだ。
安心しろ、ただの…少々制服が如何わしいが
それだけの普通の喫茶店だ。」
「じ…事情はわかりましたが…大丈夫ですかねぇ?」
「確かに、シャルロットって喫茶店の手伝いあんまりやらない…
というか一度も手伝ったのを見たことがないわ。」
「シャルロットって完璧に見えて案外
天然というか結構ドジなのよね……
この前、窓拭きをさせてたら…
力加減を間違えて窓枠ごとぶっ飛ばしてたし」
「師匠にお野菜のお使いを頼んだら
何故か野菜の種も一緒に買ってきましたし」
「この間は寝ながら歩いていて壁に激突してましたし」
「よく寝ぼけて国一つを灰にする魔法を撃とうとするし」
「洗濯をさせたら、たまに寝ぼけながらやるせいで
服が全部泡まみれになることもあったわ」
「バイト先の料理に悪戯して激辛唐辛子を仕込んだりしそうですよね…」
「ドジをやらかして厨房を爆発させてそうだよねー」
「流石にお前達が心配する事態にはならないと思うが…
うむ……そうだな。一人見張りが必要だろう。」
「……えっ?」
誰が見張るのかはくじ引きで決まった。
当たりを引いたのはモルドレッドだ。
「は…はあああああああ!?」
アルバイト一日目終了。
「あぴゃあ……………」
モルドレッドの口から魂が抜け落ちてたかのように
脱力している。相当疲れたらしい。
「い…いったいバイト先で何があったのよ!?」
「これは………相当ヤバいことが起きてますね。」
「そんじゃあ、わたしちゃんはお風呂に入ってくるぜ~!」
二日目
「そんじゃ今日もアルバイト行ってきま~す!」
「びょぽぽぽ~」
モルちゃんからは生気がまるで感じられない。
「い…いってらっしゃい……」
「や…やっぱり様子を見に行ってきます
どんなバイトなのか気になるのでっ!」
「あっ…ティナちゃんとルミナちゃんとルクシアちゃんも気をつけてくださいね!」
数時間後………
「あぴゃああああ…………」
「のほほほほほほほほ」
そこには正気を失っている半笑いを浮かべている
モルドレッドとルミナとティナの姿があった
「三人とも正気を失っているのですっ!?」
「………明日から、わたし達も師匠と一緒に
一週間アルバイトしようと思います………ガクッ。」
「なんですとっ!?」
アルバイト三日目
「よーし!行くぞお前達!わたしちゃんについてこ~い!」
「あへえぇぇぇい」
「は~い………」
「い…いってらっしゃい………。」
「そ…それでは…妹のバイトを頑張る姿でも見に行きましょうか!」
「わたしもいってきまーーす!」
「…………気をつけて」
「不安だわ…………」
数時間後…………
「チーーーーーン」
「あははははははははははっ!!!」
帰ってきたのは
鼻血を垂らしながら白目を向いているローザと
笑い転げているネムリンだった。
「な……なにが起きているのよーーー!?」
アルバイト四日目
ジャンヌとアリスは行けば皆が正気を失う
アルバイトが気になりすぎて来てしまった。
「こ…この先が………魔境と化したアルバイトの店」
「………気になる…………。」
『何が起きてるのか確認するしかないじゃない。
このままじゃ崩壊の危機なのだ!』
「…………そうだね………」
外観は普通の喫茶店のようだが
窓から中の様子を覗くと…そこには
ウエイトレスと際どいバニーガールが合わさったような衣装で
接客をしているシャルロットとモルドレッドとティナがいた。
シャルロットは白と金のバニーガール
モルドレッドは赤と黒のバニーガール
ルミナは白銀と水色のバニーガール。
ティナは白と銀のバニーガールだ。
「お待たせいたしました~
ラビットステーキのソテー、キャロットソースと
炭火焼きオリーブチキンとブラックタイガーのリゾットになります。
ごゆっくりどうぞ~」
「!?!?」
「………こ……こ…これは…………な…に………???」
「すみませーん」
「は~い。ご注文はお決まりですか?」
い……意外とちゃんとやれてるじゃない……
「コックさ~ん。
2番様にひよこ豆のサラダと
胡椒抜きガーリックバタートースト。
3番様に牛ロースステーキ、焼き加減はレア。 と
カニクリームパスタ、ビッグサイズでセットのコーヒーは食後です。
5番様にアワビの塩釜焼きとエスカルゴのバター焼きと
明太子マヨネーズパスタと
食後のデザートに、アイスクリームと林檎のシャーベット。
それとブルーマウンテン、食事後にミルクティーです。
それから24番様が注文したトマトスープと
22番様が注文したチーズケーキが滞っています。」
「あっ、先輩トイレの変な落書き掃除しときましたっ!」
「あ…ありがとう………」
「あっ、店長さん。
流れが悪かった水道とか壊れていた魔道具とか
もろもろ全部修理しておきましたっ!」
「あら~!いつもほんと助かるわ~!
シャルロットちゃんが来てからというもの
うちの売上がすっかり鰻龍登りよ~!
このままうちの喫茶店の看板娘になってくれないかしらねー?」
「いや~それほどでも~
看板娘ですかぁ…考えておきますねっ!」
「あっお兄さん今日も来てくれたんですねっ!」
「いつものセットで大丈夫ですね?」
ぱああああ……とシャルロットは
純粋無垢で天真爛漫な幼い少女のように
男性の手を握って天使のような笑顔を浮かべる。
シャルロットが来てから常連となったこの男性は
顔を紅く染めて顔を思わず反らした。
「あらあら~…あのお兄さんったら赤くなっちゃってる
かわいいわねーーー。
シャルロットちゃんが来てからというもの
通うのにすっかりハマっちゃった人の一人でねえ」
と店長さんがお客さんと談笑している声が聞こえる。
か……完璧にこなしているわ……有能すぎる………。
………なんとなく……皆がああなった理由が分かった気がする。
普段とのギャップが凄すぎるのよ………っ!?
ジャンヌも信じられない物を見たような顔になっている。
「零、これはどういうことが説明しなさいっ!?」
「……どういう?……とは?」
「アイツならそれくらいできるぞ?」
「えっ?……どういうことよ?」
「そうだな…説明するのが難しいが
結論から言うと本人のやる気の問題だ。
お姉ちゃんは普段の巫山戯ている態度や
ムードメーカー然としたテンションの高さは
かつて、お姉ちゃんはもう一人の人格のような物を作り上げた
普段のシャルロットは本来の姿ではなく
もう一人のお姉ちゃんのようなモノ。
そういう元気で明るく主人公風なキャラクターを設定し
その通りに演じているだけに過ぎない。
まあ、最近はその仮面がくっついて取れなくなったらしいが。
いつものお姉ちゃんとは違ってもう一人の…
本来のお姉ちゃんは
その気になれば完璧になんでもこなせる
元々ポテンシャルがすごく高い子なのだ。
頭もいいしああ見えて順応性もある。
でも本人の心持ちに問題がある………」
「要は宝の持ち腐れだ」
「…………なるほど………」
「確かに自由奔放よねぇあの子。
その時意識が向いたこと以外眼中にないってことね」
アルバイト五日目
私達は今日はお客さんとしてやってきました。
「もうすっかり看板娘ってやつね」
「……意外………」
「ええ。まさか妹の新しい一面を見られるなんて」
「ん?そこの君」
「あっ。はい、なんですか?」
「きゃっ!?」
シャルロットが突然客にワインをかけられた。
純白の髪の先からポタポタと血のようにワインが落ちる。
「!」
「えっ!!」
「グラスが汚れているぞ。すぐに取り替えろ」
「あー……死んだな……あいつ。」
「………ひどい………。」
「店が灰塵になる前に逃げた方がいいかしら?」
「むぅー、なんなのあの嫌な人ー?ヒドイよねー」
「まあ、待ちましょう。シャルロットちゃんを信じましょう。」
「……そうでしたか……すぐ取り替えてきます。
本当に……申し訳ございませんでした。」
「ホッ………アイツの魔力が爆発するか…焦った………
クレーマーの対処もちゃんとできるってわけか………」
「仕方がないです。客商売ですもの。
どんな素晴らしい神接客をしていたって
あんなトラブルは起こるものですからねえ」
「それでも真面目に働くから偉いわよね。
私なら今頃、殴り返してた所よ」
「………アリスは………凶暴………?」
「なんでそうなるのよっ!?」
「……だけどなんでアイツは
そこまでしてお金が欲しいんだろうか?」
「はっ!そういえばこの間
シャルロットちゃんに聞かれたんです。
モルちゃんが嬉しがるプレゼントってなんですか?って」
(私はその時、確か半分冗談で…
シャルロットちゃんの水着姿…と答えたはず……まさか!?)
「じゃあ…………シャルロットは………モルちゃんに……
プレゼントを買うために……頑張ってる………?」
シャルロットはクレーマーから酒を浴びせられても
顔色一つ変えずに笑顔を絶やさずに接客し
料理やお酒を運んでいる。
「というか、ここ数日、働きぶりを見てきたけど
見張り役の方が全然働けてないわよね……?」
「たしかに……シャルロットの働きぶりが………
衝撃的過ぎて…………あまり描写されてなかった……」
ティナが大量のお皿を運んでいるが今にも崩れそうだ。
「ま……前が…見えない………」
モルドレッドはコケたり注文で小さなミスを連発している。
「セットのコーヒーは食事のあとっと…わあっ!』
「大丈夫お姉ちゃん?」
「あっ……ありがと……シャルロット」
「オイコラァ!そこの金髪!また注文を聞き間違えてるぞ!」
「ヒィッ!す…すみません!」
「もう……む…り……わあっ!」
「おっと……大丈夫?一緒に運ぼうか?」
「師匠…助かりました…」
ルミナは、恥ずかしがり屋な性格が災いして
接客がまともに出来ていなかった。
「あうううぅぅぅ……すみません~!」
ちなみにルクシアはシャルロットの動きや記憶を模倣して
シャルロットと一緒にミスを連発するドジな見張り役をフォローしていた。
「店長さん!私達そろそろ休憩をとってもいいですか?」
「ダメよ~ダメダメ!
あなた達2人でどれだけ皿を割ったと思ってるの!?」
「破壊神の如く割りまくって……200枚…ぐらいかしら?」
「456枚よっ!!?」
「あはは……20……7枚ぐらいです?」
「72枚よっ!?!?」
「店長さん。客が減ったので倉庫の在庫確認をしてきますね!」
「あ~ら気が利くわね!そこの2人も連れていきなさ~い。」
「はい!それじゃあいってきます!」
「こ…好感度の差が凄まじいです…」
「あっ、あんたら二人は休憩なしで皿洗いだからね!」
「「そ……そんなああ~!!」」
休憩時間になった。
黒のバニーガール衣装に着替えた
この喫茶店兼バーのオーナーである久遠零が現れた。
「………随分と…楽しそうデスね、お姉ちゃん」
「おー!可愛いじゃん」
「…………くすぐったいのデス。」
「あらー!可愛いわねー!」
「……ってオ、オオオオーナーのお姉さん!?」
店長さんの目玉が飛び出てサングラスを粉砕した。
「そうなんっすよー、ってオーナーってお前だったんだ。」
「……ん?言ってなかったか?」
「ここは、私が創った喫茶店…なのデス。」
零が指を鳴らすと
バイト仲間の先輩女子が
零にジョッキに抹茶ミルクを注いで持ってきた。
オーナーが来店すると、いつもオーナーは
抹茶ミルクかミルクセーキをご所望するのが
お決まりになってるらしい。
「オーナーっこれ飲んでください!」
「………んっ………ありがと…デス……。」
ゴチュゴチュゴチュゴチュと喉を鳴らしながら
零は一気飲みする。
「………ぷはっ」
「おお~!流石オーナーいい飲みっぷりですなー!」
零は飲み終わると酔っぱらいのようにフラフラして尻餅をついた。
「おっと……?どうした?」
「………なんデス…か?」
「オーナーって一気飲みした後はいつも酔っちゃうんですよねー」
「まあ、そこが可愛いんすけどね~」
小動物のような可愛らしさがある零の姿に
バニーガール先輩達が黄色い悲鳴をあげている。
「……これマジ?アルコール入ってないのに酔う奴とかいるんだ…?」
「いや……バイトの子にカフェインで酔う子がいたし
何もおかしなことじゃ……ないのか?」
「零ちゃんって私と出会ったときから
ずっと一緒にいても、謎が多かったけど
まさかこんな一面が見れるなんてなあ……」
「これじゃけちゃ……たりネー……の……レス」
「もっちょ……モッテクルのデス……!」
腕をブンブン振り回しながら子供のように
命令する小動物系オーナー
「キャーー!かわいいーー!」
「いっぱーい……おカワりするのデス……」
「は~いっ!オーナー
抹茶ミルクのおかわりもってきますね~」
シャルロットは、はじめてみる妹の姿に
呆然としていると、零が腕を引っ張ってきた。
「あなたも~……うさちゃんなら……なでなでするのデス~…」
ソファーに座ったシャルロットは
零の頭を撫でて膝に酔っぱらった零を座らせる。
「むぅーー……ミーちゃん………あなたは……
むかしから……しんぱいばっかりさせえ~
わらしたちをくろうさせるのですー」
「オーナーがこんなに酔うなんて珍しいですね~」
「いつもはこんなに酔っぱらないんっすか?先輩」
「あはは…はい、こんなにオーナーが酔っぱらうのは
親愛の証と言いますか、
よっほど心を許してる人にしか見せないって酔ってる時に言ってました。」
「うん、それにオーナー、ここ最近ずっと忙しそうにして
頑張ってたんですよー、このお店を創ったのも
なんでも大好きなお姉さんの為だとか」
「へえ……てか、飲みすぎじゃない?」
「そんにゃことないレスー!
あなたたちがやらかしてるせいでこっちも
おつかれもーどなんレス~!
もっとミルクもってくるのデス~!」
零は大ジョッキに注がれた抹茶ミルクとミルクセーキを一気飲みする。
「お姉ちゃんもっ!いもうとの肩を揉むのデスー!」
「はいはい、しょうがないなぁ」
零の肩を軽くマッサージしてやる。
マシュマロのように柔らかく幼女のようなモチモチ肌だ。
「んにゃあ……♡」
お餅のようで珠のような肌を揉みほぐしていく。
「うにゃあ………♡」
トロトロになっている妹を横目に
お腹やふとももの方もマッサージしてあげると
零は聞いたことがないような声をあげた。
「うにゃあ…………クゥゥゥゥゥゥ………♡」
「おねーちゃんのマッサージ、きもちーのレス……」
「んっふぅうぅうっ♡な…なに……これぇ♡
おおお~っ♡なにかぁっ……くるっデス♡うにゃ…♡」
「オ”ッ、イ”グッ、あ"っ、ニャア―――っ!!
「わあ……オーナーとシャルロットさんって
いつもあんなことしてるのかな~!」
「わ、私達す…すごいものを見ている気がするわっ!」
そうしてシャルロット……とポンコツな
姉と弟子はアルバイトを四苦八苦しながらもこなしていった。
「お……終わりました~!」
「一週間……本当に大変だったわ…………!」
「いや~二人共よく頑張ってくれたね。」
「まさか、彼女にこんな一面があったなんてね…」
「まあ、数年に一度ぐらいしかこのような
お姉ちゃんは見られないだろうがな」
「シャルロット…本当に助かったわ……」
「師匠すみません…ずっと役立つことができずに……」
「ん?なんのこと?」
シャルロットはキョトンとしている。
「わたしちゃん、ちょっと夜のお散歩に行ってくるわ。」
夜道を歩いていたクレーマーの魔族の前方から
黒いドレスを身に纏い、真紅の瞳になっている
シャルロットが静かに歩いてくる
「………チッ…なんですか。
誰かと思えばあの店の…もしかして酒をかけた逆恨みですか?」
「………………………」
「かかってくるならいつでもどうぞ?
俺も貴女には腹が立っているのでね」
「へえ…?」
「あなたのその貼り付けたような笑顔が目障りだったんですぅ!
まるで希望そのもの、世界の破滅を望む
あの方の配下である私からすれば
非常に腹立たしい偽善者の笑顔にしか思えませんでした。」
「…………」
笑みが完全に消え失せ冷徹な表情になったシャルロットが
破壊の神眼が開眼した瞳を開くと魔族の両目が潰れる。
「うっぐわああああああ!!」
「このガキ…やはり魔王でしたか!クソッ!目さえ開けられれば…」
「そうだ……コレがあるじゃあないかっ!」
魔族は遥か未来の技術で造られた魔法銃を取り出し
禍々しいキューブ状のエネルギーが魔族を包み
アズモデウスという悪魔に姿を変えて
発砲するがシャルロットには当たらない。
【FASARUTO・LASER・NO】
【FASARUTO・LASER】
「クソッ!クソッ!どうして当たらないっ!?」
「へえ…貴方って未来人だったんだ。
今、初めて知ったわ。」
「どうしてだ?俺に不審な点はなかったはず。なぜ?」
「わたしはちょっとムカついたから
貴方に発信機のような魔道具をつけただけですよ?
後でいつでもぶち殺せるように…………ね。」
「は?あなたは酒をかけられ腹が立ったというだけで
こんな非道なことをしたんですか?
たまたま俺がアザラ様の配下の世界破滅派の
未来人であることを見抜いたから襲っているわけ…ではないとでも?」
「そんなわけないでしょ?
貴方が何者だろうと関係なく、こうしていた。
貴方の死因はたった一つ。とてもシンプリなもの。
お前は私を怒らせた。たったそれだけ。」
「じゃあ…あなたは迷惑な客がいるたびに
毎回発信機を取り付け
いつでも殺せる準備を整えていたんですか!?」
「そうだけど?君で記念すべき十人目です。」
「間違っている…あなたは!人として何もかもが間違っているっ!?」
「こんなのが……こんな……狂っている化け物が
あの方が崇拝している神様だというのか!?
あり得ない……こんなの…神ではなく悪魔じゃないか……!!!」
「そうだね、私は悪魔だよ。」
シャルロットの真紅の瞳が紅い輝きを放つ。
「ああああああッ!!!???」
「クソッ!また両目を潰されたあっ!?」
「何処だっ!?どこにいるっ!?」
シャルロットはアズモデウスを冷徹な瞳で見下ろしている。
闇色の魔剣を取り出しアズモデウスの頭蓋に突き刺す。
アズモデウスの肉体と魂が黒い粒子に変わり
アズモデウスの魂が完全に滅びた。
「それで、シャルロットちゃんは
バイト代で何を買ったんでしょうか?」
「服作りに参考にする為の水着と
みんなにプレゼントする為の水着。」
「それとプールを造ったんだよ。」
「え?」
「なにを?」
「造ったって?」
「言ったんですか?」
「魔界に超巨大な遊泳施設、超弩級のプール
ドデカプールアクアマリンを………なっ!」
「な……なんですってーーーー!?!!!???」
次回、水着回です。
喫茶店の扉をバアアアアアアンと豪快に開けて
彼女は衝撃的な宣言をする。
晴天の霹靂である。
「わたしちゃん、アルバイトをしまーーす!」
「えっ?」
「………なに?」
「…………………え?」
「はっ?」
「わふ?」
「フッフッフ……わたしちゃん本気なのです!」
「ギョエエエエエエエエーーーーー!?!? 」
喫茶店に驚愕した少女達の叫び声が木霊する。
数時間前……
「なんだ……藪から棒に」
「わたしちゃんは今、猛烈にお小遣いが欲しい!」
「……なぜだ?」
「何故かって?それは…とある施設を造ったり
買いたい物を買い過ぎて
財布の中のお金を使い果たしているからなっ!」
「ドヤ顔で言うことなのか……?」
「実はな……」
「なるほど、面白いことを考えるな…」
「そうでしょそうでしょ~!
魔界には無いんだよね、そういうやつ」
「そうだな……一週間アルバイトでもやってみるか?」
「………というわけだ。
安心しろ、ただの…少々制服が如何わしいが
それだけの普通の喫茶店だ。」
「じ…事情はわかりましたが…大丈夫ですかねぇ?」
「確かに、シャルロットって喫茶店の手伝いあんまりやらない…
というか一度も手伝ったのを見たことがないわ。」
「シャルロットって完璧に見えて案外
天然というか結構ドジなのよね……
この前、窓拭きをさせてたら…
力加減を間違えて窓枠ごとぶっ飛ばしてたし」
「師匠にお野菜のお使いを頼んだら
何故か野菜の種も一緒に買ってきましたし」
「この間は寝ながら歩いていて壁に激突してましたし」
「よく寝ぼけて国一つを灰にする魔法を撃とうとするし」
「洗濯をさせたら、たまに寝ぼけながらやるせいで
服が全部泡まみれになることもあったわ」
「バイト先の料理に悪戯して激辛唐辛子を仕込んだりしそうですよね…」
「ドジをやらかして厨房を爆発させてそうだよねー」
「流石にお前達が心配する事態にはならないと思うが…
うむ……そうだな。一人見張りが必要だろう。」
「……えっ?」
誰が見張るのかはくじ引きで決まった。
当たりを引いたのはモルドレッドだ。
「は…はあああああああ!?」
アルバイト一日目終了。
「あぴゃあ……………」
モルドレッドの口から魂が抜け落ちてたかのように
脱力している。相当疲れたらしい。
「い…いったいバイト先で何があったのよ!?」
「これは………相当ヤバいことが起きてますね。」
「そんじゃあ、わたしちゃんはお風呂に入ってくるぜ~!」
二日目
「そんじゃ今日もアルバイト行ってきま~す!」
「びょぽぽぽ~」
モルちゃんからは生気がまるで感じられない。
「い…いってらっしゃい……」
「や…やっぱり様子を見に行ってきます
どんなバイトなのか気になるのでっ!」
「あっ…ティナちゃんとルミナちゃんとルクシアちゃんも気をつけてくださいね!」
数時間後………
「あぴゃああああ…………」
「のほほほほほほほほ」
そこには正気を失っている半笑いを浮かべている
モルドレッドとルミナとティナの姿があった
「三人とも正気を失っているのですっ!?」
「………明日から、わたし達も師匠と一緒に
一週間アルバイトしようと思います………ガクッ。」
「なんですとっ!?」
アルバイト三日目
「よーし!行くぞお前達!わたしちゃんについてこ~い!」
「あへえぇぇぇい」
「は~い………」
「い…いってらっしゃい………。」
「そ…それでは…妹のバイトを頑張る姿でも見に行きましょうか!」
「わたしもいってきまーーす!」
「…………気をつけて」
「不安だわ…………」
数時間後…………
「チーーーーーン」
「あははははははははははっ!!!」
帰ってきたのは
鼻血を垂らしながら白目を向いているローザと
笑い転げているネムリンだった。
「な……なにが起きているのよーーー!?」
アルバイト四日目
ジャンヌとアリスは行けば皆が正気を失う
アルバイトが気になりすぎて来てしまった。
「こ…この先が………魔境と化したアルバイトの店」
「………気になる…………。」
『何が起きてるのか確認するしかないじゃない。
このままじゃ崩壊の危機なのだ!』
「…………そうだね………」
外観は普通の喫茶店のようだが
窓から中の様子を覗くと…そこには
ウエイトレスと際どいバニーガールが合わさったような衣装で
接客をしているシャルロットとモルドレッドとティナがいた。
シャルロットは白と金のバニーガール
モルドレッドは赤と黒のバニーガール
ルミナは白銀と水色のバニーガール。
ティナは白と銀のバニーガールだ。
「お待たせいたしました~
ラビットステーキのソテー、キャロットソースと
炭火焼きオリーブチキンとブラックタイガーのリゾットになります。
ごゆっくりどうぞ~」
「!?!?」
「………こ……こ…これは…………な…に………???」
「すみませーん」
「は~い。ご注文はお決まりですか?」
い……意外とちゃんとやれてるじゃない……
「コックさ~ん。
2番様にひよこ豆のサラダと
胡椒抜きガーリックバタートースト。
3番様に牛ロースステーキ、焼き加減はレア。 と
カニクリームパスタ、ビッグサイズでセットのコーヒーは食後です。
5番様にアワビの塩釜焼きとエスカルゴのバター焼きと
明太子マヨネーズパスタと
食後のデザートに、アイスクリームと林檎のシャーベット。
それとブルーマウンテン、食事後にミルクティーです。
それから24番様が注文したトマトスープと
22番様が注文したチーズケーキが滞っています。」
「あっ、先輩トイレの変な落書き掃除しときましたっ!」
「あ…ありがとう………」
「あっ、店長さん。
流れが悪かった水道とか壊れていた魔道具とか
もろもろ全部修理しておきましたっ!」
「あら~!いつもほんと助かるわ~!
シャルロットちゃんが来てからというもの
うちの売上がすっかり鰻龍登りよ~!
このままうちの喫茶店の看板娘になってくれないかしらねー?」
「いや~それほどでも~
看板娘ですかぁ…考えておきますねっ!」
「あっお兄さん今日も来てくれたんですねっ!」
「いつものセットで大丈夫ですね?」
ぱああああ……とシャルロットは
純粋無垢で天真爛漫な幼い少女のように
男性の手を握って天使のような笑顔を浮かべる。
シャルロットが来てから常連となったこの男性は
顔を紅く染めて顔を思わず反らした。
「あらあら~…あのお兄さんったら赤くなっちゃってる
かわいいわねーーー。
シャルロットちゃんが来てからというもの
通うのにすっかりハマっちゃった人の一人でねえ」
と店長さんがお客さんと談笑している声が聞こえる。
か……完璧にこなしているわ……有能すぎる………。
………なんとなく……皆がああなった理由が分かった気がする。
普段とのギャップが凄すぎるのよ………っ!?
ジャンヌも信じられない物を見たような顔になっている。
「零、これはどういうことが説明しなさいっ!?」
「……どういう?……とは?」
「アイツならそれくらいできるぞ?」
「えっ?……どういうことよ?」
「そうだな…説明するのが難しいが
結論から言うと本人のやる気の問題だ。
お姉ちゃんは普段の巫山戯ている態度や
ムードメーカー然としたテンションの高さは
かつて、お姉ちゃんはもう一人の人格のような物を作り上げた
普段のシャルロットは本来の姿ではなく
もう一人のお姉ちゃんのようなモノ。
そういう元気で明るく主人公風なキャラクターを設定し
その通りに演じているだけに過ぎない。
まあ、最近はその仮面がくっついて取れなくなったらしいが。
いつものお姉ちゃんとは違ってもう一人の…
本来のお姉ちゃんは
その気になれば完璧になんでもこなせる
元々ポテンシャルがすごく高い子なのだ。
頭もいいしああ見えて順応性もある。
でも本人の心持ちに問題がある………」
「要は宝の持ち腐れだ」
「…………なるほど………」
「確かに自由奔放よねぇあの子。
その時意識が向いたこと以外眼中にないってことね」
アルバイト五日目
私達は今日はお客さんとしてやってきました。
「もうすっかり看板娘ってやつね」
「……意外………」
「ええ。まさか妹の新しい一面を見られるなんて」
「ん?そこの君」
「あっ。はい、なんですか?」
「きゃっ!?」
シャルロットが突然客にワインをかけられた。
純白の髪の先からポタポタと血のようにワインが落ちる。
「!」
「えっ!!」
「グラスが汚れているぞ。すぐに取り替えろ」
「あー……死んだな……あいつ。」
「………ひどい………。」
「店が灰塵になる前に逃げた方がいいかしら?」
「むぅー、なんなのあの嫌な人ー?ヒドイよねー」
「まあ、待ちましょう。シャルロットちゃんを信じましょう。」
「……そうでしたか……すぐ取り替えてきます。
本当に……申し訳ございませんでした。」
「ホッ………アイツの魔力が爆発するか…焦った………
クレーマーの対処もちゃんとできるってわけか………」
「仕方がないです。客商売ですもの。
どんな素晴らしい神接客をしていたって
あんなトラブルは起こるものですからねえ」
「それでも真面目に働くから偉いわよね。
私なら今頃、殴り返してた所よ」
「………アリスは………凶暴………?」
「なんでそうなるのよっ!?」
「……だけどなんでアイツは
そこまでしてお金が欲しいんだろうか?」
「はっ!そういえばこの間
シャルロットちゃんに聞かれたんです。
モルちゃんが嬉しがるプレゼントってなんですか?って」
(私はその時、確か半分冗談で…
シャルロットちゃんの水着姿…と答えたはず……まさか!?)
「じゃあ…………シャルロットは………モルちゃんに……
プレゼントを買うために……頑張ってる………?」
シャルロットはクレーマーから酒を浴びせられても
顔色一つ変えずに笑顔を絶やさずに接客し
料理やお酒を運んでいる。
「というか、ここ数日、働きぶりを見てきたけど
見張り役の方が全然働けてないわよね……?」
「たしかに……シャルロットの働きぶりが………
衝撃的過ぎて…………あまり描写されてなかった……」
ティナが大量のお皿を運んでいるが今にも崩れそうだ。
「ま……前が…見えない………」
モルドレッドはコケたり注文で小さなミスを連発している。
「セットのコーヒーは食事のあとっと…わあっ!』
「大丈夫お姉ちゃん?」
「あっ……ありがと……シャルロット」
「オイコラァ!そこの金髪!また注文を聞き間違えてるぞ!」
「ヒィッ!す…すみません!」
「もう……む…り……わあっ!」
「おっと……大丈夫?一緒に運ぼうか?」
「師匠…助かりました…」
ルミナは、恥ずかしがり屋な性格が災いして
接客がまともに出来ていなかった。
「あうううぅぅぅ……すみません~!」
ちなみにルクシアはシャルロットの動きや記憶を模倣して
シャルロットと一緒にミスを連発するドジな見張り役をフォローしていた。
「店長さん!私達そろそろ休憩をとってもいいですか?」
「ダメよ~ダメダメ!
あなた達2人でどれだけ皿を割ったと思ってるの!?」
「破壊神の如く割りまくって……200枚…ぐらいかしら?」
「456枚よっ!!?」
「あはは……20……7枚ぐらいです?」
「72枚よっ!?!?」
「店長さん。客が減ったので倉庫の在庫確認をしてきますね!」
「あ~ら気が利くわね!そこの2人も連れていきなさ~い。」
「はい!それじゃあいってきます!」
「こ…好感度の差が凄まじいです…」
「あっ、あんたら二人は休憩なしで皿洗いだからね!」
「「そ……そんなああ~!!」」
休憩時間になった。
黒のバニーガール衣装に着替えた
この喫茶店兼バーのオーナーである久遠零が現れた。
「………随分と…楽しそうデスね、お姉ちゃん」
「おー!可愛いじゃん」
「…………くすぐったいのデス。」
「あらー!可愛いわねー!」
「……ってオ、オオオオーナーのお姉さん!?」
店長さんの目玉が飛び出てサングラスを粉砕した。
「そうなんっすよー、ってオーナーってお前だったんだ。」
「……ん?言ってなかったか?」
「ここは、私が創った喫茶店…なのデス。」
零が指を鳴らすと
バイト仲間の先輩女子が
零にジョッキに抹茶ミルクを注いで持ってきた。
オーナーが来店すると、いつもオーナーは
抹茶ミルクかミルクセーキをご所望するのが
お決まりになってるらしい。
「オーナーっこれ飲んでください!」
「………んっ………ありがと…デス……。」
ゴチュゴチュゴチュゴチュと喉を鳴らしながら
零は一気飲みする。
「………ぷはっ」
「おお~!流石オーナーいい飲みっぷりですなー!」
零は飲み終わると酔っぱらいのようにフラフラして尻餅をついた。
「おっと……?どうした?」
「………なんデス…か?」
「オーナーって一気飲みした後はいつも酔っちゃうんですよねー」
「まあ、そこが可愛いんすけどね~」
小動物のような可愛らしさがある零の姿に
バニーガール先輩達が黄色い悲鳴をあげている。
「……これマジ?アルコール入ってないのに酔う奴とかいるんだ…?」
「いや……バイトの子にカフェインで酔う子がいたし
何もおかしなことじゃ……ないのか?」
「零ちゃんって私と出会ったときから
ずっと一緒にいても、謎が多かったけど
まさかこんな一面が見れるなんてなあ……」
「これじゃけちゃ……たりネー……の……レス」
「もっちょ……モッテクルのデス……!」
腕をブンブン振り回しながら子供のように
命令する小動物系オーナー
「キャーー!かわいいーー!」
「いっぱーい……おカワりするのデス……」
「は~いっ!オーナー
抹茶ミルクのおかわりもってきますね~」
シャルロットは、はじめてみる妹の姿に
呆然としていると、零が腕を引っ張ってきた。
「あなたも~……うさちゃんなら……なでなでするのデス~…」
ソファーに座ったシャルロットは
零の頭を撫でて膝に酔っぱらった零を座らせる。
「むぅーー……ミーちゃん………あなたは……
むかしから……しんぱいばっかりさせえ~
わらしたちをくろうさせるのですー」
「オーナーがこんなに酔うなんて珍しいですね~」
「いつもはこんなに酔っぱらないんっすか?先輩」
「あはは…はい、こんなにオーナーが酔っぱらうのは
親愛の証と言いますか、
よっほど心を許してる人にしか見せないって酔ってる時に言ってました。」
「うん、それにオーナー、ここ最近ずっと忙しそうにして
頑張ってたんですよー、このお店を創ったのも
なんでも大好きなお姉さんの為だとか」
「へえ……てか、飲みすぎじゃない?」
「そんにゃことないレスー!
あなたたちがやらかしてるせいでこっちも
おつかれもーどなんレス~!
もっとミルクもってくるのデス~!」
零は大ジョッキに注がれた抹茶ミルクとミルクセーキを一気飲みする。
「お姉ちゃんもっ!いもうとの肩を揉むのデスー!」
「はいはい、しょうがないなぁ」
零の肩を軽くマッサージしてやる。
マシュマロのように柔らかく幼女のようなモチモチ肌だ。
「んにゃあ……♡」
お餅のようで珠のような肌を揉みほぐしていく。
「うにゃあ………♡」
トロトロになっている妹を横目に
お腹やふとももの方もマッサージしてあげると
零は聞いたことがないような声をあげた。
「うにゃあ…………クゥゥゥゥゥゥ………♡」
「おねーちゃんのマッサージ、きもちーのレス……」
「んっふぅうぅうっ♡な…なに……これぇ♡
おおお~っ♡なにかぁっ……くるっデス♡うにゃ…♡」
「オ”ッ、イ”グッ、あ"っ、ニャア―――っ!!
「わあ……オーナーとシャルロットさんって
いつもあんなことしてるのかな~!」
「わ、私達す…すごいものを見ている気がするわっ!」
そうしてシャルロット……とポンコツな
姉と弟子はアルバイトを四苦八苦しながらもこなしていった。
「お……終わりました~!」
「一週間……本当に大変だったわ…………!」
「いや~二人共よく頑張ってくれたね。」
「まさか、彼女にこんな一面があったなんてね…」
「まあ、数年に一度ぐらいしかこのような
お姉ちゃんは見られないだろうがな」
「シャルロット…本当に助かったわ……」
「師匠すみません…ずっと役立つことができずに……」
「ん?なんのこと?」
シャルロットはキョトンとしている。
「わたしちゃん、ちょっと夜のお散歩に行ってくるわ。」
夜道を歩いていたクレーマーの魔族の前方から
黒いドレスを身に纏い、真紅の瞳になっている
シャルロットが静かに歩いてくる
「………チッ…なんですか。
誰かと思えばあの店の…もしかして酒をかけた逆恨みですか?」
「………………………」
「かかってくるならいつでもどうぞ?
俺も貴女には腹が立っているのでね」
「へえ…?」
「あなたのその貼り付けたような笑顔が目障りだったんですぅ!
まるで希望そのもの、世界の破滅を望む
あの方の配下である私からすれば
非常に腹立たしい偽善者の笑顔にしか思えませんでした。」
「…………」
笑みが完全に消え失せ冷徹な表情になったシャルロットが
破壊の神眼が開眼した瞳を開くと魔族の両目が潰れる。
「うっぐわああああああ!!」
「このガキ…やはり魔王でしたか!クソッ!目さえ開けられれば…」
「そうだ……コレがあるじゃあないかっ!」
魔族は遥か未来の技術で造られた魔法銃を取り出し
禍々しいキューブ状のエネルギーが魔族を包み
アズモデウスという悪魔に姿を変えて
発砲するがシャルロットには当たらない。
【FASARUTO・LASER・NO】
【FASARUTO・LASER】
「クソッ!クソッ!どうして当たらないっ!?」
「へえ…貴方って未来人だったんだ。
今、初めて知ったわ。」
「どうしてだ?俺に不審な点はなかったはず。なぜ?」
「わたしはちょっとムカついたから
貴方に発信機のような魔道具をつけただけですよ?
後でいつでもぶち殺せるように…………ね。」
「は?あなたは酒をかけられ腹が立ったというだけで
こんな非道なことをしたんですか?
たまたま俺がアザラ様の配下の世界破滅派の
未来人であることを見抜いたから襲っているわけ…ではないとでも?」
「そんなわけないでしょ?
貴方が何者だろうと関係なく、こうしていた。
貴方の死因はたった一つ。とてもシンプリなもの。
お前は私を怒らせた。たったそれだけ。」
「じゃあ…あなたは迷惑な客がいるたびに
毎回発信機を取り付け
いつでも殺せる準備を整えていたんですか!?」
「そうだけど?君で記念すべき十人目です。」
「間違っている…あなたは!人として何もかもが間違っているっ!?」
「こんなのが……こんな……狂っている化け物が
あの方が崇拝している神様だというのか!?
あり得ない……こんなの…神ではなく悪魔じゃないか……!!!」
「そうだね、私は悪魔だよ。」
シャルロットの真紅の瞳が紅い輝きを放つ。
「ああああああッ!!!???」
「クソッ!また両目を潰されたあっ!?」
「何処だっ!?どこにいるっ!?」
シャルロットはアズモデウスを冷徹な瞳で見下ろしている。
闇色の魔剣を取り出しアズモデウスの頭蓋に突き刺す。
アズモデウスの肉体と魂が黒い粒子に変わり
アズモデウスの魂が完全に滅びた。
「それで、シャルロットちゃんは
バイト代で何を買ったんでしょうか?」
「服作りに参考にする為の水着と
みんなにプレゼントする為の水着。」
「それとプールを造ったんだよ。」
「え?」
「なにを?」
「造ったって?」
「言ったんですか?」
「魔界に超巨大な遊泳施設、超弩級のプール
ドデカプールアクアマリンを………なっ!」
「な……なんですってーーーー!?!!!???」
次回、水着回です。
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