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第三章
第三話
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朝食を食べ終えた後、私達は「賞金首」であるとバレてしまわぬよう、すぐに町を去ることにした。
馬を牽いて出てくると、先客に出くわした。
既に乗馬し、地図を手に目的地の確認でもやっている冒険者パーティの中に、昨日は酔っ払っていた戦士の顔があった。
正直ぎょっとしたが、変装のおかげか、酒で記憶が飛んでいたおかげか、彼は私達の正体には全く気付いていないようで、
「小さいのにすごいな」
と各文末に語尾のように付けていた。
兎にも角にもちょっとした難を逃れた私達は、その後一日中何もない草原を横切り、夜は静かな森の中で少し早い眠りにつこうとしていた。
だがその時何やら人の声が聞こえ、さらに木々の間に明かりが見えた。
フードで顔を覆い、剣を手に忍び足。
私達が観測したのは、大きなテントと、楽しそうに談笑する見覚えのある顔たち。
偶然にも今朝出会った冒険者達と同じ森に居合わせたのだ。
彼らは野営場所から今晩は動かないだろうから、私たちの宿泊地まで来ることも恐らくない。
だが次の瞬間、その結論の存在は無意味なものになった。
「そこに二人。誰かいるんでしょ?」
魔法使いの女性に真っすぐ指差される。
私達は仕方なく姿を見せた。
「おお! 朝の嬢ちゃんたちか!」
酒の入った戦士が手を叩いて喜ぶ。
「またお会いしましたね」
ラーラは余裕げな様子で返答した。
「すごい偶然ね」
魔法使いは横にずれ、二人分の座席を作りながら
「これも何かの運命でしょう。ここに座って話さない?」
と手招きした。
私達は彼らと楽しく語り合った。
パーティリーダーで飲兵衛の戦士:レイグンは北方の最大国であるシンマンド王国の出身で、一般的な兵法に加えて「白巌流」の技も使えるらしい。破天荒で適当な感じだが、判断力と戦闘力はパーティ最強だという。
サブリーダーの魔法使い:ノノンは魔力探知や「非属性魔法」に秀で、常に冷静に状況判断する能力を持つ。実際レイグンが羽目を外しすぎたと見るや、すぐに彼を嗜めていた。
メンバーは他に二人。
一人は盗賊のガーファ。小柄で身軽な彼女は、やはり外見通り小回りが利き便利だという。だがパーティ内一番の大食いだと暴露されて恥じらっていた。
もう一人は無口な弓兵のドマ。彼は自分からは決して話そうとしなかったが、ノノン曰くそれは彼の弓兵としての、「敵にただ集中し、静かに致命的な一撃の為の機会を伺う」という、模範的な立ち回りに一役買っているという。
夜は深まり、曇り空のもと焚火だけが私達を照らした。
私は睡魔に襲われ、思考も鈍ってきていた。
そんな中、
「はあ、あつい」
ノノンが手で頬を扇ぎつつ、フードを脱いだ。
確かに火力が強い。私もじんわりと汗ばんできた。
「そうですね」
私は何も考えられず、まるで火に入る虫のように、ノノンの手に誘われるように、髪と顔を隠す布を取り払った。
「ん?」
その瞬間、真っ白な刃が飛び出した。
馬を牽いて出てくると、先客に出くわした。
既に乗馬し、地図を手に目的地の確認でもやっている冒険者パーティの中に、昨日は酔っ払っていた戦士の顔があった。
正直ぎょっとしたが、変装のおかげか、酒で記憶が飛んでいたおかげか、彼は私達の正体には全く気付いていないようで、
「小さいのにすごいな」
と各文末に語尾のように付けていた。
兎にも角にもちょっとした難を逃れた私達は、その後一日中何もない草原を横切り、夜は静かな森の中で少し早い眠りにつこうとしていた。
だがその時何やら人の声が聞こえ、さらに木々の間に明かりが見えた。
フードで顔を覆い、剣を手に忍び足。
私達が観測したのは、大きなテントと、楽しそうに談笑する見覚えのある顔たち。
偶然にも今朝出会った冒険者達と同じ森に居合わせたのだ。
彼らは野営場所から今晩は動かないだろうから、私たちの宿泊地まで来ることも恐らくない。
だが次の瞬間、その結論の存在は無意味なものになった。
「そこに二人。誰かいるんでしょ?」
魔法使いの女性に真っすぐ指差される。
私達は仕方なく姿を見せた。
「おお! 朝の嬢ちゃんたちか!」
酒の入った戦士が手を叩いて喜ぶ。
「またお会いしましたね」
ラーラは余裕げな様子で返答した。
「すごい偶然ね」
魔法使いは横にずれ、二人分の座席を作りながら
「これも何かの運命でしょう。ここに座って話さない?」
と手招きした。
私達は彼らと楽しく語り合った。
パーティリーダーで飲兵衛の戦士:レイグンは北方の最大国であるシンマンド王国の出身で、一般的な兵法に加えて「白巌流」の技も使えるらしい。破天荒で適当な感じだが、判断力と戦闘力はパーティ最強だという。
サブリーダーの魔法使い:ノノンは魔力探知や「非属性魔法」に秀で、常に冷静に状況判断する能力を持つ。実際レイグンが羽目を外しすぎたと見るや、すぐに彼を嗜めていた。
メンバーは他に二人。
一人は盗賊のガーファ。小柄で身軽な彼女は、やはり外見通り小回りが利き便利だという。だがパーティ内一番の大食いだと暴露されて恥じらっていた。
もう一人は無口な弓兵のドマ。彼は自分からは決して話そうとしなかったが、ノノン曰くそれは彼の弓兵としての、「敵にただ集中し、静かに致命的な一撃の為の機会を伺う」という、模範的な立ち回りに一役買っているという。
夜は深まり、曇り空のもと焚火だけが私達を照らした。
私は睡魔に襲われ、思考も鈍ってきていた。
そんな中、
「はあ、あつい」
ノノンが手で頬を扇ぎつつ、フードを脱いだ。
確かに火力が強い。私もじんわりと汗ばんできた。
「そうですね」
私は何も考えられず、まるで火に入る虫のように、ノノンの手に誘われるように、髪と顔を隠す布を取り払った。
「ん?」
その瞬間、真っ白な刃が飛び出した。
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