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第一章
第十一話
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ピシッ
夕暮れの村に乾いた音が木霊する。
頬がヒリヒリと痛み、目が少し潤む。
一緒に冒険したひとの母親は私を見下ろし、燃えるような両目で睨みながら言った。
「不幸を運ぶ『悪魔』め。あたしの子が危ない目に遭ったのはお前のせいだ。次、この子に近づこうもんならその首を切ってやるから!」
親子は帰っていった。
順番待ちをしていた二人も、私に罵声を浴びせてから、子供を連れて帰った。
最後に現れたのは、見知った顔だった。
でも、見たことない顔だった。
「帰ってきた息子から、今日何があったのか、聞きました」
アルクの母親の第一声はそれだった。
「以前何度か、息子はお友達とともに森に遊びに入ったことがありました。ですが、今日のように危ない目に遭ったことは一度もありませんでした。あなたと関わり始めてから初めて起こったことなのです。…話を聞く限り、あなたが直接の原因になったとは思えませんが、どうしても疑ってしまうのです。息子のあなたとの間の関わり方について、しばらく考えたいと思います」
丁寧に仕立てられた黒いドレスを着た彼女とすれ違うように、自家製の木綿の服を着たお父さんとお母さんが見えた。
「お父さん、お母さん、えっと…」
「わかってる。何も言わなくていい。村長が呼んでいるんだ、行くよ」
お父さんは言葉を遮り、私の手を引いた。
二人の表情には覚悟が現れていた。
一度目ほどの動揺は無かった。
だが、心痛の念と罪悪の感覚はまるで大きな怪物となって、私の身体を押し潰そうとしているかのようだった。
涙さえ出なかった。
気が付いた時には、もう村の中心、一番大きな村長の家の前に居た。
「親父が待っている。早くいけ」
入り口に立った所で、横に居た村長の息子にそうけしかけられた。
気が進まなかった訳じゃないが、もう覚悟は決めていた。
二度と見たくなかったはずの内装。
丸い大柱、豪華な台所、そして高々と飾られた剣と鎧。
嫌に脳裏にこびり付いている。
長い廊下を進んだ先に、広間があり、三組の親子と、村長が座っていた。
「ほう、逃げずに現れたか」
村長は丁寧に仕立てられた服に身を包み、灰色の長い顎髭を撫でながらこちらを見ていた。
軽蔑と猜疑心に満ちた目だった。
夕暮れの村に乾いた音が木霊する。
頬がヒリヒリと痛み、目が少し潤む。
一緒に冒険したひとの母親は私を見下ろし、燃えるような両目で睨みながら言った。
「不幸を運ぶ『悪魔』め。あたしの子が危ない目に遭ったのはお前のせいだ。次、この子に近づこうもんならその首を切ってやるから!」
親子は帰っていった。
順番待ちをしていた二人も、私に罵声を浴びせてから、子供を連れて帰った。
最後に現れたのは、見知った顔だった。
でも、見たことない顔だった。
「帰ってきた息子から、今日何があったのか、聞きました」
アルクの母親の第一声はそれだった。
「以前何度か、息子はお友達とともに森に遊びに入ったことがありました。ですが、今日のように危ない目に遭ったことは一度もありませんでした。あなたと関わり始めてから初めて起こったことなのです。…話を聞く限り、あなたが直接の原因になったとは思えませんが、どうしても疑ってしまうのです。息子のあなたとの間の関わり方について、しばらく考えたいと思います」
丁寧に仕立てられた黒いドレスを着た彼女とすれ違うように、自家製の木綿の服を着たお父さんとお母さんが見えた。
「お父さん、お母さん、えっと…」
「わかってる。何も言わなくていい。村長が呼んでいるんだ、行くよ」
お父さんは言葉を遮り、私の手を引いた。
二人の表情には覚悟が現れていた。
一度目ほどの動揺は無かった。
だが、心痛の念と罪悪の感覚はまるで大きな怪物となって、私の身体を押し潰そうとしているかのようだった。
涙さえ出なかった。
気が付いた時には、もう村の中心、一番大きな村長の家の前に居た。
「親父が待っている。早くいけ」
入り口に立った所で、横に居た村長の息子にそうけしかけられた。
気が進まなかった訳じゃないが、もう覚悟は決めていた。
二度と見たくなかったはずの内装。
丸い大柱、豪華な台所、そして高々と飾られた剣と鎧。
嫌に脳裏にこびり付いている。
長い廊下を進んだ先に、広間があり、三組の親子と、村長が座っていた。
「ほう、逃げずに現れたか」
村長は丁寧に仕立てられた服に身を包み、灰色の長い顎髭を撫でながらこちらを見ていた。
軽蔑と猜疑心に満ちた目だった。
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