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麗奈、妖精の鍵をもらう 2

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「さぁ、まずは部屋のカスタマイズをしようか。君の理想のカフェを作りあげよう」


 理想と言われても、突然だとどういったものがいいのか思いつかない。
 今まで一度もカフェの経営をしたいなどと思ったことがないから、余計に思いつかないのかもしれない。
 

「ちょっと借りるよ」


 神様は私をソファに下ろしてから、召喚されたときに持っていた私のバッグに入っていたはずのタブレット型端末をどこからか取り出して、テーブルの上に置いた。
 そして、時々悩むように考え込みながら、手慣れた様子で操作していく。
 

「窓は大きい方がいい?」

「この色とこの色ならどっちが好き?」

「シーリングファンってどう思う?」

「この中で好きなカップはどれ?」


 たまに挟まれる質問に答えながら待っていると、しばらくして、満足したように神様が頷いた。


「試しに作ってみたから、部屋を見てきてごらん」


 タブレットを操作していただけなのに、部屋のカスタマイズが終わっていたらしい。
 驚くと同時にワクワクしながら妖精の鍵を使って扉を開けると、さっきとは全然違う優しい雰囲気のカントリー調の部屋が広がっていた。
 窓は大きくて天井が高く、広々とした居心地のよさそうな空間だ。
 奥の方の一部がロフトになっていて、扉の所からは壁と窓だけが見えた。
 店内から階段を使えばロフトに上がれるようで、階段を上った先には可愛い装飾が施された飴色の扉がある。
 ロフトの部分は個室になっているようだ。
 広い店内に置かれているテーブルや椅子は大き目のもので、ゆったりと使えそうだ。その分、席数は減っているけれど、カウンター席もあるので、満席になったらかなりのお客さんが入ると思う。
 カウンターの後ろの壁は一面が飾り棚になっていて、たくさんの食器や紅茶をいれるための缶などが並んでいた。
 私の記憶から知ったのか、よく通っていた紅茶専門店の作りによく似ている。
 長いカウンターテーブルで区切られた部分がキッチンになっていて、4つのコンロに作業台にシンク、大型の食洗器などが備えてある。
 キッチンに立って右手には、大型のオーブンや冷蔵庫も置いてあった。
 収納スペースもたくさん作ってあるし、とても素敵なお店だ。


「君の好みを反映させて、あちらでもありそうな内装にしてみたんだ。大柄な獣人族の客にも対応できるように、天井は高めにして、テーブルや椅子も頑丈にしておいた。乱暴に取り扱われても、傷一つ付かないようにしてあるからね。食器も破損防止の魔法が掛けられているから、落としても割れないよ。ロフトは休憩室として使ってもいいし、予約客専用の個室として使ってもいい。一応、説明書のようなものは、君の持っているタブレットに入れておいたから」


 あの短時間で説明書まで作ってくれたなんて、神様が有能すぎる。
 あれ? でも、タブレットの充電ってできるの?


「電気ってあるんですか?」


 ここにオーブンとか冷蔵庫があるんだから、勇者の誰かが発電システムでも作ってしまったのかもしれないと思って聞いてみた。


「電気の代わりに魔石が使われているよ。ほら見て、オーブンのここに魔石が入っているでしょう? この魔石が透明になると魔力切れだけど、魔力を籠めれば再利用できるんだ。空の魔石に魔力を籠める仕事をしている人もいるくらい、あちらではありふれたシステムなんだよ」


 神様に手招かれるまま近づいて、オーブンの目立たない位置にはめ込まれていた魔石を見せてもらった。
 百円玉くらいのサイズの円形の魔石はルビーのような赤い色をしていて、これがいつか透明になってしまうのが不思議で仕方ない。


「この魔石一つで、どれくらいの期間使えるんですか?」


 渡された魔石を掌で転がしてみる。
 私にも魔力が籠められたら、そういった仕事もできるのかな?


「ずっと起動したままでも2年は使えるはずだよ。実際は24時間フル活動させることはないから、4~5年はもつはず。最近は、魔力をできるだけ消耗しない魔道具が流行りみたいで、たくさんの魔道具が開発されているから、それを見るのも楽しいかもしれないね。ここには、最新式のものを揃えたけど、フルクバルトでは魔道具作成がそこまで盛んではないから、少し古い型落ちのものしか出回っていないかもしれない」

「勇者を召喚しているフルクバルトが、勇者関連の遺産の研究の最先端なのかと思っていたけど、違うんですね」


 勇者を召喚した国だから、勇者の知識の恩恵を一番受けているんじゃないかと思ったけど、そうでもないのかな?
 異世界の知識をどこよりも得やすい国でありながら後れを取っているのなら、政治能力はあまり高くなさそうだ。


「フルクバルトは勇者を召喚するだけで、勇者が修行の旅に出た時に必要な費用も、各国に請求していたからね。魔王封印のために修行している勇者の支援を惜しむべきではないというのは各国の共通認識だから、どの国も出し惜しみはしない。それをいいことに、懐を潤していたフルクバルトの王や貴族も過去にはいたんだ。勇者は聡明な人物が選ばれるから、そういったことを察する能力も高い。それに勇者は支援されれば、できる限りのものを返そうとする。そうしたことの繰り返しで、他国にばかり勇者がもたらしたものが増えていったんだ。旅の仲間も、最初こそフルクバルトの者で固められているけど、段々と入れ替わっていったしね」


 もしかしてフルクバルトの王家の血筋は、あまりよくない性質の人が生まれやすいんだろうか?
 今回の召喚をした王も、過去の王も、神様の話を聞いた限りだとあまりいい人だとは思えない。
 

「神様、もし、フルクバルトに勇者召喚の陣がなかったら、滅ぼされたりしていませんか?」


 魔王が生まれた時のために仕方なく見逃されているという可能性に思い至って、恐る恐る聞いてみると、神様は苦笑しながら私の頭を撫でた。


「勇者召喚の陣がなければ、千年くらい前に滅んでいただろうね。本神殿がある国だから神の意志が届きやすい、ただそれだけの理由でフルクバルトに勇者召喚の陣を与えたけれど、あの国の者たちは何を勘違いしたのか、神に選ばれたという選民意識に憑りつかれてしまったんだ。さすがに、魔王が生まれたわけでもないのに召喚を強行した、今の王ほどの愚物はいなかったけどね」


 話を聞けば聞くほど、フルクバルト神聖国に行くのが憂鬱になっていく。
 娘婿として迎え入れるために勇者を召喚したのだとしたら、その勇者が婚約者だと言う私は邪魔でしかないだろうし、どんな扱いをされるか分かったものではない。
 冷遇されるだけならまだましで、下手をすると殺されるかもしれない。
 こんな時、勇翔があてにならないのは思い知っている。
 私が殺されそうになったのだと訴えたところで、私の気のせいだと勇翔は言い切るだろう。


「大丈夫だよ。僕が絶対に死なせたりはしないから」


 優しく抱き寄せられて、守るように両腕で囲われた。
 それだけで安心して、憂鬱な気分も晴れていく。


「本神殿に君を守るように神託を出そうかと思ったけど、愚王と繋がっている人物もいるからやめておいたんだ。その昔、神殿長が国王だった頃の名残で、勇者の召喚陣は王家で管理しているけど、召喚の儀式には神殿の協力が必要だ。今までは、魔王が生まれたときには必ず神からの神託があって、その後に勇者召喚が為されていたんだ。だけど今回は神託もないのに王家の要請で勇者召喚をして、神殿長はその見返りに多額の報酬を受け取っている。そんな金の亡者が、神の加護を持った君のことを知れば、自分の都合のいいように利用するのが目にみえている。だから、王と同じくらい神殿長も信用してはならないよ」


 国の権力者たちが敵に回ったような状態だけど、神様が大丈夫だと言うのなら、きっと大丈夫だと信じられた。
 その気持ちが伝わっているのか、神様は嬉しそうに微笑んで、ぎゅっと私を抱きしめてくれた。


「フルクバルトでは、王妃と王子、それから本神殿の神官長は信用してもいい。王妃はフルクバルトとは比べ物にならないほどに大きな国の姫だったけど、結婚の半年前に婚約者が急死して、新たな結婚相手に親友の婚約者をあてがわれそうになって、仕方なくフルクバルトに嫁いできたんだ。本来なら、フルクバルトのような小国には過ぎた王妃なんだよ。今も王の執務のほとんどを肩代わりしているんだ」


 ろくでもない王が治める国にしては平和そうだと思っていたら、王妃様がまともだったからかのか。
 いくら大国の姫だからって、国を治めることができるほどの教育を受けているとなれば、女性の社会的地位がそこまで低いわけではないのかもしれない。


「大体、どの国の王子も王女も自分の領地を持っていて、領地経営を実地で学ぶものなんだ。優れた統治能力を持つ大国の姫を王妃に迎えたことで、王は優秀な異母弟を神殿に追いやって王位に就くことができた。だけど、王妃を蔑ろにして、身分の低い側妃ばかり大事にしている。王妃と側妃をほぼ同時に迎え入れたばかりか、側妃の元にばかり通って、先に側妃を孕ませた。これは勇者召喚の陣を持った国でなければ、王妃の母国に滅ぼされていてもおかしくないほどの愚行なんだよ」


 聞けば聞くほど王が愚か過ぎて、そんな王に嫁ぐしかなかった王妃様が気の毒になっていく。
 王族だから政略結婚も多いのだろうけど、もう少しまともな嫁ぎ先はなかったのだろうか。
 神様の説明だと、まともな王子もちゃんといたみたいだし、王妃様が犠牲になることもなかったように思う。


「愚かな王や我儘で贅沢な側妃と上手く付き合って、王妃が統治しているから、フルクバルトは国として成り立ってるけど、王妃にもしものことがあったり、王妃の産んだ王子ではなく王女が後を継ぐようなことになったら、国は滅びてしまうだろうね。今回の勇者が元の世界に戻ったら、もう二度と勇者召喚ができないように、召喚陣を抹消して、そのことを世界中の神殿に知らせる予定だから。召喚陣がなくなれば、残された唯一の異世界人である君を利用しようとする馬鹿も出てくるだろうから、身を守る手段も何か考えないと」


 神様が詳しく説明してくれた話を聞けば聞くほどに、王妃様に対する好感度が上がっていく。
 それと同時に、今の王が権力を持ったままのフルクバルトで暮らすのは無理だと感じる。
 王妃様と王子がまともでも、愚王がのさばっている限り、安心して暮らすことはできない。


「多分、王女にとって私は邪魔者だと思うから、城を出るのは何とかなるかもしれないけど、そうすると絶対に勇翔が追いかけてきます。追手がかからないように、フルクバルトや勇翔から逃げる方法はありますか?」


 生きていれば自然に身につく常識を知らないまま、一人で逃げるのはきっと無理だと思う。
 勇者である勇翔が婚約者を探していると言えば、善意からそれに協力する人も出てくるだろうし、そうなると余計に逃げ切れない。


「とりあえず、勇者の旅についていくといいよ。修行の旅と称して、勇者は世界各国を巡り、ダンジョンでレベルを上げたりするからね。戦う能力のない君はダンジョンに入れない。だから、勇者がダンジョンに籠っている間に旅先を見て回って、住みたい国を探すといい。勇者に知られずに自由に動くためのスキルもあげるから、きっとうまくいく」


 旅に出ないといけないのなら、勇翔は私を連れていくはずだ。
 それを利用して移住先を探すのは、いい案だと思えた。
 問題は旅先で自由行動ができるかどうかだけど、それについては神様に考えがあるようだから、きっと何とかなるだろう。


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