308 / 318
決戦にて 強化と弱体化
しおりを挟む
叫び終えた世界樹が口から大きく息を吐き出すと、身体の各部からボシュウウウウウウウと大量の湯気も放出される。うーん……、世界樹といえど今回の魔法は、かなりの負担だったみたいだね。ここまで世界樹の中に余分な熱が生まれるとは予想できなかった。
「世界樹、大丈夫?」
『ククク……』
「世界樹?」
『フハハ、フハハハハハハハハハハハッ‼︎』
世界樹が突然爆笑を始めた。今まで何かおもしろい事があったかな? …………一応思い出してみても特になかったと思うけど、こういう事に関してはズレてるらしい僕の感覚は当てにならないから首をかしげるしかない。シールに聞いてみても僕と同じでわからないみたいだからお手上げだ。あいつは動いてないし今は世界樹が落ち着くのを待つか。
少しの間待つと世界樹の爆笑はおさまった。高ぶってた感情も平静になってるから本当に落ち着いたみたい。
『フー……』
「もう大丈夫?」
『ああ、すまんな。いろいろとおもしろくなってしまってな』
「おもしろく?」
『そうだ』
「どういう意味か聞いて良い?」
『何、簡単な事だ。普通は動かない植物であった我が、動ける身体を得て、こうして空を飛び、直接身体を動かしてあのものと戦い、世界の果てまで届く咆哮を上げた。長く存在したが死にかけた植物の我に、これほどの変化が起きるという事が楽しいのだ』
「ああ、そういう事。でも、それは当たり前だよ」
『何?』
「自分以外の何かと関わったり自分の周りの環境が変動したら大なり小なり、良い悪い、自覚できるできない問わず自分の中に変化は起こる。しかも、関わってるのが僕みたいなズレてる存在だった場合や、今みたいに生きるか死ぬかっていう状況の時は特にね」
『そういうものか』
「そういうものだね」
『ならば、ヤートはどうだ?』
「僕? 僕は……」
世界樹に聞かれて前に一回だけ赤の村長のグレアソンさんの前で泣いた事を思い出した。
「うん、僕も生まれた時と比べたら変わってるはずだよ」
『ふむ、どう変わったか聞かせてもらおう』
「えーと……」
『あれが動き出したので、そこまででお願いします』
シールの呼びかけに世界樹への説明を止めた。見るとあいつは飛び立ち、空中で僕をにらんでくる。
『クソガクソガクソガクソガクソガクソガーーーーーーーー‼︎』
『……ヤート、なぜあのものの声が聞こえている?』
「遮断膜を解いたからだよ」
『我らはともかく、他のもの達は大丈夫なのか?』
「僕達が優位に立ってるから問題ない」
『イチド、ワレヲトメタカラト、チョウシニノルナッ‼︎』
キンッ‼︎
あいつが一度仕切り直すためなのか後ろへ突進して空間を破り世界の外へ出ようとしたけど、空間に触れた瞬間弾かれた。
『ナニッ⁉︎』
「もう、この世界の外へ出れるとは思わない方が良いよ」
『…………先ほどの我の咆哮の効果か?』
「うん」
『何が起こったのだ?』
「まず世界樹の声がこの世界の果てまで届いたから世界樹の声が届いたところまでが、この世界だと絶対に揺るがない理が生まれた。これにより今までよりも、この世界の中と外を分ける境界も強固になり、あいつが壊せなくなったっていうのが世界樹の声のもたらした一つ目の効果」
『ほう……、それならば二つ目は、どのようなものだ?』
「二つ目は世界の活性化とそれによって起こる僕達の強化だね」
『活性化? お前達の強化?』
世界樹が僕を乗せた頭をかたむけた。身体の大きさや種族が違っても疑問を感じた時の動作は変わらないんだね。
「世界の活性化っていうのは、世界が世界樹の声を聞いて盛り上がってる状態って考えて」
『なるほどな。では、我らの強化は、なぜ起こった?』
「世界が活性化したら世界に関わりのある僕達にも恩恵があるっていう単純な理屈だよ」
『そういう事か。理解したぞ。我の声で世界が活性化すれば、世界が育んでいる存在と言える我やお前達も程度の差はあれ、つられて活性化するわけだな』
「正解。さらに言うと世界が外から来た異物を排除しようとする働きも活性化してるから、あいつや魔石なんかは弱体化してるよ」
『ああ、確かにそれならばヤートの言う通り我らは優位に立っているな』
僕の説明が進むほど、あいつの僕を見る目に込められた殺意や怒りが強くなる。それにギシギシっていう軋む音があいつの口から聞こえてきた。歯を食いしばるっていう殺意や怒りを感じた時の動作も、種族問わず共通みたいだね。
『キサマラ……』
「世界樹、攻める? それかもっとじっくり追い詰める?」
『決まっている。我とヤートであのものを攻めて追い詰める、だ‼︎』
「同時にやる方が効率的なのは間違いないね。わかった」
世界樹が宣言すると同時に、あいつへ接近してあいつの腹部を殴り、身体がくの字になって下がった頭部へ拳を振り下ろした。さっきまでなら反応できたはずだけど、今は何もできずに地面に落ちる。…………へえ、かなり良い一撃をくらっても、ふらつきながら飛ぼうとし始めた。
『フザ、フザケルナ‼︎ コンナコトハミトメンゾ‼︎』
「お前に認められる必要はないよ。緑盛魔法・純粋なる深緑を纏う魔槍」
『グギャッ‼︎ ワガハネニヨクモッ‼︎』
僕の生み出した魔槍が完全に飛ぶ前のあいつの羽を貫き、あいつを地面に縫い付ける。これで、あいつは動けなくなったから一気に攻めるだけだ。
「緑盛魔法・超育成・純粋なる深緑を纏う爆散花、純粋なる深緑を纏う硬金樹根隔壁」
『ヤート、それは……』
世界樹がギョッとしてるみたいだけど気にせず、あいつの周りに爆散花を発芽させる。そして爆散花が開花して枯れる前に、硬金樹の根で周囲を囲み密閉した。そういえば、この魔法の組み合わせは三体と戦った時に使ったものだ。懐かしいね。
ズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズンンンン……。
硬金樹根隔壁の中から爆散花の爆発音がいくつも続いて聞こえてきた。うん? 地面が揺れてる? …………あ、周りへの被害を全く考えてなかった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◎後書き
最後まで読んでいただきありがとうございます。
注意はしていますが誤字・脱字がありましたら教えてもらえるとうれしいです。
感想や評価もお待ちしています。
「世界樹、大丈夫?」
『ククク……』
「世界樹?」
『フハハ、フハハハハハハハハハハハッ‼︎』
世界樹が突然爆笑を始めた。今まで何かおもしろい事があったかな? …………一応思い出してみても特になかったと思うけど、こういう事に関してはズレてるらしい僕の感覚は当てにならないから首をかしげるしかない。シールに聞いてみても僕と同じでわからないみたいだからお手上げだ。あいつは動いてないし今は世界樹が落ち着くのを待つか。
少しの間待つと世界樹の爆笑はおさまった。高ぶってた感情も平静になってるから本当に落ち着いたみたい。
『フー……』
「もう大丈夫?」
『ああ、すまんな。いろいろとおもしろくなってしまってな』
「おもしろく?」
『そうだ』
「どういう意味か聞いて良い?」
『何、簡単な事だ。普通は動かない植物であった我が、動ける身体を得て、こうして空を飛び、直接身体を動かしてあのものと戦い、世界の果てまで届く咆哮を上げた。長く存在したが死にかけた植物の我に、これほどの変化が起きるという事が楽しいのだ』
「ああ、そういう事。でも、それは当たり前だよ」
『何?』
「自分以外の何かと関わったり自分の周りの環境が変動したら大なり小なり、良い悪い、自覚できるできない問わず自分の中に変化は起こる。しかも、関わってるのが僕みたいなズレてる存在だった場合や、今みたいに生きるか死ぬかっていう状況の時は特にね」
『そういうものか』
「そういうものだね」
『ならば、ヤートはどうだ?』
「僕? 僕は……」
世界樹に聞かれて前に一回だけ赤の村長のグレアソンさんの前で泣いた事を思い出した。
「うん、僕も生まれた時と比べたら変わってるはずだよ」
『ふむ、どう変わったか聞かせてもらおう』
「えーと……」
『あれが動き出したので、そこまででお願いします』
シールの呼びかけに世界樹への説明を止めた。見るとあいつは飛び立ち、空中で僕をにらんでくる。
『クソガクソガクソガクソガクソガクソガーーーーーーーー‼︎』
『……ヤート、なぜあのものの声が聞こえている?』
「遮断膜を解いたからだよ」
『我らはともかく、他のもの達は大丈夫なのか?』
「僕達が優位に立ってるから問題ない」
『イチド、ワレヲトメタカラト、チョウシニノルナッ‼︎』
キンッ‼︎
あいつが一度仕切り直すためなのか後ろへ突進して空間を破り世界の外へ出ようとしたけど、空間に触れた瞬間弾かれた。
『ナニッ⁉︎』
「もう、この世界の外へ出れるとは思わない方が良いよ」
『…………先ほどの我の咆哮の効果か?』
「うん」
『何が起こったのだ?』
「まず世界樹の声がこの世界の果てまで届いたから世界樹の声が届いたところまでが、この世界だと絶対に揺るがない理が生まれた。これにより今までよりも、この世界の中と外を分ける境界も強固になり、あいつが壊せなくなったっていうのが世界樹の声のもたらした一つ目の効果」
『ほう……、それならば二つ目は、どのようなものだ?』
「二つ目は世界の活性化とそれによって起こる僕達の強化だね」
『活性化? お前達の強化?』
世界樹が僕を乗せた頭をかたむけた。身体の大きさや種族が違っても疑問を感じた時の動作は変わらないんだね。
「世界の活性化っていうのは、世界が世界樹の声を聞いて盛り上がってる状態って考えて」
『なるほどな。では、我らの強化は、なぜ起こった?』
「世界が活性化したら世界に関わりのある僕達にも恩恵があるっていう単純な理屈だよ」
『そういう事か。理解したぞ。我の声で世界が活性化すれば、世界が育んでいる存在と言える我やお前達も程度の差はあれ、つられて活性化するわけだな』
「正解。さらに言うと世界が外から来た異物を排除しようとする働きも活性化してるから、あいつや魔石なんかは弱体化してるよ」
『ああ、確かにそれならばヤートの言う通り我らは優位に立っているな』
僕の説明が進むほど、あいつの僕を見る目に込められた殺意や怒りが強くなる。それにギシギシっていう軋む音があいつの口から聞こえてきた。歯を食いしばるっていう殺意や怒りを感じた時の動作も、種族問わず共通みたいだね。
『キサマラ……』
「世界樹、攻める? それかもっとじっくり追い詰める?」
『決まっている。我とヤートであのものを攻めて追い詰める、だ‼︎』
「同時にやる方が効率的なのは間違いないね。わかった」
世界樹が宣言すると同時に、あいつへ接近してあいつの腹部を殴り、身体がくの字になって下がった頭部へ拳を振り下ろした。さっきまでなら反応できたはずだけど、今は何もできずに地面に落ちる。…………へえ、かなり良い一撃をくらっても、ふらつきながら飛ぼうとし始めた。
『フザ、フザケルナ‼︎ コンナコトハミトメンゾ‼︎』
「お前に認められる必要はないよ。緑盛魔法・純粋なる深緑を纏う魔槍」
『グギャッ‼︎ ワガハネニヨクモッ‼︎』
僕の生み出した魔槍が完全に飛ぶ前のあいつの羽を貫き、あいつを地面に縫い付ける。これで、あいつは動けなくなったから一気に攻めるだけだ。
「緑盛魔法・超育成・純粋なる深緑を纏う爆散花、純粋なる深緑を纏う硬金樹根隔壁」
『ヤート、それは……』
世界樹がギョッとしてるみたいだけど気にせず、あいつの周りに爆散花を発芽させる。そして爆散花が開花して枯れる前に、硬金樹の根で周囲を囲み密閉した。そういえば、この魔法の組み合わせは三体と戦った時に使ったものだ。懐かしいね。
ズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズンンンン……。
硬金樹根隔壁の中から爆散花の爆発音がいくつも続いて聞こえてきた。うん? 地面が揺れてる? …………あ、周りへの被害を全く考えてなかった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◎後書き
最後まで読んでいただきありがとうございます。
注意はしていますが誤字・脱字がありましたら教えてもらえるとうれしいです。
感想や評価もお待ちしています。
2
お気に入りに追加
875
あなたにおすすめの小説
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
白い結婚三年目。つまり離縁できるまで、あと七日ですわ旦那様。
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
異世界に転生したフランカは公爵夫人として暮らしてきたが、前世から叶えたい夢があった。パティシエールになる。その夢を叶えようと夫である王国財務総括大臣ドミニクに相談するも答えはノー。夫婦らしい交流も、信頼もない中、三年の月日が近づき──フランカは賭に出る。白い結婚三年目で離縁できる条件を満たしていると迫り、夢を叶えられないのなら離縁すると宣言。そこから公爵家一同でフランカに考え直すように動き、ドミニクと話し合いの機会を得るのだがこの夫、山のように隠し事はあった。
無言で睨む夫だが、心の中は──。
【詰んだああああああああああ! もうチェックメイトじゃないか!? 情状酌量の余地はないと!? ああ、どうにかして侍女の準備を阻まなければ! いやそれでは根本的な解決にならない! だいたいなぜ後妻? そんな者はいないのに……。ど、どどどどどうしよう。いなくなるって聞いただけで悲しい。死にたい……うう】
4万文字ぐらいの中編になります。
※小説なろう、エブリスタに記載してます
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
【完結】ちびっこ錬金術師は愛される
あろえ
ファンタジー
「もう大丈夫だから。もう、大丈夫だから……」
生死を彷徨い続けた子供のジルは、献身的に看病してくれた姉エリスと、エリクサーを譲ってくれた錬金術師アーニャのおかげで、苦しめられた呪いから解放される。
三年にわたって寝込み続けたジルは、その間に蘇った前世の記憶を夢だと勘違いした。朧げな記憶には、不器用な父親と料理を作った思い出しかないものの、料理と錬金術の作業が似ていることから、恩を返すために錬金術師を目指す。
しかし、錬金術ギルドで試験を受けていると、エリクサーにまつわる不思議な疑問が浮かび上がってきて……。
これは、『ありがとう』を形にしようと思うジルが、錬金術師アーニャにリードされ、無邪気な心でアイテムを作り始めるハートフルストーリー!
浮気をした王太子はいりません。〜離縁をした元王太子妃は森の奥で、フェンリルパパと子供と共に幸せに暮らします。
にのまえ
恋愛
王太子ルールリアと結婚をして7年目。彼の浮気で、この世界が好きだった、恋愛ファンタジー小説の世界だと知った。
「前世も、今世も旦那となった人に浮気されるなんて」
悲しみに暮れた私は彼に離縁すると伝え、魔法で姿を消し、私と両親しか知らない秘密の森の中の家についた。
「ここで、ひっそり暮らしましょう」
そう決めた私に。
優しいフェンリルのパパと可愛い息子ができて幸せです。
だから、探さないでくださいね。
『お読みいただきありがとうございます。』
「浮気をした旦那様と離縁を決めたら。愛するフェンリルパパと愛しい子ができて幸せです」から、タイトルを変え。
エブリスタ(深月カナメ)で直しながら、投稿中の話に変えさせていただきました。
【完結】愛する人には裏の顔がありました
風子
恋愛
エルグスト子爵家の娘であるミリディは、婚約者に浮気をされ、三度も破談になるという前代未聞の不幸に見舞われていた。
落ち込むミリディだったが、破談になる度に慰め励ましてくれる頼もしい存在がいた。
その人は兄の親友であり、幼い頃から密かに想いを寄せる公爵家の令息ライド・ロベールトンだった。
身分の違いから叶わぬ恋心は封印し、兄と妹のような関係を築いてきたミリディだったが、ライドの積極的なアプローチに戸惑ってしまう。
いつも優しく親切な彼の真意とは‥‥
そして彼のもつ裏の顔とは‥‥
※作者の妄想の世界の話です。
殿下、婚約者の私より幼馴染の侯爵令嬢が大事だと言うなら、それはもはや浮気です。
和泉鷹央
恋愛
子爵令嬢サラは困っていた。
婚約者の王太子ロイズは、年下で病弱な幼馴染の侯爵令嬢レイニーをいつも優先する。
会話は幼馴染の相談ばかり。
自分をもっと知って欲しいとサラが不満を漏らすと、しまいには逆ギレされる始末。
いい加減、サラもロイズが嫌になりかけていた。
そんなある日、王太子になった祝いをサラの実家でするという約束は、毎度のごとくレイニーを持ち出してすっぽかされてしまう。
お客様も呼んであるのに最悪だわ。
そうぼやくサラの愚痴を聞くのは、いつも幼馴染のアルナルドの役割だ。
「殿下は幼馴染のレイニー様が私より大事だって言われるし、でもこれって浮気じゃないかしら?」
「君さえよければ、僕が悪者になるよ、サラ?」
隣国の帝国皇太子であるアルナルドは、もうすぐ十年の留学期間が終わる。
君さえよければ僕の国に来ないかい?
そう誘うのだった。
他の投稿サイトにも掲載しております。
4/20 帝国編開始します。
9/07 完結しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる