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決戦にて 僕の魔法事情と三人のその後
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視線を感じた僕は目を開けて切り立った崖に囲まれた小山の上にある教団の本拠地を見る。…………リザッバを倒した後に見た夢には、ひどく乱れた映像だった事を考えても確か五人の人影があった。あの叫んでた三人が夢で見た五人の内の三人なら、あとは二人で、その二人はあそこにいるみたいだね。
「ヤート君、どうかしましたか?」
「僕へ殺意を込めた視線を向けてきた奴らが、あそこにいるなって」
僕が言うとリンリーは僕を破壊猪の身体の影へグイッと引っ張り込んだ。そして父さん達と四体が一気に殺気立つ。
「ヤート、あそこにいるんだな?」
「そうだけど、今は放置して良いよ」
「…………何でだ?」
「先にうるさいくらい叫んでたあの三人の確認が先」
「ああ、あいつらか」
「うん。あの三人の状態を確認したら、本拠地にこもってる奴らの状態をある程度把握できると思うよ」
「なるほどな。それなら早い方が良いのは確かか。ラカムタ‼︎ ナイル殿‼︎ 時間が惜しい‼︎ 俺達は先に動いて良いか!?」
父さんが呼びかけると今後の相談していたラカムタさん達はうなずき合って別れ、ラカムタさんは僕達のところに戻りナイルさん達はすぐに隊列を整え始めた。
「ヤート、もうすぐ進軍を再開するから、また索敵を頼む」
「わかった」
僕は破壊猪の背に上がって目を閉じ界気化した魔力での感知に専念していく。…………うん? なんかみんなが僕を見てるな。気になったから一番近くにいる騎士に聞いてみる。
「僕を見てるけど何か用?」
「い、いえ‼︎ 何でもないです‼︎」
「そう? 後々に気になってる事が尾を引く場合もあるから解決できる事は、しっかり解決しておいてね」
「は、はい‼︎ …………あの‼︎」
「何?」
「その……一つ聞いても良いでしょうか?」
「どうぞ」
「あなたは、どこで魔法を習ったのですか……?」
「僕の魔法? 別に誰にも習ってないよ」
「え……?」
「正確に言うと黒の竜人族に僕みたいな魔法を使える人がいなかったから習えなかっただね」
僕に敬語を話すのはなんでだろとも思うけど、それより気になるのはラカムタさん達の態度だ。どうして僕が答えた事に驚いてるの?
「…………それじゃあ今までヤートが使った魔法は、ヤートが編み出したものなのか?」
「そんな編み出したとかいうものじゃない。何度も言ってるけど僕は植物達の力を貸してもらってるだけ。こういう風な現象を起こしてって触媒になってくれた植物達へ呼びかけてお願いしてる感じだね」
「つまりヤート君の魔法は、ヤート君がその場に合わせて即興でやってるという事ですか……?」
「そうだよ。もしかしたら正式に魔法を修めた人からすると、僕の魔法は無駄が多いって言うかもね。あ、でも、魔力の制御なら負けない自信はあるかな」
ラカムタさん達の前でけっこう魔法を使ってるのに今まで一回も聞かれなかったから、当然のようにラカムタさん達は知ってると思ってた。やっぱり話し合いというか情報のすり合わせは大事だね。僕達は僕の魔法についての話をしながら、植物達に作ってもらった道を進み始めた。
全員で警戒しつつ道を進んでいると目の前に地面に大穴ができている場所にたどり着く。すぐに僕は破壊猪の背から降りて大穴の縁まで近づいた。そしていろいろ確認しているとラカムタさんが僕の隣へやってくる。
「…………」
「深いな。ここが魔石が町に化けていたところだな?」
「うん。あれだけの数の魔石が潜んでた場所だから底の見えない深さになってるね」
「一応言っておくが、飛び降りて底を確かめようなんて考えるなよ?」
「界気化した魔力で把握できるから、それはしない。だからディグリとミック、さりげなく僕に近づいていつでもいっしょに飛び降りられるように準備はしなくて良いから」
「何……?」
僕とラカムタさんが振り向くと二体がすぐそばにいて、二体は僕とラカムタさんに一礼して鬼熊と破壊猪のもとへ戻っていった。
「…………俺が気がつかなかっただと?」
「二体は魔獣化してても、もとが植物だから気配が静かで紛れるからね。ラカムタさんだって小さな草一本一本を認識できないでしょ?」
「それはそうだが……」
「僕みたいに精度の高い感知方法を持ってないなら、あとはもともと勘が鋭いかどうか。そこまで気にしなくて良いと思う」
「……そうだな」
ラカムタさん、絶対に気にしてるね。でも、今は言う事じゃないから、これはこのままで良いや。僕はそれより大穴の周囲に界気化した魔力を放って探知していく。…………ああ、いたね。
「ラカムタさん」
「どうした?」
「あっちに三人が倒れてる。それと僕の射程範囲に入ってるよ」
「そうか……、どんな様子だ? 生きてるのか?」
「呼吸も魔力も弱くて瀕死って感じかな」
「ナイル殿達に合図を送る。ヤートは、このまま三人への警戒を頼むな」
「わかった」
少し待つと瀕死の三人のところへ向かう人選が完了する。念の為に大穴の手前に残った人達の護衛と僕との連絡役としてシールにいてもらい、僕達は大穴の淵から離れる方向へ進み始めた。
僕・ラカムタさん・母さん・ナイルさん・インダスさん・インダスさんの部下の騎士十人でしばらく森の中を歩いていくと黒い煙が漂ってくる。絶対に自然の煙じゃないとわかるくらい見ていて気持ちの悪いどす黒い煙だ。発生源は考えるまでもないね。
「ヤート……」
「あの煙のもとだよ。あと純粋なる緑を纏う遮断膜から出ないように注意して」
「ヤート殿、集団でも問題なく動ける広さがあるところから不用心に出るようなものは連れてきていないから安心してほしい」
「うん、一応言っただけだから」
どす黒い煙が増えてくる中、さらに進んでいると煙の発生源を見つけた。そしてゆらゆら揺れる煙の間から見えたのは、やっぱりあの三人だった。大穴からそれなりに離れてるこの場所に倒れてるという事は、僕の魔法でかなり飛ばされたんだね。
うーん……、煙の量が減らないな。シューシューという音が聞こえてるのは僕の魔法によって浄化され続けるせいだとは思う。煙自体にも悪影響がありそうだし何より見通しが悪いため、僕は腰の小袋から聖月草の種を取り出し世界樹の杖の先端に埋めた。そして世界樹の杖を構えていつもの魔法を発動させる。
「緑盛魔法・超育成・聖月草」
すぐに聖月草は成長して世界樹の杖の先端で小さな花を咲かせた。これにより優しい光が放たれていき気持ちの悪い煙を消していく。…………よしよし煙が晴れて、あの三人の姿が見えてきた。でも、その姿はまともな人じゃなく手足はボロボロに崩れており、顔などの肌は泥が乾いた時のように大きなヒビが入っている。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◎後書き
最後まで読んでいただきありがとうございます。
注意はしていますが誤字・脱字がありましたら教えてもらえるとうれしいです。
感想や評価もお待ちしています。
「ヤート君、どうかしましたか?」
「僕へ殺意を込めた視線を向けてきた奴らが、あそこにいるなって」
僕が言うとリンリーは僕を破壊猪の身体の影へグイッと引っ張り込んだ。そして父さん達と四体が一気に殺気立つ。
「ヤート、あそこにいるんだな?」
「そうだけど、今は放置して良いよ」
「…………何でだ?」
「先にうるさいくらい叫んでたあの三人の確認が先」
「ああ、あいつらか」
「うん。あの三人の状態を確認したら、本拠地にこもってる奴らの状態をある程度把握できると思うよ」
「なるほどな。それなら早い方が良いのは確かか。ラカムタ‼︎ ナイル殿‼︎ 時間が惜しい‼︎ 俺達は先に動いて良いか!?」
父さんが呼びかけると今後の相談していたラカムタさん達はうなずき合って別れ、ラカムタさんは僕達のところに戻りナイルさん達はすぐに隊列を整え始めた。
「ヤート、もうすぐ進軍を再開するから、また索敵を頼む」
「わかった」
僕は破壊猪の背に上がって目を閉じ界気化した魔力での感知に専念していく。…………うん? なんかみんなが僕を見てるな。気になったから一番近くにいる騎士に聞いてみる。
「僕を見てるけど何か用?」
「い、いえ‼︎ 何でもないです‼︎」
「そう? 後々に気になってる事が尾を引く場合もあるから解決できる事は、しっかり解決しておいてね」
「は、はい‼︎ …………あの‼︎」
「何?」
「その……一つ聞いても良いでしょうか?」
「どうぞ」
「あなたは、どこで魔法を習ったのですか……?」
「僕の魔法? 別に誰にも習ってないよ」
「え……?」
「正確に言うと黒の竜人族に僕みたいな魔法を使える人がいなかったから習えなかっただね」
僕に敬語を話すのはなんでだろとも思うけど、それより気になるのはラカムタさん達の態度だ。どうして僕が答えた事に驚いてるの?
「…………それじゃあ今までヤートが使った魔法は、ヤートが編み出したものなのか?」
「そんな編み出したとかいうものじゃない。何度も言ってるけど僕は植物達の力を貸してもらってるだけ。こういう風な現象を起こしてって触媒になってくれた植物達へ呼びかけてお願いしてる感じだね」
「つまりヤート君の魔法は、ヤート君がその場に合わせて即興でやってるという事ですか……?」
「そうだよ。もしかしたら正式に魔法を修めた人からすると、僕の魔法は無駄が多いって言うかもね。あ、でも、魔力の制御なら負けない自信はあるかな」
ラカムタさん達の前でけっこう魔法を使ってるのに今まで一回も聞かれなかったから、当然のようにラカムタさん達は知ってると思ってた。やっぱり話し合いというか情報のすり合わせは大事だね。僕達は僕の魔法についての話をしながら、植物達に作ってもらった道を進み始めた。
全員で警戒しつつ道を進んでいると目の前に地面に大穴ができている場所にたどり着く。すぐに僕は破壊猪の背から降りて大穴の縁まで近づいた。そしていろいろ確認しているとラカムタさんが僕の隣へやってくる。
「…………」
「深いな。ここが魔石が町に化けていたところだな?」
「うん。あれだけの数の魔石が潜んでた場所だから底の見えない深さになってるね」
「一応言っておくが、飛び降りて底を確かめようなんて考えるなよ?」
「界気化した魔力で把握できるから、それはしない。だからディグリとミック、さりげなく僕に近づいていつでもいっしょに飛び降りられるように準備はしなくて良いから」
「何……?」
僕とラカムタさんが振り向くと二体がすぐそばにいて、二体は僕とラカムタさんに一礼して鬼熊と破壊猪のもとへ戻っていった。
「…………俺が気がつかなかっただと?」
「二体は魔獣化してても、もとが植物だから気配が静かで紛れるからね。ラカムタさんだって小さな草一本一本を認識できないでしょ?」
「それはそうだが……」
「僕みたいに精度の高い感知方法を持ってないなら、あとはもともと勘が鋭いかどうか。そこまで気にしなくて良いと思う」
「……そうだな」
ラカムタさん、絶対に気にしてるね。でも、今は言う事じゃないから、これはこのままで良いや。僕はそれより大穴の周囲に界気化した魔力を放って探知していく。…………ああ、いたね。
「ラカムタさん」
「どうした?」
「あっちに三人が倒れてる。それと僕の射程範囲に入ってるよ」
「そうか……、どんな様子だ? 生きてるのか?」
「呼吸も魔力も弱くて瀕死って感じかな」
「ナイル殿達に合図を送る。ヤートは、このまま三人への警戒を頼むな」
「わかった」
少し待つと瀕死の三人のところへ向かう人選が完了する。念の為に大穴の手前に残った人達の護衛と僕との連絡役としてシールにいてもらい、僕達は大穴の淵から離れる方向へ進み始めた。
僕・ラカムタさん・母さん・ナイルさん・インダスさん・インダスさんの部下の騎士十人でしばらく森の中を歩いていくと黒い煙が漂ってくる。絶対に自然の煙じゃないとわかるくらい見ていて気持ちの悪いどす黒い煙だ。発生源は考えるまでもないね。
「ヤート……」
「あの煙のもとだよ。あと純粋なる緑を纏う遮断膜から出ないように注意して」
「ヤート殿、集団でも問題なく動ける広さがあるところから不用心に出るようなものは連れてきていないから安心してほしい」
「うん、一応言っただけだから」
どす黒い煙が増えてくる中、さらに進んでいると煙の発生源を見つけた。そしてゆらゆら揺れる煙の間から見えたのは、やっぱりあの三人だった。大穴からそれなりに離れてるこの場所に倒れてるという事は、僕の魔法でかなり飛ばされたんだね。
うーん……、煙の量が減らないな。シューシューという音が聞こえてるのは僕の魔法によって浄化され続けるせいだとは思う。煙自体にも悪影響がありそうだし何より見通しが悪いため、僕は腰の小袋から聖月草の種を取り出し世界樹の杖の先端に埋めた。そして世界樹の杖を構えていつもの魔法を発動させる。
「緑盛魔法・超育成・聖月草」
すぐに聖月草は成長して世界樹の杖の先端で小さな花を咲かせた。これにより優しい光が放たれていき気持ちの悪い煙を消していく。…………よしよし煙が晴れて、あの三人の姿が見えてきた。でも、その姿はまともな人じゃなく手足はボロボロに崩れており、顔などの肌は泥が乾いた時のように大きなヒビが入っている。
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◎後書き
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