197 / 318
幕間にて 白への印象と新たな未来
しおりを挟む
今回はヌイジュ視点です。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「それ……でも……、そうだと……しても……、いつも……みんなと……いれるとは……限らないから……、戦える……ように……なって……おかないと……後悔……す……」
黒のヤーウェルトが俺の方に倒れてきたため受け止める。感じた重さは、どう考えても同年代の子供達より軽い。
「……これが欠色の重さ」
身体は弱いが精神は強く存在感があると言っても良い。いつの間にか、あらゆる事態の中心にいるのはそのためだろう。……逆を言えば、目を離すと何を引き起こすかわからない危うさを感じるとも言えるな。まあ、俺がこいつに伝えたい事は全て言ったから、もう深く関わる事もない。俺は黒のヤーウェルトを肩に担ぎ、俺の様子をうかがっている待ち人のもとへと歩いていく。
俺が近づくとヤーウェルトの兄と姉の目が鋭くなる。当たり前と言えば当たり前だが嫌われたものだな。……ふむ、黒の顔役は冷静のようだ。
「返すぞ」
「……あ、ああ」
「じゃあな」
「待て‼︎」
黒の顔役が俺を呼び止めた事に、俺も周りの奴らも驚く。
「……何だ?」
「礼を言う」
「は?」
俺の口から間抜けな声が漏れた。なぜ、俺に礼を言う? ただ、立ち合っただけだぞ?
「礼を言われる筋合いはない」
「ヤートに俺達ができていなかった事をやってもらった礼だ」
「……その言い方だと、自分達の甘さは理解しているようだな」
「必要だとはわかっているんだが……」
「ならば、それ相応の事をして……、いや、俺が言う事じゃないか」
「率直に聞きたい。お前の目にヤートはどんな風に写った?」
黒の顔役がジッと俺を見てくる。……特段隠す事でもないか。
「こいつは、ヤーウェルトは目の前の問題をまっすぐ見れる奴だな」
「……詳しく頼む」
「問題を冷静に把握して、問題解決に必要な事をやれる奴だ。例え必要な事が自分の存在だとしてもたやすくすり潰せる」
「…………」
「何をどうしたらここまで冷静に物事を見れるのかわからないが、ためらいなく一線を超えれるのは自分よりも問題解決をはるかに優先しているからだろう」
俺の発言でヤーウェルトに視線が集中する。その中でもヤーウェルトの兄姉の顔は、心配からか痛々しくゆがんでいた。
「一つ言えるのはヤーウェルトを死なせたくないなら、もっとヤーウェルト自身が大切だと伝えてやれ。そうすれば少しは踏みとどまるようになるはずだ。……それと姫さま」
「な、何だい?」
「ヤーウェルトは自分から積極的につながりを強くしていかないと、フッと消えるぞ」
「ヤートはそんな事しねえ‼︎」
「そうよ‼︎ 勝手な事を言わないで‼︎」
ふむ、本当にヤーウェルトは好かれているみたいだな。ただ、それだけに残念ではある。
「言い方が悪かった。ヤーウェルトに踏みとどまる事を教えなければ、どこまでも突き進んでいくぞ。そこにいる魔獣三体を除いた、この場にいる誰も追いつけない領域までな」
「うっ……」
「それは……」
広場にいる全員が言葉に詰まった。どうやら思い当たる事があるらしい。
「まあ、今のは俺の意見だ。受け止める必要はない」
俺は伝えたい事を伝えて、言いたい事も言ったので広場を離れる。
ヤーウェルトとの立ち会いを思い出しながら家路についていると、進行方向に人影が見えた。
「タキタ、何の用だ?」
「ホッホッホ、お前さんを褒めようと思ってな」
「……ケンカを売っているなら買うぞ?」
「嘘偽りのない本心じゃよ。ヤート殿を傷つけず現状での弱点や欠点を実感させる。見事じゃった」
「……俺のやりたいようにやっただけだ」
「それで良い。それで良い。ホッホッホ」
「チッ、それで用は何⁉︎」
俺がイラつきながら聞くと、タキタの顔がスッと引き締まった。
「相談がある」
「……相談だと?」
「子供達の指導者にならんか? お前さんの手腕を活かさないのは惜しい」
「ふん、寝言は寝てから言え」
「わしの顔が寝言や冗談を言っているように見えるか?」
タキタの顔は、どこまでも真剣だった。それに声色や態度からも本気だと伝わってくる。
「どこからそんな話になったのかは知らんが、水守を除籍された俺を指導者にするのは村長や当代水添えが許すはずない」
「ヤート殿とお前さんのやりとりを見ていた村長と当代水添えから出た提案で、広場にいた面々からも賛成されている」
「バカな……」
「事実じゃ。あとはお前さんの意思だけ。引き受けてくれんかの?」
「…………」
「ふむ、いささか急すぎたようじゃな。それでは答えは保留という事にしておく故、しばらく考えてみよ。良い返事を期待しとるぞ」
俺の横を抜けて広場に軽やかな足取りで戻っていくタキタを見送る俺の内心は、いろいろな思いが巡りざわついていた。これは簡単に結論を出せそうにないと考えた俺の取れる行動は一つだけ。
「とりあえず、いったん寝て起きてから考えるとしよう」
ヤーウェルトと関わってから精神は乱されてばかりだと思ったが、この点に関しては考えてもしょうがないと開き直り俺は家へ向かい再び歩き出した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◎後書き
最後まで読んでいただきありがとうございます。
注意はしていますが誤字・脱字がありましたら教えてもらえるとうれしいです。
感想や評価もお待ちしています。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「それ……でも……、そうだと……しても……、いつも……みんなと……いれるとは……限らないから……、戦える……ように……なって……おかないと……後悔……す……」
黒のヤーウェルトが俺の方に倒れてきたため受け止める。感じた重さは、どう考えても同年代の子供達より軽い。
「……これが欠色の重さ」
身体は弱いが精神は強く存在感があると言っても良い。いつの間にか、あらゆる事態の中心にいるのはそのためだろう。……逆を言えば、目を離すと何を引き起こすかわからない危うさを感じるとも言えるな。まあ、俺がこいつに伝えたい事は全て言ったから、もう深く関わる事もない。俺は黒のヤーウェルトを肩に担ぎ、俺の様子をうかがっている待ち人のもとへと歩いていく。
俺が近づくとヤーウェルトの兄と姉の目が鋭くなる。当たり前と言えば当たり前だが嫌われたものだな。……ふむ、黒の顔役は冷静のようだ。
「返すぞ」
「……あ、ああ」
「じゃあな」
「待て‼︎」
黒の顔役が俺を呼び止めた事に、俺も周りの奴らも驚く。
「……何だ?」
「礼を言う」
「は?」
俺の口から間抜けな声が漏れた。なぜ、俺に礼を言う? ただ、立ち合っただけだぞ?
「礼を言われる筋合いはない」
「ヤートに俺達ができていなかった事をやってもらった礼だ」
「……その言い方だと、自分達の甘さは理解しているようだな」
「必要だとはわかっているんだが……」
「ならば、それ相応の事をして……、いや、俺が言う事じゃないか」
「率直に聞きたい。お前の目にヤートはどんな風に写った?」
黒の顔役がジッと俺を見てくる。……特段隠す事でもないか。
「こいつは、ヤーウェルトは目の前の問題をまっすぐ見れる奴だな」
「……詳しく頼む」
「問題を冷静に把握して、問題解決に必要な事をやれる奴だ。例え必要な事が自分の存在だとしてもたやすくすり潰せる」
「…………」
「何をどうしたらここまで冷静に物事を見れるのかわからないが、ためらいなく一線を超えれるのは自分よりも問題解決をはるかに優先しているからだろう」
俺の発言でヤーウェルトに視線が集中する。その中でもヤーウェルトの兄姉の顔は、心配からか痛々しくゆがんでいた。
「一つ言えるのはヤーウェルトを死なせたくないなら、もっとヤーウェルト自身が大切だと伝えてやれ。そうすれば少しは踏みとどまるようになるはずだ。……それと姫さま」
「な、何だい?」
「ヤーウェルトは自分から積極的につながりを強くしていかないと、フッと消えるぞ」
「ヤートはそんな事しねえ‼︎」
「そうよ‼︎ 勝手な事を言わないで‼︎」
ふむ、本当にヤーウェルトは好かれているみたいだな。ただ、それだけに残念ではある。
「言い方が悪かった。ヤーウェルトに踏みとどまる事を教えなければ、どこまでも突き進んでいくぞ。そこにいる魔獣三体を除いた、この場にいる誰も追いつけない領域までな」
「うっ……」
「それは……」
広場にいる全員が言葉に詰まった。どうやら思い当たる事があるらしい。
「まあ、今のは俺の意見だ。受け止める必要はない」
俺は伝えたい事を伝えて、言いたい事も言ったので広場を離れる。
ヤーウェルトとの立ち会いを思い出しながら家路についていると、進行方向に人影が見えた。
「タキタ、何の用だ?」
「ホッホッホ、お前さんを褒めようと思ってな」
「……ケンカを売っているなら買うぞ?」
「嘘偽りのない本心じゃよ。ヤート殿を傷つけず現状での弱点や欠点を実感させる。見事じゃった」
「……俺のやりたいようにやっただけだ」
「それで良い。それで良い。ホッホッホ」
「チッ、それで用は何⁉︎」
俺がイラつきながら聞くと、タキタの顔がスッと引き締まった。
「相談がある」
「……相談だと?」
「子供達の指導者にならんか? お前さんの手腕を活かさないのは惜しい」
「ふん、寝言は寝てから言え」
「わしの顔が寝言や冗談を言っているように見えるか?」
タキタの顔は、どこまでも真剣だった。それに声色や態度からも本気だと伝わってくる。
「どこからそんな話になったのかは知らんが、水守を除籍された俺を指導者にするのは村長や当代水添えが許すはずない」
「ヤート殿とお前さんのやりとりを見ていた村長と当代水添えから出た提案で、広場にいた面々からも賛成されている」
「バカな……」
「事実じゃ。あとはお前さんの意思だけ。引き受けてくれんかの?」
「…………」
「ふむ、いささか急すぎたようじゃな。それでは答えは保留という事にしておく故、しばらく考えてみよ。良い返事を期待しとるぞ」
俺の横を抜けて広場に軽やかな足取りで戻っていくタキタを見送る俺の内心は、いろいろな思いが巡りざわついていた。これは簡単に結論を出せそうにないと考えた俺の取れる行動は一つだけ。
「とりあえず、いったん寝て起きてから考えるとしよう」
ヤーウェルトと関わってから精神は乱されてばかりだと思ったが、この点に関しては考えてもしょうがないと開き直り俺は家へ向かい再び歩き出した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◎後書き
最後まで読んでいただきありがとうございます。
注意はしていますが誤字・脱字がありましたら教えてもらえるとうれしいです。
感想や評価もお待ちしています。
2
お気に入りに追加
875
あなたにおすすめの小説
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
白い結婚三年目。つまり離縁できるまで、あと七日ですわ旦那様。
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
異世界に転生したフランカは公爵夫人として暮らしてきたが、前世から叶えたい夢があった。パティシエールになる。その夢を叶えようと夫である王国財務総括大臣ドミニクに相談するも答えはノー。夫婦らしい交流も、信頼もない中、三年の月日が近づき──フランカは賭に出る。白い結婚三年目で離縁できる条件を満たしていると迫り、夢を叶えられないのなら離縁すると宣言。そこから公爵家一同でフランカに考え直すように動き、ドミニクと話し合いの機会を得るのだがこの夫、山のように隠し事はあった。
無言で睨む夫だが、心の中は──。
【詰んだああああああああああ! もうチェックメイトじゃないか!? 情状酌量の余地はないと!? ああ、どうにかして侍女の準備を阻まなければ! いやそれでは根本的な解決にならない! だいたいなぜ後妻? そんな者はいないのに……。ど、どどどどどうしよう。いなくなるって聞いただけで悲しい。死にたい……うう】
4万文字ぐらいの中編になります。
※小説なろう、エブリスタに記載してます
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
【完結】ちびっこ錬金術師は愛される
あろえ
ファンタジー
「もう大丈夫だから。もう、大丈夫だから……」
生死を彷徨い続けた子供のジルは、献身的に看病してくれた姉エリスと、エリクサーを譲ってくれた錬金術師アーニャのおかげで、苦しめられた呪いから解放される。
三年にわたって寝込み続けたジルは、その間に蘇った前世の記憶を夢だと勘違いした。朧げな記憶には、不器用な父親と料理を作った思い出しかないものの、料理と錬金術の作業が似ていることから、恩を返すために錬金術師を目指す。
しかし、錬金術ギルドで試験を受けていると、エリクサーにまつわる不思議な疑問が浮かび上がってきて……。
これは、『ありがとう』を形にしようと思うジルが、錬金術師アーニャにリードされ、無邪気な心でアイテムを作り始めるハートフルストーリー!
浮気をした王太子はいりません。〜離縁をした元王太子妃は森の奥で、フェンリルパパと子供と共に幸せに暮らします。
にのまえ
恋愛
王太子ルールリアと結婚をして7年目。彼の浮気で、この世界が好きだった、恋愛ファンタジー小説の世界だと知った。
「前世も、今世も旦那となった人に浮気されるなんて」
悲しみに暮れた私は彼に離縁すると伝え、魔法で姿を消し、私と両親しか知らない秘密の森の中の家についた。
「ここで、ひっそり暮らしましょう」
そう決めた私に。
優しいフェンリルのパパと可愛い息子ができて幸せです。
だから、探さないでくださいね。
『お読みいただきありがとうございます。』
「浮気をした旦那様と離縁を決めたら。愛するフェンリルパパと愛しい子ができて幸せです」から、タイトルを変え。
エブリスタ(深月カナメ)で直しながら、投稿中の話に変えさせていただきました。
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
【完結】愛する人には裏の顔がありました
風子
恋愛
エルグスト子爵家の娘であるミリディは、婚約者に浮気をされ、三度も破談になるという前代未聞の不幸に見舞われていた。
落ち込むミリディだったが、破談になる度に慰め励ましてくれる頼もしい存在がいた。
その人は兄の親友であり、幼い頃から密かに想いを寄せる公爵家の令息ライド・ロベールトンだった。
身分の違いから叶わぬ恋心は封印し、兄と妹のような関係を築いてきたミリディだったが、ライドの積極的なアプローチに戸惑ってしまう。
いつも優しく親切な彼の真意とは‥‥
そして彼のもつ裏の顔とは‥‥
※作者の妄想の世界の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる